遠（とお）い遠（とお）い

雪山（ゆきやま）の頂上（ちょうじょう）に

生（う）まれた冷（つめ）たい

私（わたし）は

どうして? どうして

永遠（えいえん）の春（はる）の

深（ふか）みに彷徨（さまよ）うのか

ねぇ、聞（き）こえる

夏（なつ）蟬（ゼミ）の音（おと）が

冬（ふゆ）の空（そら）に響（ひび）く

殘（のこ）した溫（ぬく）もりが

また夕（ゆう）焼（や）けを

赤（あか）に染（そ）めていく

そっと? そっと

雪（ゆき）融（と）けてきた

頬（ほほ）を伝（つた）う

眩（まばゆ）い風(fēng)花（かざはな）

夜（よる）のともに

いつまでもただ

瞳（ひとみ）に揺（ゆ）れる

季節(jié)（きせつ）の影（かげ）

めぐり? めぐる

景色（けしき）の溫度（おんど）を

描（えが）いた

雪（ゆき）に濡（ぬ）れた絵巻（えまき）が

その永遠（えいえん）という

場所（ばしょ）に

暖（あたた）かい

色（いろ）を施（ほどこ）す

ねぇ、聞（き）こえた

淡（あわ）い世界（せかい）に

細雪（ささめゆき）が降（ふ）った

色褪（いろあ）せた花火（はなび）のような

六（むっ）つの花（はな）が

咲（さ）きました

そっと? そっと

雪（ゆき）融（と）けてきた

髪（かみ）を撫（な）でる

優(yōu)（やさ）しい風(fēng)花（かざはな）

たとえ星（ほし）が

光（ひかり）を奪（うば）っても

私（わたし）にとっては

不滅（ふめつ）の燈火（ともしび）

そっと? そっと

雪（ゆき）融（と）けてきた

繰（く）り返（かえ）す

やまない風(fēng)花（かざはな）

もしも願（ねが）いが

一（ひと）つだけ葉（かな）う

なら桜（さくら）の涙（なみだ）に

なれるといいな