04あなたの愛が正しいわ~
本專欄僅供學(xué)習(xí)和作為交流資料使用??
04 妻の様子がおかしい【デイヴィス視點(diǎn)】
次の日の朝、ローザは食卓に現(xiàn)れなかった。
ジョンに確認(rèn)すると「奧様は具合が悪いそうです」と聞かされる。
「はぁ……まったく」
今度は仮病をつかって僕の気を引く作戦のようだ。そういうところが嫌だと昨晩伝えたのに、ローザには伝わらなかった。
僕が食事を終えると、ジョンが書類の束を持ってきた。
「旦那様、奧様より預(yù)かってきました」
「なんだ、これは?」
受け取って中を確認(rèn)すると、それはローザが擔(dān)當(dāng)している仕事だった。
「ローザが、これを僕に渡せと?」
「はい。これは旦那様のお仕事ですので」
ジョンから書類を受け取ると、僕はローザの子どものような嫌がらせに苛立ちを覚えた。
「まったく、少しも反省していないじゃないか!」
今までローザを甘やかしすぎたんだ。これからは、はっきりと僕の考えを伝えて、厳しく躾(しつ)けていこうと決めた。
ローザの寢室の扉を叩いたが、中から返事はない。扉を開けようとしても鍵がかかっている。寢室の扉は、僕がいつ來ても良いようにと、ずっと開いていたので、これも彼女の幼稚な嫌がらせだと気がつく。
「ローザ! いったいどういうつもりだい?。俊?/span>
何度も名前を呼ぶと、ようやく中から返事があった。
「なんのこと?」
鍵を開けず顔も見せずに話すローザの態(tài)度に腹が立つ。
朝食にこなかったことと、自分の仕事を僕に押しつけたことを問い詰めると、ローザからは予想外の返事が返ってきた。
「……デイヴィス、それはあなたの仕事よ」
一瞬、何を言われたのかわからなかった。手元の書類を確認(rèn)するが、この仕事は確かにローザが擔(dān)當(dāng)しているものだった。
扉の向こうからは、信じられないといったような聲が聞こえる。
「デイヴィス、もしかして、私に仕事を任せたことを忘れていたの? あんなに毎日、確認(rèn)したのに?」
毎日、確認(rèn)?
そうだった。ローザは、毎日毎日、しつこいくらい仕事の確認(rèn)をしてきた。彼女が一生懸命なことはわかっていたが、それが面倒でうっとうしくて、どうしようもなくなってしまい、つい酒の勢いに任せて友人に愚癡ってしまった。
しかし、よくよく見てみれば、手元の書類は領(lǐng)地経営に関することだった。屋敷を管理する伯爵夫人がする仕事ではない。
僕は確認(rèn)しなければと、急いで執(zhí)務(wù)室へと向かった。
調(diào)べると、確かに一年前までは、この仕事は僕が擔(dān)當(dāng)していた。とても複雑なので時(shí)間がかかる大変な仕事だった。
どうしてこんな重要な仕事をローザに任せていたのかわからない。
僕は慌ててジョンを呼ぶと、この仕事をローザがするようになった経緯を聞いた。
「一年前くらいでしょうか? 旦那様が體調(diào)を崩されたときに、奧様に『少しの間でいいから』とお願いしておりました」
「僕が? ローザに?」
言われてみれば、そんなこともあったかもしれない。
「どうして誰も言ってくれなかったんだ!?」
僕の言葉にジョンは慌てる。
「毎日、奧様が言っておられましたよ?」
――今日のこの仕事はどうなさいますか? 明日のこの仕事はどうなさいますか?
「そんな言い方でわかるか???」
「は、はぁ……?」
そう言いながら、僕はわかっていた。ローザもジョンも、まさか僕が仕事を頼んだことを忘れていると思っていなかったんだ。だから、毎日、僕の代わりにやった仕事を報(bào)告して、僕に仕事の指示を仰いでいた。
僕はというと、難しく時(shí)間のかかる仕事をローザが擔(dān)當(dāng)してくれたことにより、自分の時(shí)間が増えて社交に力を入れていた。
急に時(shí)間ができたのは、仕事に慣れて能力が上がったためだと思っていたし、夜遅くまで仕事が終わらず時(shí)間をかけているローザを心のどこかで見下していた。
いつ見ても體調(diào)が悪そうな彼女に無理をさせるつもりもなく、最近では彼女の寢室からも遠(yuǎn)ざかっていた。
「全部、僕のせいじゃないか……」
今すぐ彼女に謝ろうと思ったが、ジョンに止められた。
「旦那様、この仕事は急ぎです。今すぐに取りかかってください」
そうだった。ローザに任せていた仕事の今日の分を終わらせなければ。
僕は書類に目を通しながら『これが終わったら、すぐにローザに謝りに行こう』と決めた。そう決めていたのに、仕事は夜遅くまでかかってしまった。
さすがにこの時(shí)間からローザに會いに行くわけにはいかない。ローザに會うのは明日にしよう。そう思っているうちに、仕事に追われて一週間がたった。
やっと仕事が落ち著き、いざ、ローザの部屋に向かうと、真っ赤なドレスを著たローザが出迎えた。
そんな派手な色のドレスを持っていたのかと驚いてしまう。
「デイヴィス、どうしたの?」
そう尋ねるローザの顔色は良く、表情は生き生きとしていた。
「ローザ、話があるんだ」
いつもなら喜んですぐに時(shí)間をつくってくれるローザは、困ったような顔をした。
「あら、そうなの? 私はこれからお茶會なの」
ごめんなさいね、とローザはあっさり扉を閉めようとする。
「ちょ、ちょっと待って! 大切な話なんだ!」
「公爵夫人にお呼ばれしたお茶會なの。行かないわけにはいかないわ」
「でも……」
引き下がらない僕に向かって、ローザは「今日は無理なの。今度からは事前に約束を取り付けてから來てね」と淡々と告げる。
その言葉に、僕は聞き覚えがあった。
以前、ローザに「話があるの」と言われた際に、相手をするのが面倒で「今度からは約束を取り付けてから來てほしい」と告げたことがある。
それを聞いたローザは、悲しそうな顔をして「わかったわ」と言い去っていった。
同じ言葉を言われた僕は、悲しいどころかローザに怒りを覚えた。
「僕たちは、夫婦だぞ!? どうして、僕のために時(shí)間を空けてくれないんだ?。俊?/span>
ローザはぽかんと口を開ける。
「じゃあ、あなたはどうして今まで私のために時(shí)間を空けてくれなかったの?」
その言葉は、僕を責(zé)めるわけでもなく、ただただ不思議だからそう言っている、という感じだった。
「それは……」
言葉につまる僕にローザは艶(あで)やかに微笑みかけた。その笑みの美しさに思わず見とれてしまう。
「デイヴィス、わかっているわ。それがあなたの理想の夫婦だってこと。爽やかで程よい距離の夫婦が良いのよね? それなのに、私ったら……」
ほぅとため息をつくローザの色っぽさに目が離せない。彼女はこんなにも魅力的な女性だっただろうか?
「ローザ……」
「そうとも知らず、愚かな私は今まであなたのことを心の底から愛していたの。今までつきまとって、本當(dāng)にごめんなさいね」
僕を見つめるローザの瞳に、以前のような熱がこもっていないことに気がつき、僕はなぜか衝撃を受けた。
「ローザ?」
うっとうしいくらい僕を愛しているはずのローザは、僕の手をうっとうしそうに払った。
「もう、お茶會に行くわ」
そう言って歩き出したローザは、こちらを振り返りもしない。
「ま、待ってくれ!」
呼び止めると、振り返った彼女の動きに合わせて赤いドレスがふわりと広がる。
「デイヴィス、あなたの愛が正しいわ。だって私、あなたを追いかけていたころより、とても幸せだもの。これからは、お互いに程よい距離で暮らしましょうね」
そう言ったローザの笑みは、結(jié)婚式のときに「君を一生、大切にするよ」と伝えたときの幸せに満ちた表情にそっくりだった。
僕は信じられない気持ちでローザを見送った。
そして、しばらく立ち盡くしたあとで、「きっと急いでいたんだ。そうに違いない」と自分に言い聞かせた。