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日語《我是貓》第十一章2

2023-02-17 15:51 作者:日本異文化  | 我要投稿

「そりゃそうですけれども私はどうも直覚的にそう思われないんです」 「君が直覚的にそう思われなければ、僕は曲覚的きょっかくてきにそう思うまでさ」 「曲覚的かも知れないが」と今度は獨仙君が口を出す。「とにかく人間に個性の自由を許せば許すほど御互の間が窮屈になるに相違ないよ。ニーチェが超人なんか擔(dān)かつぎ出すのも全くこの窮屈のやりどころがなくなって仕方なしにあんな哲學(xué)に変形したものだね。ちょっと見るとあれがあの男の理想のように見えるが、ありゃ理想じゃない、不平さ。個性の発展した十九世紀(jì)にすくんで、隣りの人には心置なく滅多めったに寢返りも打てないから、大將少しやけになってあんな亂暴をかき散らしたのだね。あれを読むと壯快と云うよりむしろ気の毒になる。あの聲は勇猛精進(jìn)ゆうもうしょうじんの聲じゃない、どうしても怨恨痛憤えんこんつうふんの音おんだ。それもそのはずさ昔は一人えらい人があれば天下翕然きゅうぜんとしてその旗下にあつまるのだから、愉快なものさ。こんな愉快が事実に出てくれば何もニーチェ見たように筆と紙の力でこれを書物の上にあらわす必要がない。だからホーマーでもチェヴィ?チェーズでも同じく超人的な性格を?qū)懁筏皮飧肖袱蓼毪沁`うからね。陽気ださ。愉快にかいてある。愉快な事実があって、この愉快な事実を紙に寫しかえたのだから、苦味にがみはないはずだ。ニーチェの時代はそうは行かないよ。英雄なんか一人も出やしない。出たって誰も英雄と立てやしない。昔は孔子こうしがたった一人だったから、孔子も幅を利きかしたのだが、今は孔子が幾人もいる。ことによると天下がことごとく孔子かも知れない。だからおれは孔子だよと威張っても圧おしが利かない。利かないから不平だ。不平だから超人などを書物の上だけで振り廻すのさ。吾人は自由を欲して自由を得た。自由を得た結(jié)果不自由を感じて困っている。それだから西洋の文明などはちょっといいようでもつまり駄目なものさ。これに反して東洋じゃ昔しから心の修行をした。その方が正しいのさ。見給え個性発展の結(jié)果みんな神経衰弱を起して、始末がつかなくなった時、王者おうしゃの民たみ蕩々とうとうたりと云う句の価値を始めて発見するから。無為むいにして化かすと云う語の馬鹿に出來ない事を悟るから。しかし悟ったってその時はもうしようがない。アルコール中毒に罹かかって、ああ酒を飲まなければよかったと考えるようなものさ」 「先生方は大分だいぶ厭世的な御説のようだが、私は妙ですね。いろいろ伺っても何とも感じません。どう云うものでしょう」と寒月君が云う。 「そりゃ妻君を持ち立てだからさ」と迷亭君がすぐ解釈した。すると主人が突然こんな事を云い出した。 「妻さいを持って、女はいいものだなどと思うと飛んだ間違になる。參考のためだから、おれが面白い物を読んで聞かせる。よく聴くがいい」と最前さいぜん書斎から持って來た古い本を取り上げて「この本は古い本だが、この時代から女のわるい事は歴然と分ってる」と云うと、寒月君が 「少し驚きましたな。元來いつ頃の本ですか」と聞く?!弗骏蕙?ナッシと云って十六世紀(jì)の著書だ」 「いよいよ驚ろいた。その時分すでに私の妻さいの悪口を云ったものがあるんですか」 「いろいろ女の悪口があるが、その內(nèi)には是非君の妻さいも這入る訳だから聞くがいい」 「ええ聞きますよ。ありがたい事になりましたね」 「まず古來の賢哲が女性観を紹介すべしと書いてある。いいかね。聞いてるかね」 「みんな聞いてるよ。獨身の僕まで聞いてるよ」 「アリストートル曰いわく女はどうせ碌ろくでなしなれば、嫁をとるなら、大きな嫁より小さな嫁をとるべし。大きな碌でなしより、小さな碌でなしの方が災(zāi)わざわい少なし……」 「寒月君の妻君は大きいかい、小さいかい」 「大きな碌でなしの部ですよ」 「ハハハハ、こりゃ面白い本だ。さああとを読んだ」 「或る人問う、いかなるかこれ最大奇蹟さいだいきせき。賢者答えて曰く、貞婦……」 「賢者ってだれですか」 「名前は書いてない」 「どうせ振られた賢者に相違ないね」 「次にはダイオジニスが出ている?;颏肴藛枻?、妻を娶めとるいずれの時においてすべきか。ダイオジニス答えて曰く青年は未いまだし、老年はすでに遅し。とある」 「先生樽たるの中で考えたね」 「ピサゴラス曰いわく天下に三の恐るべきものあり曰く火、曰く水、曰く女」 「希臘ギリシャの哲學(xué)者などは存外迂濶うかつな事を云うものだね。僕に云わせると天下に恐るべきものなし?;黏巳毪い盲茻啢堡?、水に入って溺れず……」だけで獨仙君ちょっと行き詰る。 「女に逢ってとろけずだろう」と迷亭先生が援兵に出る。主人はさっさとあとを読む。 「ソクラチスは婦女子を御ぎょするは人間の最大難事と云えり。デモスセニス曰く人もしその敵を苦しめんとせば、わが女を敵に與うるより策の得たるはあらず。家庭の風(fēng)波に日となく夜よとなく彼を困憊こんぱい起つあたわざるに至らしむるを得ればなりと。セネカは婦女と無學(xué)をもって世界における二大厄とし、マーカス?オーレリアスは女子は制御し難き點において船舶に似たりと云い、プロータスは女子が綺羅きらを飾るの性癖をもってその天稟てんぴんの醜を蔽おおうの陋策ろうさくにもとづくものとせり。ヴァレリアスかつて書をその友某におくって告げて曰く天下に何事も女子の忍んでなし得ざるものあらず。願わくは皇天憐あわれみを垂れて、君をして彼等の術(shù)中に陥おちいらしむるなかれと。彼また曰く女子とは何ぞ。友愛の敵にあらずや。避くべからざる苦しみにあらずや、必然の害にあらずや、自然の誘惑にあらずや、蜜みつに似たる毒にあらずや。もし女子を棄つるが不徳ならば、彼等を棄てざるは一層の呵責(zé)かしゃくと云わざるべからず?!? 「もう沢山です、先生。そのくらい愚妻のわる口を拝聴すれば申し分はありません」 「まだ四五ページあるから、ついでに聞いたらどうだ」 「もうたいていにするがいい。もう奧方の御帰りの刻限だろう」と迷亭先生がからかい掛けると、茶の間の方で 「清や、清や」と細(xì)君が下女を呼ぶ聲がする。 「こいつは大変だ。奧方はちゃんといるぜ、君」 「ウフフフフ」と主人は笑いながら「構(gòu)うものか」と云った。 「奧さん、奧さん。いつの間まに御帰りですか」 茶の間ではしんとして答がない。 「奧さん、今のを聞いたんですか。え?」 答はまだない。 「今のはね、御主人の御考ではないですよ。十六世紀(jì)のナッシ君の説ですから御安心なさい」 「存じません」と妻君は遠(yuǎn)くで簡単な返事をした。寒月君はくすくすと笑った。 「私も存じませんで失禮しましたアハハハハ」と迷亭君は遠(yuǎn)慮なく笑ってると、門口かどぐちをあらあらしくあけて、頼むとも、御免とも云わず、大きな足音がしたと思ったら、座敷の唐紙が亂暴にあいて、多々良三平たたらさんぺい君の顔がその間からあらわれた。 三平君今日はいつに似ず、真白なシャツに卸立おろしたてのフロックを著て、すでに幾分か相場そうばを狂わせてる上へ、右の手へ重そうに下げた四本の麥酒ビールを縄ぐるみ、鰹節(jié)かつぶしの傍そばへ置くと同時に挨拶もせず、どっかと腰を下ろして、かつ膝を崩したのは目覚めざましい武者振むしゃぶりである。 「先生胃病は近來いいですか。こうやって、うちにばかりいなさるから、いかんたい」 「まだ悪いとも何ともいやしない」 「いわんばってんが、顔色はよかなかごたる。先生顔色が黃きいですばい。近頃は釣がいいです。品川から舟を一艘雇うて――私はこの前の日曜に行きました」 「何か釣れたかい」 「何も釣れません」 「釣れなくっても面白いのかい」 「浩然こうぜんの気を養(yǎng)うたい、あなた。どうですあなたがた。釣に行った事がありますか。面白いですよ釣は。大きな海の上を小舟で乗り廻わしてあるくのですからね」と誰彼の容赦なく話しかける。 「僕は小さな海の上を大船で乗り廻してあるきたいんだ」と迷亭君が相手になる。 「どうせ釣るなら、鯨くじらか人魚でも釣らなくっちゃ、詰らないです」と寒月君が答えた。 「そんなものが釣れますか。文學(xué)者は常識がないですね?!? 「僕は文學(xué)者じゃありません」 「そうですか、何ですかあなたは。私のようなビジネス?マンになると常識が一番大切ですからね。先生私は近來よっぽど常識に富んで來ました。どうしてもあんな所にいると、傍はたが傍だから、おのずから、そうなってしまうです」 「どうなってしまうのだ」 「煙草たばこでもですね、朝日や、敷島しきしまをふかしていては幅が利きかんです」と云いながら、吸口に金箔きんぱくのついた埃及エジプト煙草を出して、すぱすぱ吸い出した、 「そんな贅沢ぜいたくをする金があるのかい」 「金はなかばってんが、今にどうかなるたい。この煙草を吸ってると、大変信用が違います」 「寒月君が珠を磨くよりも楽な信用でいい、手?jǐn)?shù)てすうがかからない。軽便信用だね」と迷亭が寒月にいうと、寒月が何とも答えない間に、三平君は 「あなたが寒月さんですか。博士にゃ、とうとうならんですか。あなたが博士にならんものだから、私が貰う事にしました」 「博士をですか」 「いいえ、金田家の令嬢をです。実は御気の毒と思うたですたい。しかし先方で是非貰うてくれ貰うてくれと云うから、とうとう貰う事に極きめました、先生。しかし寒月さんに義理がわるいと思って心配しています」 「どうか御遠(yuǎn)慮なく」と寒月君が云うと、主人は 「貰いたければ貰ったら、いいだろう」と曖昧あいまいな返事をする。 「そいつはおめでたい話だ。だからどんな娘を持っても心配するがものはないんだよ。だれか貰うと、さっき僕が云った通り、ちゃんとこんな立派な紳士の御聟むこさんが出來たじゃないか。東風(fēng)君新體詩の種が出來た。早速とりかかりたまえ」と迷亭君が例のごとく調(diào)子づくと三平君は 「あなたが東風(fēng)君ですか、結(jié)婚の時に何か作ってくれませんか。すぐ活版にして方々へくばります。太陽へも出してもらいます」 「ええ何か作りましょう、いつ頃ごろ御入用にゅうようですか」 「いつでもいいです。今まで作ったうちでもいいです。その代りです。披露ひろうのとき呼んで御馳走ごちそうするです。シャンパンを飲ませるです。君シャンパンを飲んだ事がありますか。シャンパンは旨うまいです。――先生披露會のときに楽隊を呼ぶつもりですが、東風(fēng)君の作を譜にして奏したらどうでしょう」 「勝手にするがいい」 「先生、譜にして下さらんか」 「馬鹿云え」 「だれか、このうちに音楽の出來るものはおらんですか」 「落第の候補(bǔ)者寒月君はヴァイオリンの妙手だよ。しっかり頼んで見たまえ。しかしシャンパンくらいじゃ承知しそうもない男だ」 「シャンパンもですね。一瓶ひとびん四円や五円のじゃよくないです。私の御馳走するのはそんな安いのじゃないですが、君一つ譜を作ってくれませんか」 「ええ作りますとも、一瓶二十銭のシャンパンでも作ります。なんならただでも作ります」 「ただは頼みません、御禮はするです。シャンパンがいやなら、こう云う御禮はどうです」と云いながら上著の隠袋かくしのなかから七八枚の寫真を出してばらばらと畳の上へ落す。半身がある。全身がある。立ってるのがある。坐ってるのがある。袴はかまを穿はいてるがある。振袖ふりそでがある。高島田がある。ことごとく妙齢の女子ばかりである。 「先生候補(bǔ)者がこれだけあるです。寒月君と東風(fēng)君にこのうちどれか御禮に周旋してもいいです。こりゃどうです」と一枚寒月君につき付ける。 「いいですね。是非周旋を願いましょう」 「これでもいいですか」とまた一枚つきつける。 「それもいいですね。是非周旋して下さい」 「どれをです」 「どれでもいいです」 「君なかなか多情ですね。先生、これは博士の姪めいです」 「そうか」 「この方は性質(zhì)が極ごくいいです。年も若いです。これで十七です。――これなら持參金が千円あります。――こっちのは知事の娘です」と一人で弁じ立てる。 「それをみんな貰う訳にゃいかないでしょうか」 「みんなですか、それはあまり慾張りたい。君一夫多妻主義いっぷたさいしゅぎですか」 「多妻主義じゃないですが、肉食論者にくしょくろんしゃです」 「何でもいいから、そんなものは早くしまったら、よかろう」と主人は叱りつけるように言い放ったので、三平君は 「それじゃ、どれも貰わんですね」と念を押しながら、寫真を一枚一枚にポッケットへ収めた。 「何だいそのビールは」 「お見やげでござります。前祝まえいわいに角かどの酒屋で買うて來ました。一つ飲んで下さい」 主人は手を拍うって下女を呼んで栓せんを抜かせる。主人、迷亭、獨仙、寒月、東風(fēng)の五君は恭うやうやしくコップを捧げて、三平君の艶福えんぷくを祝した。三平君は大おおいに愉快な様子で 「ここにいる諸君を披露會に招待しますが、みんな出てくれますか、出てくれるでしょうね」と云う。 「おれはいやだ」と主人はすぐ答える。 「なぜですか。私の一生に一度の大禮たいれいですばい。出てくんなさらんか。少し不人情のごたるな」 「不人情じゃないが、おれは出ないよ」 「著物がないですか。羽織と袴はかまくらいどうでもしますたい。ちと人中ひとなかへも出るがよかたい先生。有名な人に紹介して上げます」 「真平まっぴらご免めんだ」 「胃病が癒なおりますばい」 「癒らんでも差支さしつかえない」 「そげん頑固張がんこばりなさるならやむを得ません。あなたはどうです來てくれますか」 「僕かね、是非行くよ。出來るなら媒酌人ばいしゃくにんたるの栄を得たいくらいのものだ。シャンパンの三々九度や春の宵。――なに仲人なこうどは鈴木の藤とうさんだって? なるほどそこいらだろうと思った。これは殘念だが仕方がない。仲人が二人出來ても多過ぎるだろう、ただの人間としてまさに出席するよ」 「あなたはどうです」 「僕ですか、一竿風(fēng)月いっかんのふうげつ閑生計かんせいけい、人釣ひとはつりす白蘋紅蓼間はくひんこうりょうのかん」 「何ですかそれは、唐詩選ですか」 「何だかわからんです」 「わからんですか、困りますな。寒月君は出てくれるでしょうね。今までの関係もあるから」 「きっと出る事にします、僕の作った曲を楽隊が奏するのを、きき落すのは殘念ですからね」 「そうですとも。君はどうです東風(fēng)君」 「そうですね。出て御両人ごりょうにんの前で新體詩を朗読したいです」 「そりゃ愉快だ。先生私は生れてから、こんな愉快な事はないです。だからもう一杯ビールを飲みます」と自分で買って來たビールを一人でぐいぐい飲んで真赤まっかになった。 短かい秋の日はようやく暮れて、巻煙草の死骸しがいが算を亂す火鉢のなかを見れば火はとくの昔に消えている。さすが呑気のんきの連中も少しく興が盡きたと見えて、「大分だいぶ遅くなった。もう帰ろうか」とまず獨仙君が立ち上がる。つづいて「僕も帰る」と口々に玄関に出る。寄席よせがはねたあとのように座敷は淋しくなった。 主人は夕飯ゆうはんをすまして書斎に入る。妻君は肌寒はださむの襦袢じゅばんの襟えりをかき合せて、洗あらい曬ざらしの不斷著を縫う。小供は枕を並べて寢る。下女は湯に行った。 呑気のんきと見える人々も、心の底を叩いて見ると、どこか悲しい音がする。悟ったようでも獨仙君の足はやはり地面のほかは踏まぬ。気楽かも知れないが迷亭君の世の中は絵にかいた世の中ではない。寒月君は珠磨たますりをやめてとうとうお國から奧さんを連れて來た。これが順當(dāng)だ。しかし順當(dāng)が永く続くと定めし退屈だろう。東風(fēng)君も今十年したら、無暗に新體詩を捧げる事の非を悟るだろう。三平君に至っては水に住む人か、山に住む人かちと鑑定がむずかしい。生涯しょうがい三鞭酒シャンパンを御馳走して得意と思う事が出來れば結(jié)構(gòu)だ。鈴木の藤とうさんはどこまでも転ころがって行く。転がれば泥がつく。泥がついても転がれぬものよりも幅が利きく。貓と生れて人の世に住む事もはや二年越しになる。自分ではこれほどの見識家はまたとあるまいと思うていたが、先達(dá)せんだってカーテル?ムルと云う見ず知らずの同族が突然大気燄だいきえんを揚あげたので、ちょっと吃驚びっくりした。よくよく聞いて見たら、実は百年前ぜんに死んだのだが、ふとした好奇心からわざと幽霊になって吾輩を驚かせるために、遠(yuǎn)い冥土めいどから出張したのだそうだ。この貓は母と対面をするとき、挨拶のしるしとして、一匹の肴さかなを啣くわえて出掛けたところ、途中でとうとう我慢がし切れなくなって、自分で食ってしまったと云うほどの不孝ものだけあって、才気もなかなか人間に負(fù)けぬほどで、ある時などは詩を作って主人を驚かした事もあるそうだ。こんな豪傑がすでに一世紀(jì)も前に出現(xiàn)しているなら、吾輩のような碌ろくでなしはとうに御暇おいとまを頂戴して無何有郷むかうのきょうに帰臥きがしてもいいはずであった。 主人は早晩胃病で死ぬ。金田のじいさんは慾でもう死んでいる。秋の木この葉は大概落ち盡した。死ぬのが萬物の定業(yè)じょうごうで、生きていてもあんまり役に立たないなら、早く死ぬだけが賢こいかも知れない。諸先生の説に従えば人間の運命は自殺に帰するそうだ。油斷をすると貓もそんな窮屈な世に生れなくてはならなくなる??证毪伽陇?。何だか気がくさくさして來た。三平君のビールでも飲んでちと景気をつけてやろう。 勝手へ廻る。秋風(fēng)にがたつく戸が細(xì)目にあいてる間から吹き込んだと見えてランプはいつの間まにか消えているが、月夜と思われて窓から影がさす。コップが盆の上に三つ並んで、その二つに茶色の水が半分ほどたまっている。硝子ガラスの中のものは湯でも冷たい気がする。まして夜寒の月影に照らされて、靜かに火消壺ひけしつぼとならんでいるこの液體の事だから、唇をつけぬ先からすでに寒くて飲みたくもない。しかしものは試しだ。三平などはあれを飲んでから、真赤まっかになって、熱苦あつくるしい息遣いきづかいをした。貓だって飲めば陽気にならん事もあるまい。どうせいつ死ぬか知れぬ命だ。何でも命のあるうちにしておく事だ。死んでからああ殘念だと墓場の影から悔くやんでもおっつかない。思い切って飲んで見ろと、勢よく舌を入れてぴちゃぴちゃやって見ると驚いた。何だか舌の先を針でさされたようにぴりりとした。人間は何の酔興すいきょうでこんな腐ったものを飲むのかわからないが、貓にはとても飲み切れない。どうしても貓とビールは性しょうが合わない。これは大変だと一度は出した舌を引込ひっこめて見たが、また考え直した。人間は口癖のように良薬口に苦にがしと言って風(fēng)邪かぜなどをひくと、顔をしかめて変なものを飲む。飲むから癒なおるのか、癒るのに飲むのか、今まで疑問であったがちょうどいい幸さいわいだ。この問題をビールで解決してやろう。飲んで腹の中までにがくなったらそれまでの事、もし三平のように前後を忘れるほど愉快になれば空前の儲もうけ者もので、近所の貓へ教えてやってもいい。まあどうなるか、運を天に任せて、やっつけると決心して再び舌を出した。眼をあいていると飲みにくいから、しっかり眠って、またぴちゃぴちゃ始めた。 吾輩は我慢に我慢を重ねて、ようやく一杯のビールを飲み干した時、妙な現(xiàn)象が起った。始めは舌がぴりぴりして、口中が外部から圧迫されるように苦しかったのが、飲むに従ってようやく楽らくになって、一杯目を片付ける時分には別段骨も折れなくなった。もう大丈夫と二杯目は難なくやっつけた。ついでに盆の上にこぼれたのも拭ぬぐうがごとく腹內(nèi)ふくないに収めた。 それからしばらくの間は自分で自分の動靜を伺うため、じっとすくんでいた。次第にからだが暖かになる。眼のふちがぽうっとする。耳がほてる。歌がうたいたくなる。貓じゃ貓じゃが踴りたくなる。主人も迷亭も獨仙も糞を食くらえと云う気になる。金田のじいさんを引掻ひっかいてやりたくなる。妻君の鼻を食い欠きたくなる。いろいろになる。最後にふらふらと立ちたくなる。起たったらよたよたあるきたくなる。こいつは面白いとそとへ出たくなる。出ると御月様今晩はと挨拶したくなる。どうも愉快だ。 陶然とはこんな事を云うのだろうと思いながら、あてもなく、そこかしこと散歩するような、しないような心持でしまりのない足をいい加減に運ばせてゆくと、何だかしきりに眠い。寢ているのだか、あるいてるのだか判然しない。眼はあけるつもりだが重い事夥おびただしい。こうなればそれまでだ。海だろうが、山だろうが驚ろかないんだと、前足をぐにゃりと前へ出したと思う途端ぼちゃんと音がして、はっと云ううち、――やられた。どうやられたのか考える間まがない。ただやられたなと気がつくか、つかないのにあとは滅茶苦茶になってしまった。 我に帰ったときは水の上に浮いている??啶筏い樽Δ扦猡盲剖各Lやたらに掻かいたが、掻けるものは水ばかりで、掻くとすぐもぐってしまう。仕方がないから後足あとあしで飛び上っておいて、前足で掻いたら、がりりと音がしてわずかに手応てごたえがあった。ようやく頭だけ浮くからどこだろうと見廻わすと、吾輩は大きな甕かめの中に落ちている。この甕かめは夏まで水葵みずあおいと稱する水草みずくさが茂っていたがその後烏の勘公が來て葵を食い盡した上に行水ぎょうずいを使う。行水を使えば水が減る。減れば來なくなる。近來は大分だいぶ減って烏が見えないなと先刻さっき思ったが、吾輩自身が烏の代りにこんな所で行水を使おうなどとは思いも寄らなかった。 水から縁ふちまでは四寸余よもある。足をのばしても屆かない。飛び上っても出られない。呑気のんきにしていれば沈むばかりだ。もがけばがりがりと甕に爪があたるのみで、あたった時は、少し浮く気味だが、すべればたちまちぐっともぐる。もぐれば苦しいから、すぐがりがりをやる。そのうちからだが疲れてくる。気は焦あせるが、足はさほど利きかなくなる。ついにはもぐるために甕を掻くのか、掻くためにもぐるのか、自分でも分りにくくなった。 その時苦しいながら、こう考えた。こんな呵責(zé)かしゃくに逢うのはつまり甕から上へあがりたいばかりの願である。あがりたいのは山々であるが上がれないのは知れ切っている。吾輩の足は三寸に足らぬ。よし水の面おもてにからだが浮いて、浮いた所から思う存分前足をのばしたって五寸にあまる甕の縁に爪のかかりようがない。甕のふちに爪のかかりようがなければいくらも掻がいても、あせっても、百年の間身を粉こにしても出られっこない。出られないと分り切っているものを出ようとするのは無理だ。無理を通そうとするから苦しいのだ。つまらない。自みずから求めて苦しんで、自ら好んで拷問ごうもんに罹かかっているのは馬鹿気ている。 「もうよそう。勝手にするがいい。がりがりはこれぎりご免蒙めんこうむるよ」と、前足も、後足も、頭も尾も自然の力に任せて抵抗しない事にした。 次第に楽になってくる??啶筏い韦坤ⅳ辘郡い韦坤姰?dāng)がつかない。水の中にいるのだか、座敷の上にいるのだか、判然しない。どこにどうしていても差支さしつかえはない。ただ楽である。否いな楽そのものすらも感じ得ない。日月じつげつを切り落し、天地を粉韲ふんせいして不可思議の太平に入る。吾輩は死ぬ。死んでこの太平を得る。太平は死ななければ得られぬ。南無阿彌陀仏なむあみだぶつ南無阿彌陀仏。ありがたいありがたい。 --- 終わり --

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