【日本小4道德】31#奔馳吧 江之電 奔向光中
走れ江ノ電 光の中へ(奔馳吧 江之電 奔向光中)
作者:金子 章(かねこ あきら)
「ふぎゃあ、ふぎゃあ、ふぎゃあ?!?/p>
(“哇,哇,哇。”)
友君は生まれた時、二千百グラムの未熟児でした。
(友出生的時候是2100克的早產(chǎn)兒。)
「産んで良かった?!?/p>
(“生下來太好了?!?/span>)
お父さんとお母さんは、手を取り合って喜びました。お母さんは、心臓に重い病気があったのです。心臓の筋肉が弱っていき、血を體の中へ送り出すことが出來なくなってしまうのです。
(父母高興地牽著手。因為母親有嚴重的心臟病。心臟的肌肉衰弱,無法將血輸送到身體各處。)
友君は、おっぱいにしがみついて、ぐいぐい飲みます。お母さんは幸せでした。友君の體重は少しずつ増えて行きました。ところがお母さんは、病気が重くなって、入院してしまいました。
(友抓住乳房,使勁喝著母乳。母親很幸福。友的體重漸漸增加。然而母親的病情加重,住院了。)
七か月が過ぎ、友君にも、お母さんと同じ心臓の病気があることが分かりました。お父さんは、突然、目の前が真っ暗になりました。
(七個月過去了,友也被查出了和母親一樣的心臟病。父親突然感覺眼前一黑。)
友君の二才の誕生日。病院に居るお母さんから、プレゼントが送られてきました。模型の機関車D51でした。その日から、友君は來る日も來る日も、D51で遊びました。電車もくわわりました。走ったり、長く歩いたりすると、心臓が苦しくなるので、家の中で電車と遊ぶのです。
(友的二歲生日。住院的母親送來了禮物。是模型機車D51。從這日起,友日復一日地玩D51。電車也增加了。由于跑步和走較遠的話,心臟會難受,所以他在家中玩電車。)
お母さんの病気はよくならず、入院生活が続きました。お父さんは、これからの友君のことを考えたすえに、施設に預かってもらうことにしました。喘息の子供など、病気とともに生きる子供達が、おおぜい生活をしています。友君は、施設でも電車で遊んでいました。そして、電車のことなら何でも調(diào)べて覚えていきました。
(母親的病不好,持續(xù)著住院生活。父親考慮了友這之后的事,決定將他寄養(yǎng)在設施。有很多哮喘的孩子等,生病的孩子們在設施生活。友在設施也玩電車。然后,調(diào)查并記住了電車相關的任何事。)
友君が、九才になった春の日に、お母さんは亡くなりました。
(友九歲的春日,母親去世了。)
お父さんは、休みのたびにお土産を持って、施設に來ます。
(父親每次休息時都會帶禮物來設施。)
「ほら、この間頼まれた江ノ電だよ?!?/p>
(“看,是你之前想要的江之電。”)
「タンコロだ。ありがとう、お父さん。僕、これが一番ほしかったんだ?!?/p>
(“是舊型江之電。謝謝,爸爸。我最想要這個了。”)
「ようし、今日は天気もいいから、本物の江ノ電に乗りに行くか?!?/p>
(“好,今天天氣也很好,去乘坐真正的江之電吧。”)
「やったあ。」
(“太好了?!?/span>)
江ノ電は、神奈川県藤沢市から鎌倉市までの、海沿いを走る小さな電車です。
(江之電是從神奈川縣藤澤市到鐮倉市的沿海奔馳的小電車。)
「うわあ、海だ。江ノ島だよ。ヨットがいっぱい?!?/p>
(“哇啊,是大海。是江之島。有好多游艇?!?/span>)
友君の目が、きらきら輝いています。お父さんも嬉しそうです。
(友的目光熠熠生輝。父親也很高興。)
友君は、中學生になりました。病気は少しずつ重くなっていきました??啶筏苿婴堡胜胜盲咳栅?、救急車で入院しました。お父さんは、毎日のように病院に來てくれました。友君は、お父さんに話しました。
(友成了中學生。病情漸漸加重了。痛苦到動不了的那天,被救護車送進了醫(yī)院。父親幾乎每天都來醫(yī)院。友對父親說道。)
「大人になったら、江ノ電の運転手になりたいな。今頃江ノ電は、海水浴客で賑やかだろうね?!?/p>
(“我長大后想當江之電的司機?,F(xiàn)在江之電上一定滿是熱鬧的海水浴游客吧。”)
帰りがけにお父さんは、友君の擔當の、佐治先生に呼び止められました。
(友的主治佐治醫(yī)生叫住了準備回家的父親。)
「実は、友君の狀態(tài)が悪いのです。三か月もたないかも知れません。それで、友君の夢を葉えてあげませんか。」
(“其實友的狀態(tài)不好。也許撐不過三個月。因此,我們一起實現(xiàn)友的夢想吧?”)
お父さんは、頷きました。
(父親贊同了。)
佐治先生、夢を葉える手伝いをするボランティアの人、江ノ電の會社の人、施設の友達など皆が助け合って、友君を一日だけ江ノ電の運転手にする計畫が、どんどん進んで行きました。
(佐治醫(yī)生和幫助友實現(xiàn)夢想的志愿者、江之電公司的人、設施的朋友們一起合作,漸漸展開了友當一日江之電司機的計劃。)
十一月十一日、晴れ。友君が江ノ電の運転手になれる日が來ました。江ノ電の藤沢駅に著くと、施設の友達が待っていました。駅員室に入った友君は、暫くすると、駅員さんの制服を著て現(xiàn)れました。
(11月11日,晴。友能夠成為江之電司機的一天到來了。到達江之電的藤澤站后,設施的朋友在等著。友進了站務員室,過了片刻,他穿著站務員的制服出現(xiàn)了。)
「うわあ、かっこいい、友君?!?/p>
(“哇啊,好酷啊,友。”)
友達が肩を叩くと、友君はちょっと恥ずかしそうに俯きました。
(朋友拍了他的肩膀,友有些害羞地低下了腦袋。)
ボッ ボーン コットン コトン コトン コトン。江ノ電は藤沢駅を出発しました。家と家の間をコトンコトン。交差點をくねくね曲がると、海が見えます。トンネルだ。ボッ ボーン。終點の鎌倉駅に著くと、運転手さんが言いました。
(嘣?嘣 哐當?哐當?哐當?哐當。江之電在藤澤站出發(fā)了。在房屋之間哐當哐當。在十字路口彎彎曲曲后,能看到海了。是隧道。?嘣?嘣。到達終點的鐮倉站后,司機說道。)
「友君、いいプレゼントがあるよ。タンコロに乗せてあげよう。」
(“友,有個很棒的禮物。讓你乘坐舊型江之電吧。”)
タンコロは約九十年前の電車です。今はたった一両だけ車庫にあるのです。
(舊型江之電是約九十年前的電車。如今車庫里只有一輛。)
ゴートン ゴートン……ゴトン。
(哐當?哐當……哐當。)
「とうとう會えたね。タンコロ?!?/p>
(“終于見到了。舊型江之電。”)
友君は敬禮をして、運転席に入りました。
(友敬禮后,坐到了駕駛座。)
「出発、進行。」
(“出發(fā),前進。”)
ハンドルをぐいと引きました。ギー ゴットン ゴットン。
(他拉了一下把手。吱 哐當 哐當。)
「うわあ、僕は江ノ電の運転手だ。」
(“哇啊,我是江之電的司機。”)
三日経ちました。友君は、仕事を終えて病院に來たお父さんに、聞きました。
(三天過去了。友向工作結(jié)束后來到醫(yī)院的父親問道。)
「ねえ、お父さん、僕生まれてきてよかった?」
(“那個,爸爸,我生下來是件好事嗎?”)
「なんで、急にそんなことを聞くんだ?!?/p>
(“為什么突然問這個?”)
「だって、僕は助けてもらうばかりで、何にもしてあげられない?!?/p>
(“因為我總是接受幫助,不能為你們做什么。”)
「いいんだよ。友君は、友君のままでいい。それだけでお父さんは、嬉しんだ。佐治先生も、他の人達も、そう思ってくれているよ?!?/p>
(“是好事。友保持這樣就夠了。僅僅如此我就很高興。佐治醫(yī)生和其他人也是這樣想的。”)
友君は少し笑って、拳を開き、そして柔らかく閉じました。
(友微微笑著,張開了拳頭,然后又輕輕握住了。)
ボッ ボーン?!赋霭k、進行?!?/p>
(嘣?嘣。“出發(fā),前進。”)
翌朝、午前二時四十分。友君は、靜かに天國へ旅立ちました。
(翌日,上午兩點四十分。友靜靜地朝天國開啟了旅程。)
コトン コトン コトン……。
(哐當 哐當?哐當……)


