むかしむかし、ある國(guó)の殿さまが、
《珍しい物を持って來(lái)たら、ほうびをとらせる》
と、おふれを出しました。
それを聞いた人たちは、珍しい物を持って次々と城へ出かけました。
でも、色々と珍しい物を持っている殿さまは、
「こんな物、ちっとも珍しくない」
と、みんなを追い返してしまいました。
さて、この國(guó)にカブを?qū)熼T(mén)につくっているお百姓(ひゃくしょう)さんがいました。
お百姓さんは大きな大きなカブをつくろうとして、長(zhǎng)い間、苦労を重ねてきました。
そしてその苦労が実って、大きな巖みたいなカブが出來(lái)たのです。
「これなら、あの殿さまも見(jiàn)た事がないだろう」
お百姓さんは近所の人に手伝ってもらって、そのカブを荷車(chē)に乗せると城へ運(yùn)んで行きました。
ところが城の門(mén)番が、
「カブなんて、ちっとも珍しい物ではない」
と、中へ入れてくれません。
「でもこれは、おらが一生懸命に育てたカブです。こんな大きなカブは、どこを探しても他にありません。一目だけでも、殿さまに見(jiàn)ていただきたいのです」
お百姓さんがあまりにも頼むので、門(mén)番は殿さまに大きなカブの事を話してくれました。
すると、殿さまは喜んで、
「すぐ、持って來(lái)るように」
と、言いました。
それを聞いた門(mén)番は、急いで戻るとお百姓さんに言いました。
「わしのおかげで、どうにか殿さまが見(jiàn)てくださる事になった。わしのおかげでな。???いいか、もしほうびをもらったら、わしにも半分寄こせよ。何しろ、わしのおかげなんだからな。わかったな！」
「はい、しょうちしました」
　お百姓さんは、城の庭へ荷車(chē)を引いて行きました。
　殿さまは荷車(chē)の上のカブを見(jiàn)て、とても目を丸くしました。
「これは珍しいぞ。よくぞここまで、カブを育てたものだ。ほうびをとらすから、何でも欲しい物を言うがよい」
でも、お百姓さんはほうびよりも、あの門(mén)番をこらしめてやろうと思いました。
そこで、殿さまに訳を話して、
「おらに、げんこつを十個(gè)ください」
と、言ったのです。
「よし、よし。そう言う事なら、げんこつをあげよう。もっと近くへ來(lái)なさい」
　殿さまは、お百姓さんの頭をやさしく十回叩いて言いました。
「お前は正直者だ。本當(dāng)のほうびは、あとで屆けてやるからな」
「ありがとうございます」
　お百姓さんは喜んで荷車(chē)を引くと、城の庭を出ていきました。
　門(mén)のところへ來(lái)ると、門(mén)番が待ちかねた様に言いました。
「どうじゃ。殿さまにほうびを頂いたか？」
「はい、おかげさまで」
「よし。それじゃ約束通り、ほうびの半分をもらおうか」
　門(mén)番はお百姓さんの前に、両手を突き出しました。
　そのとたん、お百姓さんはこぶしで、門(mén)番の頭を思いっ切り毆りつけました。
「あいた！　な、なにをする！」
「おらが殿さまからもらったほうびは、げんこつが十個(gè)だ。半分やるから、覚悟しろ！」
　お百姓さんはこぶしをにぎりなおすと、あと四回、門(mén)番の頭を毆りつけました。
　これには門(mén)番もたまらず、そのままひっくり返ってきぜつしてしまいました。
「ははーん。ざまあみろ」
　気の晴れたお百姓さんは、ニコニコしながら家に帰っていきました。
　そして家に帰ると、すぐに殿さまからのほうびのお金が屆きました。
　お百姓さんはそのお金で、村人たちにごちそうをしたという事です。

おしまい