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03　うっとうしい妻【デイヴィス視點(diǎn)】

　夜會(huì)會(huì)場(chǎng)を、ふらつきながら歩き去っていく妻ローザの後ろ姿をみて、僕はため息をついた。

　彼女のことだから、僕に追いかけて來(lái)てほしいと思っているはずだ。

　新婚のころは、僕の愛(ài)を求める彼女を愛(ài)おしく思っていたが、結(jié)婚して三年目にもなると、もう少し落ち著いてほしいと思ってしまう。

　正直、僕はいつまでもまとわりついてくる妻にうんざりしていた。

　愚癡を聞いてくれていた友人が「おい、大丈夫か？　夫人に謝ったほうが……」と言っているが、僕は「大丈夫だよ」と笑って返した。

「ローザは、僕を愛(ài)しすぎているんだ。これで、少しは距離を取ってくれたらいいんだけどね」

　このときの僕は、本気でそう思っていた。うっとうしいローザが、僕に付きまとうのをやめて、少しだけ大人になってくれればいい。

　ただ、それだけで良かったんだ。

　夜會(huì)會(huì)場(chǎng)からは友人の馬車(chē)を借りて屋敷に戻ってきた。いつもなら、僕が帰ってくるのをいつまでも待ち構(gòu)えているローザも、さすがに今日は待っていなかった。

「奧様は、おやすみになられています」

　その言葉をこの家に長(zhǎng)く仕えるジョンから聞いた?jī)Wは、胸をなでおろした。

　もしかしたら、ローザが「ひどいわ」と泣きながらすがってくるかも？　と、思っていたからだ。

　彼女に僕の本音を聞かれてしまったときは一瞬あせったが、今では『これで良かった』と思う。

「仕方がないから、明日になったらローザの機(jī)嫌をとるか」

　彼女のことだから、僕に捨てられたらどうしようと心配しているだろう。ローザに謝るつもりはないが、「僕の妻は君だけだよ」とでも言ってあげれば、すぐに機(jī)嫌が直るはずだ。

　僕は穏やかな気持ちで眠りについた。