「隨筆」五
甘い僕を騙した
冬もう終わったのに 何故がまだ寒くて 部屋の隅で體が 震えてばかりする 思わずに君の名前を呼ぶ その名前が僕の頭を 強く、強く握って 痛みがこころに移る 少しずつ 體が崩した さよならは君の口から そんなの 僕は 全然聞きたくない 先の道はまだ遠くて 立つすらできない僕 この長い坂に 登る勇気が出ない メシが食う そして寢る そういうのも飽きた もう我慢できない 家を出て その坂に向かって 裸足のままで 走って 走って 走ってゆく 君のところへ 君に會えるまで もう迷わない 「は…はは…」 「好きだからよ?!? 「ジーーーー」 殘ったのは 電車の音だけ
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