【GPT機翻】戰(zhàn)國小町苦勞譚 (戦國小町苦労譚)- 183 [千五百七十八年 十月中旬]
書名 戰(zhàn)國小町苦勞譚
-------------------------------------------------------------------
作者: 夾竹桃
原作:http://ncode.syosetu.com/n8406bm/
翻譯工具:ChatGPT
*機器輸出的翻譯結(jié)果UP未做任何修正,僅供試閱。標題章節(jié)號為原翻譯版的順延。*
-------------------------------------------------------------------
千五百七十八年 十月中旬(*原文網(wǎng)頁序列號 - 207)
結(jié)論から言えば會席は大成功の裡(うち)に幕を閉じた。華美ではなく、かといって貧相とも言えないギリギリの裝飾に謙信は勿論、家康もお気に召した様子だ。
總的來說,宴席在眾人歡聲笑語中圓滿結(jié)束。裝飾簡約而不失典雅,足以讓信玄和家康心滿意足。
後でこっそりと耳打ちされたが、家康も華美な料理は好みではなかったようだ。謙信は刺身と酒の組み合わせが甚(いた)く気に入ったようで、どうすれば越後でも生魚を食べることが出來るのかと確認された程であった。
之后被悄悄耳語,但家康似乎也不喜歡華麗的料理。 謙信非常喜歡生魚片和酒的組合,以至于他確認了如何在越后吃生魚片。
それなりの成果を出して気を良くした靜子だったが、次に迎えるのは御馬揃えだと気を引き締めた。ところがこちらは開催前からケチがつくことになる。
靜子表現(xiàn)出了不錯的成果,心情也變得愉快起來。但她接下來必須面對的是“御馬披隊”的考驗,這讓她不得不緊繃神經(jīng)。然而,即便是在活動開展前,也會有小氣之人挑刺。
一部の公家達が十月に開催されることに対して文句をつけ始めたのだ。
一些官員開始對計劃在十月舉行的活動提出了抱怨。
やれ占いで良くない結(jié)果が出た、神無月(かんなづき)(十月)は神仏が不在であるから相応しくない等、開催を遅らせたい理由をこじつけてきた。
做占卜后得到了不好的結(jié)果,十月被認為是神佛不在而不適合舉辦活動,為了找借口而推遲了活動。
今までは裏でこそこそと暗躍していたようだが、効果が無いとみて正面から文句をつける方針を取ったようだ。
似乎先前一直在背地里搞亂動作,但現(xiàn)在似乎認為這樣沒有效果,改為正面指責了。
信長であれば文句など相手にしないと靜子は考えたのだが、意外にも信長は公家達に対して開催の良き日を訊ねるという譲歩を見せた。
信長覺得不必理會任何抱怨,但出乎意料的是,他向公卿們詢問了舉行慶典的良辰吉日,顯示出了妥協(xié)的態(tài)度。
最初こそ驚いた靜子だったが、実に楽し気な笑みを浮かべている信長を見て彼の策略に気が付いた。
起初靜子很吃驚,但看到信長臉上帶著開心的笑容,她意識到了他的計策。
「次に何か不満が出れば、その責任を彼らに被せる気なんだ……」
"如果出現(xiàn)任何不滿,我會把責任歸咎于他們......"
文句を言い出した連中にとって都合の良い日に開催を告知し、更に遅らせるように言ってくるならば日時を指定した者に責任を被せるつもりだろう。
如果那些發(fā)牢騷的人找到一個適合他們的日子宣布活動,并建議將其推遲,那么有意指定日期的人將被追究責任。
こうなるとケチをつけていた者たちが、予定日通りに開催できるよう盡力しなくてはならない。
到了這一步,那些原先吹毛求疵的人們必須盡全力確保按照預定日期舉辦。
一見相手に譲歩したように見せて、その実己の望むところを通す手腕は流石信長だと感心する。自分ならば彼らの意見を一顧だにせず、むしろ付け入る隙を與えた可能性すらあった。
一開始看起來好像讓步給了對方,但在實際操作中堅持自己的想法,這種手腕真不愧是信長。如果是我,很可能會完全不理對方的意見,甚至給對方留下可趁之機。
御馬揃えの開催予定日が再び未定になったが、開催されることは変わらないため準備を怠らないようにしていた靜子の許に嬉しい知らせが屆いた。
靜子收到了令人高興的消息,盡管御馬隊列的安排日期再次未確定,但仍將如期舉行,她一直在努力準備。
遠地に赴いていた才蔵と足満両名の帰還であった。
前往遠方的才藏和足滿兩人回歸了。
才蔵は北條征伐に參陣していたのだが、足満が何をしていたかと言うと佐渡島にて金山開発に従事していた。
才蔵參加北條討伐,而足滿則在佐渡島從事金山開發(fā)。
何故彼が佐渡島で金山開発をしていたかには理由があり、靜子が足満と食事をしていた折りに金山の話題が出た。
他在佐渡島開發(fā)金礦的原因是,在靜子和足滿共進晚餐時,談起了金礦的話題。
そこで靜子は金の延べ棒がどんなものか実際に見てみたいと言ったのが切っ掛けだった。普通ならば他愛無い憧れだと流してしまうのだが、そこは足満の真骨頂。
于是靜子表示她想要實際看看金條是什么樣子,這就是切入點。雖然這通常只是一個無聊的憧憬,但這就是足滿的真正魅力所在。
靜子が求めるのならば他人の命は勿論、自分の命を削ってでも願いを葉えんと動き出す。
如果靜子所尋求的愿望需要削減他人的生命,或是付出自己的生命來實現(xiàn),他/她都會動身去完成這個愿望。
ある程度の手勢を率いて佐渡島に渡ると、織田家から派遣されている代官を説得(??)し、即座に相川(あいかわ)金銀山(きんぎんざん)の採掘総責任者に就任する。
帶領(lǐng)一支相當數(shù)量的手下前往佐渡島后,說服了派往此處的織田家代官,并被立刻任命為相川金銀山的采掘總負責人。
通常ならば鉱脈を捜して試掘を繰り返すのだが、足満は事前に靜子より詳細な地図を入手しており、幾つか目星をつけていた場所を試掘するだけで鉱脈発見に至った。
通常情況下,需要尋找礦脈并進行多次勘探,但是足滿提前從靜子處獲取了詳細地圖,并在一些已經(jīng)有眉目的地點進行了試掘,從而成功發(fā)現(xiàn)礦脈。
兵器開発もしつつ、金銀山での採掘を監(jiān)督するという多忙ぶりだったが、佐渡島と本土間で電信の目途がついたあたりから仕事が捗り始めた。
在監(jiān)督金銀礦山的挖掘之余,也在開發(fā)武器,雖然非常繁忙。但是,從佐渡島和本土之間開始有了電報的聯(lián)系,工作變得更為順利。
従來の採掘作業(yè)は全て手掘りにて行われていたのだが、足満は効率優(yōu)先でダイナマイトを投入して火薬採掘を?qū)g施。
傳統(tǒng)的采礦作業(yè)一直在手工挖掘的基礎(chǔ)上進行,但足滿為了提高效率,引入了炸藥進行火藥采掘。
実用化されたばかりの車輪の付いた機関車のような形をした可搬式蒸気機関を佐渡島に持ち込んだ。蒸気機関を動力とした揚水機やベルトコンベヤ、換気用送風機などの機器を次々と導入し、かつての數(shù)十倍にも及ぶ効率を叩きだす。
將形狀類似于剛剛實用化的帶有車輪的機車的便攜式蒸汽機帶到佐渡島。引進了以蒸汽機為動力的提水機、皮帶輸送機、通風用送風機等設(shè)備,并取得了曾經(jīng)數(shù)十倍的效率。
勿論失敗が無かったわけではなく、実用化直後の蒸気機関は爆発事故を起こし死人までも出した。ベルトコンベヤを?qū)g現(xiàn)するにあたり、必要に駆られて合成皮革も開発した。編み物や織物の上に樹脂を厚く塗ったり、張り合わせたりして一枚の革狀にして利用する。
當然,并非沒有失敗的情況,即使是在蒸汽機被實際應用之后,也發(fā)生過爆炸事故,造成了死亡。為了實現(xiàn)輸送帶,不得不開發(fā)合成皮革。將樹脂厚厚地涂在編織物或織物上,并將其粘合成薄片狀以利用。
こちらも急造であるため、強度が足りずに何度もベルトが斷裂する事故が起きた。幸いにして揚水機は原油採取の為に改良が繰り返されており、大きな問題を起こさなかったが、送風機は作業(yè)員の指を切斷する事故を起こした。
由于這也是匆忙制造,強度不夠?qū)е缕Ф啻螖嗔咽鹿拾l(fā)生。幸運的是,提升泵已經(jīng)被改進了多次以用于原油采集,沒有出現(xiàn)大問題,但送風機發(fā)生了切斷工人手指的事故。
子供が扇風機を前にすれば當然ながら觸ってみたくなるのは自明であり、見たことも無い大きな機械を前にしたうっかり者が手を突っ込んだ挙句に指を飛ばすことになる。
孩子們一旦站在電風扇前面,自然會想試著摸一下。而那些在面對從未見過的大型機器時手癢的人,也很容易被自己的沖動所傷,最終可能導致手指被斷裂。
數(shù)々の苦難が訪れるがそれでも諦めることなく採掘を続け、大量のズリと呼ばれる無価値の巖石の中から金鉱石を選鉱し、鉛中毒被害が出るのを承知で『灰吹き法』や『焼金』といった技術(shù)を伝授して金の純度を高めた。
雖然遭遇了許多困難和挑戰(zhàn),但他們?nèi)匀粓猿植恍傅夭删?,從大量的無價值的巖石中挑選金礦石進行選礦,并傳授“灰吹法”和“燒金”等技術(shù),以提高金子的純度,甚至知道會有鉛中毒的危害也不放棄。
「これが佐渡金山の金と銀なんだ。流石に十キロのは重いね」
"這就是佐渡金山的金和銀。十公斤的確挺重的。"
足満が直接佐渡金山から持ち帰ったのは、白っぽい母巖の中に僅かに金色の鉱物が見える自然金の鉱石と、その鉱石から作られた金とおまけで銀のインゴットであった。
足滿直接從佐渡金礦帶回了一些東西,其中包括能夠看到白色母巖中微小金色礦物的天然金礦石,以及由該礦石制成的金錠,還有附贈的銀錠。
通常は使いやすくするため1キログラムのインゴットを鋳造するのだが、足満は靜子の驚く顔がみたくて特別に十キロのインゴットを作らせた。
通常為了使用方便,會鑄造一公斤的錠坯,但足滿為了看到靜子驚訝的表情特別制作了十公斤的錠坯。
金の比重は19.32(水の比重は1.0)もあり、同じ體積の水と比較すると19倍もの重さがあることになる。この為、金のインゴットは見た目以上に重く、荷物を持たされた小姓たちは苦労していた。
金的比重為19.32(水的比重為1.0),與相同體積的水相比,其重量高達19倍。因此,金錠比外觀更重,使負責搬運金錠的仆人們感到困難。
特別製の十キロインゴットは1本限りだったが、百グラム、五百グラム、千グラムと金銀三種類ずつを何本か用意したため、それらを収めた木箱は小姓數(shù)人掛かりで運ぶ必要があったほどだ。
特制的10公斤銀錠雖然只有一塊,但因為準備了數(shù)個100克、500克和1000克的金銀錠各數(shù)塊,所以木盒裝滿錠需要幾個仆從一起抬運。
黃金の輝きは多くの人を魅了するのだが、不思議と靜子は綺麗だなと思う程度で金の裝飾品を身に著けようとは思わない。予想よりも靜子の反応が鈍いことに足満は少し渋い顔になっていた。
黃金的閃耀吸引了許多人,但奇怪的是靜子覺得金飾品很漂亮,但并不想戴上它。足滿有點失望,因為靜子的反應比預期的慢。
そのため早々に興味を失った足満は、小姓たちに木箱を預けると風呂へ向かってしまい、殘された靜子はそれぞれのインゴットを目録に記し、念のため厳重な封を施してから片付けるよう小姓に命じた。
因此,很快就失去了興趣的足滿將木箱交給了仆人,然后前往浴室。留下來的靜子則記錄下每個鑄錠的目錄,命令仆人在進行整理之前進行嚴格的封條處理。
「良い湯であった」
"好溫泉"
久しぶりに溫泉を堪能した足満が、靜子の私室を訪れる。當初は荷物だけを先行して輸送し、足満本人は信長への報告を済ませた後に尾張へと戻る手はずであった。
足滿久違地享受了溫泉之后,來到靜子的私人房間拜訪。最初他只是先運送行李,自己則計劃在完成對信長的報告后返回尾張。
しかし、真っ先に靜子の驚く顔がみたいと考えた足満は、大荷物を抱えたままで安土へ報告に赴き、様々な無茶を通したツケとして詳細な報告を?qū)澝妞摔皮工毪长趣摔胜搿?/p>
然而,足滿認為他首先想看到的是靜子驚訝的表情,因此他抱著大包小包前往安土報告,并決定當面詳細報告各種冒險。
信長としては足満が去った後も継続して同様の採掘が出來るかが気がかりであったのだが、足満は必要なことは全て引き継いだの一言のみを殘して早々に尾張へと向かってしまったのだ。
信長很擔心即使在足滿離開后也能否繼續(xù)進行類似的開采,但足滿只留下“已經(jīng)接手了所有必要的事情”的一句話,便匆匆離開前往尾張了。
「本當にお疲れ様でした。金の延べ棒を見てみたいなんて軽はずみに口にしたことを後悔しないでもないけれど、夢を葉えてくれてありがとう」
"真的辛苦了。雖然我有些后悔輕率地說想見一下金條,但還是感謝你實現(xiàn)了我的夢想。"
靜子がそう言って微笑んでくれるだけで、足満は今までの苦労が報われた気がする。
靜子這樣笑著說出來,足滿感覺所有的辛勞都得到了報答。
「ああ、中々に骨が折れた」
"哦,相當費勁"
入浴によって血行が良くなった己の肩を手で解しながら、足満は朗らかな笑みを浮かべた。その表情を見た靜子付きの小姓が驚愕の表情を浮かべる。
沐浴后,足満手解著因血液循環(huán)改善而放松的肩膀,臉上浮現(xiàn)出明朗愉悅的笑容。見到這個表情,跟隨著靜子的侍從驚訝地瞪大了眼睛。
靜子邸に配されて年季の淺いその小姓は、咄嗟(とっさ)に「自分は置物」と心の中で繰り返し唱えて表情を引き締めた。
在靜子的宅邸中,那個年資尚淺的小廝,在緊急時刻下,心中默念著「我是置物」,神色變得凝重。
その様子に気付いた靜子は何か驚くことがあったのだろうかと首を傾げたが、彼女からすれば別段変わったことなど無いため直ぐに興味をなくした。
察覺到那種情況的靜子疑惑地歪了頭,不知道她是否有所驚訝,但對她來說似乎并沒有什么變化,因此她很快失去了興趣。
「あれ以外にも靜子に土産があるぞ」
“除了那個,還有一個土產(chǎn)給靜子?!?/p>
そう言って足満は靜子に小さな布包みを渡した。受け取った靜子は何だろうと、中身を検める。
"這樣說著,足滿遞給靜子一個小布包。靜子接過來檢查里面的內(nèi)容。"
手觸りの良い布袋から出てきたのは、艶やかなあめ色をした簪(かんざし)であった。
從手感舒適的布袋中拿出來的是一根閃耀著鮮艷糖果色的發(fā)簪。
「玳瑁(タイマイ)細工の簪なんて珍しいね」
“玳瑁細工的簪子真是少見”
足満からの土産は鼈甲(べっこう)で作られたかんざしだ。
足滿帶來的土產(chǎn)品是用玳瑁制作的髻簪。
「隣國からの舶來品よ。商人の話では稀代の名人が作った逸品で、本國でも僅かに出回るのみの代物らしい」
“這是從鄰國進口的貨物。商人們說這是由一個稀有的名人制作的杰作,據(jù)說在本國只有極少量的商品?!?/p>
タイマイと呼ばれるウミガメの甲羅と爪、腹甲(ふっこう)を使用して製作された各種裝飾品を玳瑁細工と言う?,F(xiàn)代では鼈甲と言われるが、実は鼈とはスッポンのことを指す。
用被稱為泰邁的海龜甲殼、爪和腹殼制作的各種裝飾品稱為玳瑁工藝?,F(xiàn)代稱之為鱉甲,但實際上指的是中國鲇魚。
何故、タイマイではなくスッポンの言葉が當てられているかというと、江戸時代に奢侈(しゃし)禁止令が発布され素材の玳瑁が禁制品に指定された。
為什么使用的不是鮭魚,而是田雞的語言?原因在于,江戶時代發(fā)布了奢侈品禁令,并將素材玳瑁列為禁制品。
それでもタイマイ細工を欲したとある藩主が、この細工はすっぽんの甲羅で作られた細工だと言い逃れしたのが由來だとする説がある。
然而,某個藩主仍然想擁有這個泰邁細工件,他為此編造了一個說辭:這個細工是用鱉殼制作的,據(jù)稱這是傳說的由來。
鼈甲の歴史は古く、加工技術(shù)は六世紀末ごろに中國で誕生した。日本でも飛鳥時代には伝來しており、玳瑁(たいまい)如意(にょい)や螺鈿(らでん)紫檀(したんの)五弦(ごげん)琵琶(びわ)、玳瑁螺鈿八角箱などが正倉院に収められている。
鱉甲的歷史悠久,加工技術(shù)于公元六世紀末在中國誕生。在日本,鱉甲在飛鳥時代被傳入,如玳瑁如意、螺鈿紫檀五弦琵琶、玳瑁螺鈿八角箱等被收藏于正倉院。
十七世紀になると長崎に中國やオランダからの貿(mào)易船から鼈甲の材料と加工技術(shù)が長崎に伝わり、國內(nèi)でも生産が開始された。
十七世紀,隨著來自中國和荷蘭的貿(mào)易船把玳瑁的材料和加工技術(shù)帶到長崎,國內(nèi)開始了玳瑁的生產(chǎn)。
長崎から大坂、大坂から東京に伝わるとそれぞれの場所で盛んに製作され、それぞれの地名を取って長崎鼈甲、なにわ鼈甲、江戸鼈甲と呼ばれている。
從長崎到大阪,再從大阪到東京,這些地方都盛產(chǎn)玳瑁制品,并以各自的地名命名為“長崎玳?!薄ⅰ半y波玳?!焙汀敖瓚翮殍!?。
「綺麗だね、ありがとう」
"很漂亮,謝謝你"
鼈甲の簪を見ながら靜子は足満に禮を伝える。鼈甲は繊維に方向があるため滑りにくい。また人の體溫によって著け心地が変化するため、その人に合わせて馴染むように変化していく特性がある。この特性こそが珍重される理由の一つであろう。
看著玳瑁簪子,靜子向足満道謝。玳瑁紋路有方向,不易滑動。而且隨著人的體溫變化,佩戴起來會自然適應,這也是它被珍視的原因之一。
だがタイマイはインド洋や大西洋などの海洋に生息し、日本周辺の海域にはいない。それ故、日本では輸入に頼る他ない貴重品であった。
但泰邁魚主要棲息在印度洋和大西洋等海洋中,不生活在日本附近的海域。因此,它們在日本只能依靠進口,是一種珍貴的商品。
「靜子の喜ぶ顔が何よりの報酬だ」
“看到靜子興高采烈的笑容是最好的報酬”
「では報告を聞きましょう。気になったら都度質(zhì)問するけど良い?」
那就聽匯報吧,如果有疑問可以隨時提問,可以嗎?
「それで構(gòu)わない。ではまずわしが佐渡島に向かったところから話そう」
“沒關(guān)系。那么讓我先從我前往佐渡島的經(jīng)歷開始講起吧?!?/p>
それから靜子に聞かせるべきではない內(nèi)容を除いて、足満は靜子に佐渡島で起きた事を報告した。
除了不應該向靜子透露的內(nèi)容外,足滿向靜子報告了在佐渡島發(fā)生的事情。
足満に同行して佐渡島に渡っていた部下たちは、靜子邸に著いて以降の足満の変化に驚いていた。
隨行足滿去佐渡島的部下們自抵達靜子邸以來,驚嘆于足滿的轉(zhuǎn)變。
(あの柔和な笑みを浮かべる人は誰なんだ?)
(那個露出柔和笑容的人是誰?)
彼らの知る足満は冷酷非情であり、歯向かう者や敵対する者には一切の容赦を示さない鬼かと見紛う人物であった。
他們所聽說的足滿是一個冷酷無情的人,對于反抗或敵對的人毫不留情,有些人認為他就像鬼一樣可怕。
激怒している姿こそ見たことがないものの、機嫌を損ねれば底冷えするような聲音に変わるから恐ろしい。
盡管從未看到她發(fā)怒的模樣,但如果損害她的情緒,她的聲音會變得冰冷刺骨,令人感到恐懼。
「決して理不盡なことを言わないし、無意味に毆られることもないから羨ましい」とは足満に仕えたことの無い者の戯言だというのが部下たちの共通認識だ。
“從未說過不公正的話,也從未毫無意義地被打,感到很羨慕。”這是沒有服務于足滿的人的胡言亂語,這是部下們共同的認識。
「ともかく尾張にいる間は、ご機嫌を気にしないで済みそうだ」
“總之,我在尾張呆的時候,似乎不需要擔心他的心情?!?/p>
「足満様以外ならば取り入る機會だろうが、足満様は逆にご機嫌を損ねそうだ……」
「除了足滿以外,其他人可能會有機會被收納,但如果收納足滿,恐怕會激怒他……」
「うむ、足満様は尾張三位様が殊の外大事なご様子。我らのことなど路傍の石だろう、足満様の頭には我らの事など殘っておるまい」
「是啊,足満大人似乎格外看重尾張三位大人的重要性。我們這樣的人只是路邊的石頭,恐怕足満大人的腦海里已經(jīng)沒有我們的事了?!?/p>
「しかし、折角尾張に著いたのだ。我らとて息抜きをしても罰は當たるまい」
"但是,既然來到了尾張,我們可以放松一下,罰也不會太重。"
「一応申請してみよう。無理ならば諦めよう」
"先試著申請一下,不行就放棄吧。"
誰が足満に許可を求めに行くかでひと悶著ありながら、彼らは足満に尾張の視察許可を願い出た。案の定、足満は彼らの提案に乗り気ではなかった。
當誰去請求足滿的許可時,他們請求尾鯨視察足滿時發(fā)生了爭執(zhí)??深A見地,足滿對他們的提議并不感興趣。
それと言うのも足満に許可を願い出た者たちが、安土で信長に報告した際に信長の命で強引に付けられた者たちだったからだ。
這也是因為請求了足滿的許可,但當他們在安土向信長報告時,是在信長的命令下被強迫接受的人們。
信長の推薦であることから素性の怪しい人物はおらず、まかり間違っても靜子に害をなす人物はいないと思うのだが、彼らが問題を起こした際に問答無用で処分出來ないことに躊躇(ちゅうちょ)を覚えた。
鑒于這是信長的推薦,他們沒有可疑的身份,我認為即使有人想對靜子造成傷害,也不可能。但如果他們引發(fā)了問題,我還是有些猶豫無措,不敢毫不猶豫地處置他們。
「わしは織田の殿様からお前たちを尾張に連れて行けと言われただけだ。それ以外のことは與(あずか)り知らぬ」
“我只是聽從織田大名的命令把你們帶到尾張。其他事情我一無所知。” translates to Simplified Chinese as: “我只是聽從織田大名的命令把你們帶到尾張。其他事情我一無所知?!?/p>
尾張に連れてくるまでの命令は果たした以上、それ以降のことには関與するつもりが無かった。
完成了把他們帶到尾張的任務后,我就沒有意圖參與之后的事情。
「ゆえに自由に振る舞うと良い。ただし、問題を起こせば命は無いものと心得よ」
因此最好自由行動。但是,要知道如果造成問題,生命就沒有了。
足満から消極的な許可が下りたことに彼らは胸を撫でおろす。ただし少しでも問題を起こせば、脅しではなく本當に命を以て償わされると覚悟した。
他們對于來自足滿的消極許可感到寬慰。然而,他們也意識到,即使出現(xiàn)一點問題,他們必須自認倒霉,付出真正的代價,而不是想一些威脅就算了。
それらのことから全員で相談し、酒は極力控えて禮儀正しく振る舞うことを誓いあうと尾張の街へと繰り出して行った。
大家商量后,發(fā)誓盡量限制飲酒,以禮貌的行為前往尾張市。
それから數(shù)日が経った頃、才蔵が尾張へと帰還した。彼の場合は將兵を率いての帰還であるため、帰還後も軍の編成を解散する等色々と後片付けに奔走する必要があった。
過了幾天,才藏回到了尾張。由于他率領(lǐng)將士回歸,因此在回歸后還需要進行軍隊編組等各種后勤工作。
結(jié)局才蔵が靜子と対面できたのは、彼が尾張に帰還してから一週間後となった。
最終才藏見到靜子是在他返回尾張一周后。
「北條征伐でのご活躍、お見事でした」
「在北條征伐中表現(xiàn)出的卓越成就,十分精彩」。
「身に余るお言葉、勿體のうございまする」
"您過獎了" (Nín guòjiǎng le)
靜子の言葉に才蔵は深々と頭を下げた。才蔵は北條征伐に參陣こそしたが、小田原攻めには參戦してない。しかし、そのことで彼を侮る者は一人もいないだろう。
才藏深深地低下了頭,聽靜子的話。才藏參加了北條征伐,但沒有參加小田原攻擊。然而,沒有人會因此而輕視他。
小田原攻めには參加していなくとも、彼は孤軍で里見氏と佐竹氏を相手に互角以上の戦いを繰り広げたのだから。
即使他沒有參加小田原攻防戰(zhàn),他仍然孤軍奮戰(zhàn),與里見氏和佐竹氏展開了不亞于對手的戰(zhàn)斗。
此度の東國征伐に於いては利害が一致するため北條氏と里見氏は手を結(jié)んだが、里見氏は東國の雄たる北條を相手に互角の戦いをしてきた古豪であった。
在這次東國征伐中,由于利益一致,北條氏和里見氏聯(lián)手,但里見氏是在東國的雄雞北條對抗中一直以來都是古豪,并能與之互相匹敵的。
佐竹氏についても東國に於いては珍しい火縄銃部隊を組織するなどの卓見を持ち、鬼真壁(まかべ)こと真壁氏幹(うじもと)が仕えることでも有名だ。
在東國地區(qū),佐竹氏擁有罕見的火繩槍部隊等出色戰(zhàn)術(shù),并以其仆從鬼真壁(真壁氏幹)的服務而聞名。
その二者を相手に戦い、最後には勝利を得た才蔵を侮るなど己の不明を証明するに他ならない。
挑戰(zhàn)那兩個對手并最終獲得勝利,輕視贏得勝利的才藏只能證明自己的愚昧。
「遅ればせながら東國(とうごく)管領(lǐng)(かんれい)ご就任めでとうございます」
「恭喜您就任東國管領(lǐng),雖然有些遲到了?!?/p>
「ありがとうございます。東國については今後、徳川家や上杉家、伊達家協(xié)力の下、合同統(tǒng)治していくことになりました。いくさが終わったばかりですが、これからも忙しくなると思います。今はゆっくりと體を休めて下さい」
“非常感謝您。關(guān)于東國,今后將在德川家、上杉家、伊達家的協(xié)力下進行合并治理。戰(zhàn)斗剛剛結(jié)束,但我認為將來會更加忙碌。請現(xiàn)在好好休息?!?/p>
「お気遣い感謝いたします。休息を終えた後は靜子様に仇なす者を、この才蔵が一人殘らず叩き伏せてみせましょうぞ」
“非常感謝您的關(guān)心。休息結(jié)束后,我會用我的能力打敗所有傷害靜子女士的人。”
「ふふっ、頼りにしていますね」
“呵呵,你真是個可靠的人呢”。
東國に於けるいくさは禁じられた。しかし、禁令が出されただけでいくさが完全に無くなるわけではない。條件が揃えば反亂を起こさんと企む者もいるだろう。
東國戰(zhàn)爭是被禁止的,但僅僅發(fā)布禁令并不能完全阻止戰(zhàn)爭的發(fā)生。如果條件得當,也許會有人策劃起義。
その際に必要なのは言葉ではない。彼らに遵法(じゅんぽう)精神を思い出させる圧倒的な武力が求められる。
需要的不是只是空口說白話,而是需要強有力的武力來讓他們銘記遵守法律的精神。
尾張に居れば靜子が安全だと皆が口を揃えるのは、そもそも靜子を守るために都市計畫が策定されており、外敵及び內(nèi)患に対しても常に目を光らせる仕組みが持たれているからだ。
「大家一致認為,如果在尾張居住,靜子就安全了」這是因為針對保護靜子,城市規(guī)劃已經(jīng)制定了應對外敵和內(nèi)部紛爭的安全機制。
これを拡大して東國に靜子が移住しても安全を確保出來る體制を整えなければならないため、家臣たちは苦労することになるだろう。
這是因為為了保障靜子在移居東國時的安全,我們必須建立起能夠確保其安全的體制,因此家臣們將面臨許多困難。
「そう言えば、才蔵さんは真壁殿をお連れになったとか?」
“順便問一句,才藏先生帶著真壁殿一起來了嗎?”
「はっ! 奴とは再戦を誓った仲でありまして、奴の負った怪我の治療をするためにも尾張の醫(yī)療を受けさせようと招きました。奴の行動には某が全責任を負いますゆえ、どうか滯在のご許可を頂きたく存じます」
“嘿!我與那個人發(fā)誓再戰(zhàn),并邀請他接受尾張醫(yī)療治療他所受的傷。他的行為由某人全權(quán)負責,因此,懇請您允許他停留?!?/p>
「なるほど、そういった事情でしたか。殿方の友情に口を挾むような野暮は言いません。再戦が葉う日が來るよう、関係各所に遣いを出しましょう」
"原來是這樣啊,那種情況我就不會多嘴干涉大人們的友情了。我們應該派遣使者到相關(guān)方面,等待再次戰(zhàn)斗的機會來臨。"
「過分なご配慮ありがたく承ります」
"過分的關(guān)照非常感謝"
才蔵は真壁を己に伍するライバルと認めたのだと靜子は理解した。報告によれば腰部に重傷を負っており、一人で歩くにも難儀するとある。
靜子理解,才藏承認真壁是他的競爭對手。據(jù)報道,他腰部受重傷,走路也很困難。
戦國時代の常識から逸脫した醫(yī)療レベルを誇る尾張に於いても、レントゲンや全身麻酔は手配できないため腰部の骨折を外科手術(shù)で治療することは不可能だ。
即使在擁有逸脫于戰(zhàn)國常識的醫(yī)療水平的尾張地區(qū),由于無法安排X光或全身麻醉,因此無法通過外科手術(shù)治療腰部骨折。
精々が妙な形で組織が癒著するのを防ぎ、自然治癒に任せることしか手の施しようが無い。
盡力防止組織出現(xiàn)不正當?shù)年P(guān)系,只能任其自然療愈,無法采取其他措施。
それでも神仏の助力を請う加持祈禱よりは現(xiàn)実的な効果が望める分、尾張に連れてきたのは正解と言えるだろう。
然而與神佛祈禱請求援助相比,可以期望更現(xiàn)實的效果,把它帶到尾張可以說是正確的選擇。
そして才蔵は真壁が萬全な狀態(tài)で改めて挑み、煩わしい背景の無い純粋な勝負を経て雌雄を決したいと考えていた。
然后才藏認為真壁已做好了萬全的準備,他想要在沒有煩惱背景的純粹對決中再次挑戰(zhàn)真壁,以確定勝負。
「『勝敗は兵家の?!护妊预い蓼工?、勝ち負けに拘らず、悔いのない再戦が葉うことを祈っています」
“‘勝負乃兵家常事’,不在乎勝負,希望有機會再戰(zhàn),并無遺憾?!?/p>
負けるよりは勝つ方が良いのだが、勝負というのは時の運が絡むもの。それよりも才蔵が後悔しないことが大事だと靜子は考えた。
輸贏之間當然是贏比較好,但是比賽涉及到運氣。因此,靜子認為比起運氣,讓才藏沒有遺憾更加重要。
「はっ、承知しました」
“好的,我知道了?!?/p>
靜子の心遣いを察した才蔵は、これまで以上に深々と頭を下げるのであった。
感受到靜子的關(guān)懷,才藏深深地低下了頭,比以往更加謙卑。
滯在の許可が出たということは、真壁を己の私邸に招いても良いという意味である。才蔵はすぐさま尾張の旅籠(はたご)に宿泊している真壁の許へ遣いを出し、彼を自分が普段利用していない私邸へと呼び寄せた。
得到逗留許可的意思是可以邀請真壁去自己的私人宅邸。才藏立即派遣人前往名古屋的旅館,把真壁請到他平時不使用的私人宅邸。
「喜べ真壁! 我が主よりお主の滯在許可が出た。ここ尾張は他所と隨分勝手が違うゆえ、當面は混亂するだろうがじきに慣れる」
"高興吧,真壁!我主已同意你在這里逗留。由于這里的風俗習慣與其他地方很不同,所以剛開始可能會有些混亂,不過很快你就會習慣的。"
「某はここに來るまでも驚き続きで、すっかり開いた口が塞がらぬようになってしもうたわ」
“某在來到這里之前已經(jīng)接連不斷地感到驚訝,都已經(jīng)驚呆了,嘴巴一直張著合不攏了?!?/p>
才蔵の言葉に氏幹は切なげなため息を吐いた。自分の腳で満足に歩けない彼にとって、ここまでの旅程は驚きの連続であった。
才藏的話讓氏干不禁嘆了口氣。對于無法滿足地步行走的他來說,這段旅程充滿驚奇。
彼の知るどんな船舶よりも巨大な軍船に乗せられ尾張へと向かい、恐ろしく巨大な港へと入港して荷下ろしが始まる。
被載上一艘比他所了解的任何船只都巨大的軍艦前往尾張,然后進入一個巨大而可怕的港口開始卸貨。
怪我人だからと優(yōu)先的に下船できた氏幹は、巨人の腕と見紛うような奇妙なからくり仕掛け以て、船から荷下ろしが行われる一部始終を呆然と眺めていた。
因為是受傷的人,所以能優(yōu)先下船的氏幹,驚訝地凝視著從船上開始卸貨的過程。他看到了一些奇怪的機關(guān),差點以為那是巨人的手臂。
自分が乗ってきた船舶も実に奇妙なものだった。自分たちが知る安宅船よりも巨大だと言うのに、風が凪いだ海の上をするすると滑るように進むのだ。
自己乘坐的船也非常奇怪。雖然比我們所知道的安宅船更加巨大,但在平靜的海面上,它卻可以平穩(wěn)地滑行。
勿論、風が出てくれば帆布を広げて風を受けて推進力としているようだが、それ以外の時はどうして進んでいるのか皆目見當が付かなかった。
當然,如果有風,就可以展開帆布,利用風力來推進船只前進。但在沒有風的時候,船只的推進方式就不得而知了。
港に著いて以降も、実に民が活気に溢れているのが見て取れる。これほど國力に差があるとは思っておらず、自分たちが敗北した理由を遅ればせながら理解した。
到了港口以后,可以看到這個國家的人民非常有活力。我沒有想到國力之間有這么大的差距,現(xiàn)在我終于理解了我們失敗的原因。
「そうか、ならばまずは溫泉に浸かりながら一杯やらぬか? 尾張の酒は実に旨いぞ! それに合う旨い肴と熱い風呂、これがあれば怪我などすぐに治ろうというものよ」
“這樣啊,那么先泡個溫泉,喝上一杯呢?尾張的酒可真是好喝啊!再加上美味的下酒菜和熱乎乎的溫泉,這樣一來傷痛什么的立刻就會好轉(zhuǎn)了?!?/p>
そう言うが早いか、才蔵は氏幹に肩を貸しながら靜子邸の湯殿へと向かい、酒と肴の用意を頼む?;イい巳悚摔胜毪葴私?、體に染み渡る熱に思わずため息が出た。
這時,才藏扶著氏幹的肩膀,朝著靜子家的浴池走去,讓他準備酒和小菜。在相互脫光衣服后,他們浸泡在熱浴缸里,熱氣漸漸地蔓延到全身,讓他們不自覺地嘆息。
風呂でお酒を飲むとアルコールが速く回るため、供されるお酒は徳利一本のみと肴は野菜の漬物だけだ。
洗澡時喝酒會使酒精快速吸收。因此供應的酒只有一個德利壺,配菜只有腌制的蔬菜。
熱い湯に浸かりながら冷たい清酒が喉を通る感覚に、氏幹は得も言われぬ恍惚感を覚える。何を語るでもなく二人は盃を酌み交わし、存分に溫まると湯から上がった。
當沉浸在熱水中,感覺冷清酒流過喉嚨的時候,氏干感受到一種難以言喻的陶醉感。兩人相互傾斟酒杯,默不作聲,盡情取暖,然后浸泡在水中,享受真正的放松。
浴衣に著替えた二人は才蔵馴染みの飲み屋へと繰り出し、座敷の一席に落ち著くと才蔵が不敵な笑みを浮かべる。
換成浴衣的兩人走向才藏熟悉的酒吧,坐在一處榻榻米上,才藏露出一絲得意的笑容。
「ここから先は底なし沼よ。一度味わえば後戻りは出來ぬ……それでもやるか?」
「這里以后是無底泥潭。嘗一口便再也無法回頭……你還要去嗎?」
尾張の生活にハマってしまえば他所の生活が不毛なものとなるということを遠回しに才蔵が警告した。それを氏幹は笑って返す。
才蔵間接警告說,一旦陷入尾張的生活,其他地方的生活就會變得荒蕪。而氏幹則笑著回應。
「既に人生が変わる程の経験をしておるわ! 毒を食らわば皿までよ、何処までもついてゆこうぞ!」
「我已經(jīng)有過能改變?nèi)松慕?jīng)驗了!吃了苦頭就得忍受,不管走到哪里都要一路堅持下去!」
「その意気や由! ならば今宵は存分に呑んで食らおうぞ!」
「那種精神和動機!那就讓我們今晚盡情地喝喝、吃吃吧!」
互いに盃を高く掲げると、二人は同時に盃を呷って飲みほした。風呂場で味わった冷酒と異なり、同じく冷たいのだがカッと喉を焼くほどに酒精が強い。
互相高舉酒杯,兩人同時舉杯暢飲。與在浴室中品嘗的冷酒不同的是,雖然同樣冰冷,但它烈性強烈,足以灼燒喉嚨。
それでいながら喉を通る際に鼻を抜ける香りは果実のように甘やかで馥郁(ふくいく)としていた。香りに遅れて旨みが舌に広がり、氏幹は思わず盃を凝視する。
然而,在喉嚨中通過時,從鼻子里散發(fā)出來的香氣卻像水果一樣甜美和濃郁。香氣落后于味道,味道在舌頭上散開,氏幹不自覺地盯著杯子看。
今までに味わったことのない酒に驚いたが決して嫌いではない。時間を置くほどに後を引く旨さに、氏幹は手酌で二杯目を注いだ。
之前嘗過的從未有過的酒讓氏幹驚訝,但他并不討厭。隨著時間的流逝,那種迷人的味道越來越強烈,氏幹倒了第二杯。
「慌てずとも酒は逃げぬ。それよりもこれを食え、肴と共に味わう酒はまた一興なのだ」
「不用著急,酒不會逃掉。與其如此,還不如吃這個,一邊品嘗美食,享受美酒的樂趣也是一種享受?!?/p>
「う、うむ……」
"嗯,嗯……"
才蔵に勧められるがままに氏幹は肴を口にする。今宵の肴は秋鮭と椎茸の山椒味噌焼きだった。椎茸は尾張の特産品であり、ここ以外では到底口に出來ない高級品だ。
隨著才藏的推薦,氏幹品嘗了美食。今晚的佳肴是秋鮭和香菇山椒醬烤制而成。香菇是尾張的特產(chǎn),在其他地方無法品嘗到這種高檔美食。
塩気の強い秋鮭とこれでもかと旨みを含んだ椎茸が口の中で弾け、それを強い酒で流し込むと一息ついた。
鹽味濃郁的秋鮭魚和充滿美味的香菇在口中爆炸,配上濃烈的酒,令人舒暢。
「旨い!」
"好吃!"
まさにそれ以外表現(xiàn)のしようが無かった。暫く二人は會話をするでもなく、互いに酒を酌み交わす。二人とも會話がない事に苦痛を感じなかった。むしろこの時間を心地よいとさえ感じている。
正是因為沒有其他的表達方式,兩人一時之間沒有交談,只是互相倒酒。兩個人都沒感到?jīng)]有對話很難受,他們甚至覺得這是一段令人愉快的時間。
「わしは今まで武勇に優(yōu)れておれば、いくさにも勝てると思い込んでおったが間違いだと悟った。國を、そこに暮らす民たちを富ませることこそが大事なのだな」
“我原以為憑借自己的勇武可以戰(zhàn)勝戰(zhàn)斗,但我現(xiàn)在認識到自己是錯的。讓這個國家和居住在這里的人們富裕起來才是最重要的?!?/p>
暫く沈黙を保っていた氏幹が唐突に口を開いた。程よく酔いが回った彼は、自分たちが敗北した理由を痛感していた。
暫時沉默的氏干突然開口了。他醉得恰到好處,深刻地意識到了他們失敗的原因。
「そこに気付けるとは流石は真壁、これは再戦が楽しみというものだ」
“能夠察覺到那里的真壁真不愧是真壁,因此再戰(zhàn)將成為一種樂趣?!?/p>
「おう! わしも怪我をしているのが口惜しい」
“哦!我也很口癢的受了傷?!?/p>
「焦らずとも尾張で湯治を続ければ、それほど時を置かずに良くなろう」
「不需要著急,在尾張地區(qū)繼續(xù)溫泉療養(yǎng),不久就會好起來?!?/p>
「わしは家督を息子に譲った際に、このまま足が萎えてしまうのだと覚悟した。しかし、貴様に尾張での治療を打診され、それに応じて良かったと心底思っておるよ」
“當我將家督讓給兒子時,已經(jīng)做好了腳永久萎縮的準備。但是,你提出了在尾州治療的建議,我真心覺得這是個好主意?!?/p>
「訓練の場に於いてすら、わしの槍を折った者はおらぬ。それを成した貴様が朽ちるのが惜しかったまでよ。あくまでもわしの都合ゆえ、かしこまらずとも良いわ!」
「即便在訓練場上,也沒有人能折斷我的長槍。你達成了這一點,我感到很可惜你要消亡了。不過這僅僅是出于我的考慮,你不用太在意!」
才蔵のぶっきらぼうな言葉に氏幹はただ黙って笑みを返す。二人は盃を軽くぶつけると中身を一気に飲み干した。
才藏的冷淡話語讓氏干只是沉默地回應著微笑。兩人輕敲著酒杯,一飲而盡。
「貴様は細かいことに気をやらず、早く怪我を治せ」
“你不用在意小事,快點治療傷口?!?/p>
「貴様につけられた傷なのだがな。まあ良い、再戦まで貴様をこき使ってやろう」
“這是你留下的傷痕。好吧,沒關(guān)系,等到再次對決時我會更狠狠地虐待你。”
「安心しろ、小間使いは用意してやる」
“放心吧,我會給你安排一個小幫手的?!?/p>
互いに軽口を叩きながら彼らは酒と肴を腹の中におさめていく。程よく酔いが回って腹も満たされた頃、互いに疲労からか眠気を覚えて店を後にした。
彼們一邊開著玩笑,一邊享用著酒和小吃,直到喝得微醺、吃得飽足,相互因疲勞而感到困倦,最終離開了店鋪。
酒気を帯びて熱くなった體に、夜の冷気が心地よい。秋の夜風を堪能しながらそぞろ歩く氏幹は、才蔵が最初に警告した底なし沼という尾張様式に、肩どころか頭まで浸りきっていることに気付いていなかった。
酒后身體發(fā)熱,夜晚的寒風卻令人感到舒適。氏幹漫步于秋夜之中,享受著夜風,卻沒有意識到自己已經(jīng)深陷才藏最初警告的尾張風格的底無盡沼澤中,直到深入肩膀甚至頭部。