第23話(huà)　ラストスパート
第23話(huà)　 最后沖刺

　

?在充滿(mǎn)了大量熙熙攘攘的客人的教室中――身著法被和頭繩的我和贊同我提出的『把有自己安排的家伙叫喚過(guò)來(lái)幫忙實(shí)在是太那個(gè)了、所以我們4個(gè)人盡我們所能加油吧』這個(gè)方針的同班的3名少女一同站在了這荒謬的“賭場(chǎng)”上

「ベーキム3！　紫蘇豬肉6！　豆沙6！　新的訂單來(lái)了！　2號(hào)桌！」

（注：ベーキム是什么口味我也查不到…）

「了解！　ベーキム3！　紫蘇豬肉6！　豆沙6！　2號(hào)桌！」

我把擔(dān)任食卷販賣(mài)兼訂單管理的風(fēng)見(jiàn)原述說(shuō)的菜單口味的簡(jiǎn)稱(chēng)＋個(gè)數(shù)＋桌號(hào)的訂單內(nèi)容復(fù)述了一遍。

雖然也有人認(rèn)為通過(guò)像這樣的復(fù)述來(lái)進(jìn)行內(nèi)容確認(rèn)有點(diǎn)傻、但是經(jīng)驗(yàn)中這樣確實(shí)防范了多數(shù)的失誤于未然。

?

（打包外帶的3個(gè)普通口味、1個(gè)俄羅斯味、3個(gè)豆沙味在烤20秒就可以了！　開(kāi)始制造新的一桌、3個(gè)ベーキム味、6個(gè)紫蘇豬肉味、6個(gè)豆沙味……食材準(zhǔn)備好了、將原料的面粉糊倒入模具！　1號(hào)桌追加的5個(gè)明石燒已經(jīng)烤了30秒?。?/p>

（注：章魚(yú)燒應(yīng)該是用調(diào)好的面粉之類(lèi)的糊狀的東西為原料倒入磨具里面然后加入餡料制作的）


? 麻煩的是除了明石燒以外的菜品在烤好后分辨不出里面到底是什么味道的。

? 本來(lái)由于1個(gè)人操縱的章魚(yú)燒機(jī)器只有1臺(tái)、所以對(duì)于放入章魚(yú)燒內(nèi)的餡料的把握并不是很難。但是如果1個(gè)人操縱3臺(tái)機(jī)器的話(huà)、我臉上早已經(jīng)呈現(xiàn)出依賴(lài)記憶力在廣闊的面糊海洋上航行的神經(jīng)衰落的樣子。

（可惡啊……っ！　難易度能像這么高絕對(duì)是因?yàn)榭谖短嗔?！　啊我真的是個(gè)笨蛋！　明明初期的計(jì)劃早已把口味規(guī)定為5種、在此之上再追加1種口味實(shí)在是太多了吧?。?br/> 　

「紫條院同學(xué)、盤(pán)子拜托了！　白色1個(gè)、彩虹色1個(gè)、黒色1個(gè)！」

「啊、好的！」

在忙著往紙杯中傾倒果汁的紫條院同學(xué)為我遞來(lái)了紙盤(pán)

因?yàn)閺耐獗砜床怀鰞?nèi)部的口味、所以普通口味的章魚(yú)燒就用白色的紙盤(pán)、俄羅斯風(fēng)味的章魚(yú)燒就用彩虹色的、放入豆沙的則是黑色的……采用這樣的方式通過(guò)容器的顏色來(lái)進(jìn)行判斷。

在紙盤(pán)上放入和紙盤(pán)顏色對(duì)應(yīng)口味的章魚(yú)燒、除了豆沙之外的鰹魚(yú)干、青海苔、蛋黃醬、調(diào)味汁在由紫條院同學(xué)加上后就完成了


「筆橋同學(xué)、3個(gè)普通口味、1個(gè)俄羅斯風(fēng)味、3個(gè)豆沙味的已經(jīng)做好了！　是5號(hào)桌的！」

「好好~！　我馬上就過(guò)去哦！　嗚、果然現(xiàn)狀很慘烈啊ー！」

作為唯一配膳擔(dān)當(dāng)?shù)墓P橋、一般發(fā)著牢騷一邊開(kāi)始配送剛剛才做好的章魚(yú)燒。雖然餐具垃圾和吃剩的食物是采用自我服務(wù)的方式請(qǐng)客人自行解決的、但是筆橋一個(gè)人來(lái)負(fù)責(zé)教室全體的配送還是很艱難的。

「好、這是您的20元找零！　下一位！　ベーキム6！　普通口味6！　可樂(lè)1、姜汁汽水1！　全部外帶！」

「1號(hào)桌橙汁2杯！　3號(hào)桌可樂(lè)2杯、西打水2杯！　拜托了！」

（注：西打水和蘇打一樣都是碳酸飲料，但是西打水（cider）是指加了糖比較甜的那種）

「讓您久等了~！　啊、不好意思！　追加的點(diǎn)單拜托您用食卷支付！　啊、還有喝剩下的飲料麻煩您倒到那個(gè)桶里！」

風(fēng)見(jiàn)原、紫條院同學(xué)、筆橋3人都做的非常好了。

表現(xiàn)已經(jīng)超出我的預(yù)期……但是負(fù)擔(dān)一點(diǎn)也沒(méi)有減少。
　

要說(shuō)為什么的話(huà)就是客人完全沒(méi)有中斷的痕跡。

而那個(gè)原因大概就是紫條院同學(xué)吧。

本就十分妖艷的浴衣身姿如今應(yīng)為出汗的緣故變成更加能刺激男生內(nèi)心的樣子、即使是隱居在廚房中也不斷得在將男性顧客引誘進(jìn)來(lái)。

（可惡、喂kora、你們這群家伙別給我看啊、！　除我以外的人看到紫條院同學(xué)的艷麗身姿的話(huà)很讓人惱火的?。。?br/>

仔細(xì)觀察的話(huà)就會(huì)發(fā)現(xiàn)受到注目的不僅僅只是紫條院同學(xué)、風(fēng)見(jiàn)原和筆橋也是一樣的。

原本2人就都是非常標(biāo)志的美女、果然被汗水隱約打濕的浴衣身姿就好像誘捕男生飛蛾撲火的誘蛾燈一樣。

真是的、男高中生就是這樣啊

「――吶、是不是有點(diǎn)慢??？」

（………………っ?。?br/>

面對(duì)不經(jīng)意間聽(tīng)到的不知是哪個(gè)客人的低語(yǔ)、我和其他的3個(gè)少女的臉上都有點(diǎn)僵硬。

那并不是對(duì)我們店員所向的話(huà)語(yǔ)、而且也只是不含惡意的小小的低語(yǔ)罷了。

但是……感覺(jué)到了想要去抑制的東西還是噴發(fā)出來(lái)了后我們進(jìn)而變得焦急了起來(lái)。

「啊……っ！」

在突然將視線(xiàn)投向著可以聽(tīng)見(jiàn)筆橋聲音的方向后、只見(jiàn)短發(fā)少女被椅子絆住了腳導(dǎo)致平衡崩壞、將搬運(yùn)的紙盤(pán)里的東西向地板傾倒一空。


? 章魚(yú)燒有好幾個(gè)在地板上翻滾著、醬汁將地板弄得臟兮兮的。

「啊、啊……我……っ」

看著在地板上擴(kuò)散開(kāi)來(lái)的慘狀、筆橋一副束手無(wú)策的樣子眼瞳里充滿(mǎn)了淚水。

這個(gè)……糟糕了！需要進(jìn)行援護(hù)！


「筆橋同學(xué)っ！　剛剛弄掉的是普通口味的6個(gè)嗎！？」

「誒っ、啊、嗯……」

搶在在繁忙現(xiàn)場(chǎng)放下錯(cuò)誤的罪惡感在筆橋的內(nèi)心擴(kuò)散開(kāi)來(lái)前、我以大聲地詢(xún)問(wèn)來(lái)封鎖住其感情的流動(dòng)。


「我知道了！　會(huì)馬上重新做一份的！　不要驚慌把這里先收拾一下把！」

「知、知道了……！」

立刻以清晰的話(huà)語(yǔ)交付給其工作、用責(zé)任感來(lái)將罪惡感停止住。

正是因?yàn)槭钦J(rèn)真的人才會(huì)被放下的錯(cuò)誤深深地扯住后腿、像這樣在那個(gè)瞬間予以關(guān)懷是很重要的。

「紫條院同學(xué)！　那個(gè)呼吁就拜托你了！」

「好、好的！　誒多、米娜桑！　由于目前店內(nèi)的客人非常的多、所以章魚(yú)燒和飲料的送達(dá)會(huì)有晚點(diǎn)！　還請(qǐng)大家再稍等片刻……！」

在浴衣美少女紫條院同學(xué)的大聲請(qǐng)求下、剛剛在等待著筆橋弄掉的章魚(yú)燒的客人、對(duì)上菜遲緩而感到急躁的一部分急性子客人們的表情也都舒緩了下來(lái)、教室全體的氛圍柔和了起來(lái)。
　

這就是我事先拜托紫條院同學(xué)的事情、目的就是通過(guò)傳達(dá)『店主也對(duì)讓大家久等這點(diǎn)感到抱歉』從而來(lái)舒緩客人的情緒。

這樣店內(nèi)的氛圍就不會(huì)被剛剛的事情打破了――但是

?

（咕……即使店內(nèi)已經(jīng)座無(wú)虛席了但是因?yàn)橛兄虬鈳У拇嬖谒杂兄鵁o(wú)限的訂單前來(lái)……！　雖然現(xiàn)在能勉強(qiáng)以普通狀態(tài)下8成的速度提供菜品、但是這樣下去的話(huà)很有可能會(huì)從客人那里傳來(lái)『太慢了』『給我快點(diǎn)啊』這樣的話(huà)語(yǔ)?。?br/>

而且如果變成這樣的話(huà)、還沒(méi)適應(yīng)這種場(chǎng)合的3名少女的精神負(fù)擔(dān)會(huì)變得非常大、從而導(dǎo)致維持現(xiàn)狀的這個(gè)走向產(chǎn)生崩壞

不……要冷靜下來(lái)。

是否能跨越這樣的修羅場(chǎng)取決于我的手腕。

因?yàn)榈筋^來(lái)的難點(diǎn)還是章魚(yú)燒的生產(chǎn)速度。


（這個(gè)時(shí)候、如果是料理漫畫(huà)或者經(jīng)營(yíng)漫畫(huà)的話(huà)主人公就會(huì)想到逆轉(zhuǎn)的秘策……但是原社畜想到的方法只有一個(gè)）

面對(duì)通常的3人料理班的章魚(yú)燒制作速度如果以我1人是追不上的話(huà)――

只要我以3倍于平常的速度來(lái)制作章魚(yú)燒就好了！

(將效率提高到極致……！　徹底地將沒(méi)用的功夫省去將發(fā)來(lái)的點(diǎn)單給予最適合的處理！　章魚(yú)燒的制作也好、辦公室的工作也好、會(huì)場(chǎng)準(zhǔn)備也好、活動(dòng)包廂的對(duì)應(yīng)也好、本質(zhì)并沒(méi)有變化！　只是去處理任務(wù)而已?。?br/>

慢慢復(fù)蘇的社畜時(shí)期的意識(shí)加速著我的章魚(yú)燒制作處理。

更加……！　還能更快?。?/p>

?

?

名為訂單的任務(wù)從風(fēng)見(jiàn)原這里下達(dá)。

?

?

將那些訂單放入腦海內(nèi)想象出來(lái)的電腦文件夾中管理。

再將處于待機(jī)狀態(tài)的那些訂單們按照順序進(jìn)行執(zhí)行。

對(duì)3臺(tái)章魚(yú)燒機(jī)器進(jìn)行俯瞰、速度估算在哪里烤那種章魚(yú)燒會(huì)比現(xiàn)在的訂單效率要高、然后馬上開(kāi)烤。

刷油、投入食材、倒入面糊、烤、完成――工序上不犯錯(cuò)只是去提高自己的能力

（咕……っ！　乳酸連續(xù)積累手腕好痛……っ！　不如說(shuō)腰、背部肌肉、背筋、全身都在痛……！　但是……只是這樣的話(huà)還是可以?。?br/>

不去考慮明天的肌肉疼痛將最大效率的動(dòng)作臨摹出來(lái)、總算能達(dá)到期望的生產(chǎn)速度。

然后就是……維持這一狀態(tài)而已。

「喂、喂、快看那個(gè)……3臺(tái)章魚(yú)燒機(jī)器1個(gè)人來(lái)最大限度的活用……」
「剛剛那個(gè)是什、什么、……在訂單到達(dá)的一瞬間就已經(jīng)將食材放進(jìn)去了……??？」
「那是什么那種沒(méi)有似乎多余動(dòng)作的惡心的行動(dòng)……是人間章魚(yú)燒機(jī)器嗎？」

吵死了客人們！ ?不要把人叫做章魚(yú)燒機(jī)器啊！

誰(shuí)會(huì)是喜歡才去做這種像耍雜技一樣的行為??！

（啊、但是確實(shí)在前世我就像一個(gè)機(jī)器一樣啊……）

　前世的我如果不去抓著效率以最短時(shí)間完成工作的話(huà)就什么都趕不上任何事、被上司罵以什么派不上用場(chǎng)的家伙。

?

所以我只是什么都不思考只是完成工作的家畜——換句話(huà)說(shuō)就是變成了社畜

只是維持懷抱著陰暗的內(nèi)心的樣子、只是單純持續(xù)處理工作的懷著一副陰郁表情的齒輪。

（啊嘞……？　但是如今的我……）

突然之間我注意到

明明和那個(gè)時(shí)候一樣自己的身體忙到快要磨損的樣子、超過(guò)限度地任意使用自己。

我的嘴角從剛才開(kāi)始就一直維持著舒緩的狀態(tài)。

「啊哈哈哈……っ！　很忙碌！　腦袋感覺(jué)也是亂成一團(tuán)！」

在我身邊的不遠(yuǎn)距離、紫條院同學(xué)一邊麻利地往紙杯里注入飲料一邊說(shuō)道。

由于在排班開(kāi)始時(shí)就一直忙碌不聽(tīng)的緣故早已處于被汗水浸濕的狀態(tài)

「但是卻很奇怪！　明明這樣忙率……但是卻很快樂(lè)……っ！」

在繁重的任務(wù)下、對(duì)這份疲勞和高揚(yáng)感到愉悅的紫條院同學(xué)發(fā)自?xún)?nèi)心的笑了

額頭上連綴在一起的汗珠如同寶石般耀眼。
　

「新浜君是怎么樣的呢！　現(xiàn)在的這個(gè)時(shí)刻……快樂(lè)嗎??？」

從始至終都沒(méi)停下手的紫條院同學(xué)直白的發(fā)問(wèn)了

于是那份答案――在思考之前就已經(jīng)先從嘴巴里說(shuō)出來(lái)了。

「啊……！　雖然忙到離譜……但是卻也快樂(lè)的離譜っ！」

明明是讓腦袋和身體仿佛都在嘎嘎作響的超過(guò)處理能力的工作。

但是卻和那個(gè)變成工作的機(jī)器時(shí)期的寒冷陰暗的心情完全相反、有著仿佛快要燃燒般的高揚(yáng)感和喜悅。

如今的我從心底享受這個(gè)和大家一起努力的時(shí)刻
　

「啊、太好了……！　新浜君能這樣回答讓我很開(kāi)心哦っ！」

?

面對(duì)著我回復(fù)的『很快樂(lè)』、紫條院同學(xué)從內(nèi)心浮現(xiàn)出了喜悅的笑顏。

就這樣、修羅場(chǎng)仍在繼續(xù)

我們4人早已經(jīng)被即使是以戰(zhàn)友相稱(chēng)也沒(méi)關(guān)系的連帶感緊密相連、為處理涌來(lái)的大量客人而奔走著——

只是一心一意地追逐著祭典的終焉。

這周把原版小說(shuō)的3卷都買(mǎi)了就是發(fā)貨好慢。支持下正版希望能動(dòng)畫(huà)化。

以下為原文

第23話(huà)　ラストスパート


　大勢(shì)のお客がひしめく教室の中――法被はっぴととねじりはちまきを身につけた俺は、『予定のある奴を呼び出すのはあんまりだから4人でやれるとこまで頑張る』という方針に賛同してくれたクラスメイトの少女3人とともに、とてつもない鉄火場(chǎng)に立っていた。

「ベーキム3！　紫蘇豚6！　アンコ6！　オーダー入ります！　座席2番！」

「了解！　ベーキム3！　紫蘇豚6！　アンコ6！　座席2番！」

　食券販売係兼オーダー管理?yè)?dān)當(dāng)である風(fēng)見(jiàn)原が発したメニューの略稱(chēng)＋個(gè)數(shù)＋座席番號(hào)のオーダーを復(fù)唱する。
　この聲を反復(fù)させることによる確認(rèn)は馬鹿らしいという奴もいるが、経験上多くのミスを未然に防いでくれる。

（テイクアウトのノーマル3、ロシアン1、アンコ3はあと焼き20秒！　新規(guī)、ベーキム3、紫蘇豚6、アンコ6……具材セット、生地流し！　1番席追加の明石5は焼きもう30秒！）

　厄介なのは、明石焼き以外のメニューは焼き上げてしまうと中身がわからないことだ。

　本來(lái)なら1人が擔(dān)當(dāng)するタコ焼き機(jī)は1臺(tái)分なので、入れた具材の把握はそう難しいことじゃない。だが3臺(tái)を1人で使うとなると、もはや広大な生地の海で行う記憶力頼りの神経衰弱の様相を呈してくる。

（くそ……っ！　ここまで難易度が高い原因は間違いなくメニューの多さのせいだ！　ああもう俺の馬鹿！　初期の計(jì)畫(huà)案からすでにメニュー5種類(lèi)にしてた上に、もう1種類(lèi)追加するとか多過(guò)ぎなんだよ！）
　
「紫條院さん、皿頼む！　白1、虹1、黒1！」

「あ、はい！」

　忙しくジュースを紙コップに注いでいた紫條院さんが、紙皿を出してくれる。

　見(jiàn)た目からは味がわからないため、ノーマルタコ焼きは白、ロシアンタコ焼きセットは虹、アンコ入りは黒……というふうに容器の色で判別できるようにしているのだ。

　そして俺が皿に対応した味のタコ焼きを乗せ、アンコ入り以外は鰹節(jié)、青のり、マヨネーズ、ソースを紫條院さんがかければ完成だ。
　ちなみに明石焼きは出汁が入ったミニお椀に入れて提供している。

「筆橋さん、ノーマル3、ロシアン1、アンコ3、上がりました！　座席5番です！」

「はいはーい！　今行くよー！　うう、やっぱりキツいー！」

　唯一の配膳役の筆橋が、泣き言を言いながらも今仕上がったばかりのタコ焼きを運(yùn)んでいく。食器ゴミや食べ殘しを捨てるのはセルフサービスでお客さんにやってもらっているが、それでも筆橋1人で教室全體をカバーするのはかなり辛いだろう。

「はい、おつり20円です！　次のオーダー！　ベーキム6！　ノーマル6！　コーラ1、ジンジャー1！　全部テイクアウトで！」

「オレンジ2を1番席！　コーラ2、サイダー2を3番席！　お願(yuàn)いします！」

「はいお待たせしましたー！　あ、すいませーん！　追加注文は全部食券でお願(yuàn)いしますー！　あ、飲み物の余りはそっちのバケツにお願(yuàn)いしまーす！」

　風(fēng)見(jiàn)原、紫條院さん、筆橋の3人は非常によくやってくれている。
　正直想像以上の働きぶりだが……一向に負(fù)擔(dān)が減らない！
　
　何せ客が途切れない。
　そしてその原因は、おそらく紫條院さんだ。
　ただでさえ艶のある浴衣姿なのに今は汗ばんでいて非常に男心を刺激する姿になっており、キッチンに引っ込んでいるにも関わらず男性客をどんどん教室に引き込んでいる。

（くそ、おいこら、お前ら見(jiàn)るな！　俺以外が紫條院さんの艶姿を見(jiàn)るのはムカつく?。?br/>
　よく見(jiàn)れば注目されているのは紫條院さんだけじゃなく、風(fēng)見(jiàn)原や筆橋もだった。
　元々2人とも結(jié)構(gòu)な美人なので、やはり汗でうっすら濡れた浴衣姿というのは男子を呼び込む誘蛾燈のようになってしまっているのだ。
　まったく、男子高校生って奴はこれだから！

「――なあ、ちょっと遅くね？」

（………………っ！）

　不意に聞こえてきた客の誰(shuí)かの呟きに、俺や他の3人の少女の顔がこわばる。

　それは別に俺たち店員に向けた言葉ではなく、特に悪意もない小さな呟きだ。
　だがしかし……俺たちが押さえ込みたいものが噴出してきているのを感じてさらに焦りを覚えてしまう。

「あ……っ！」

　ふと筆橋の聲が聞こえた方向に視線(xiàn)を向けると、ショートカットの少女は椅子に足を取られてバランスを崩し、運(yùn)んでいた皿を床にぶちまけてしまっていた。

　タコ焼きはいくつも床に転がり、ソースは床をベシャリと汚している。

「あ、あぁ……私……っ」

　床に広がった慘狀を見(jiàn)て、筆橋は途方にくれた様子で瞳に涙をためる。
　これは……まずい！　カバーが要る！

「筆橋さんっ！　今落としたのノーマル6なんだよな??？」

「えっ、あ、うん……」

　忙しい現(xiàn)場(chǎng)でミスした罪悪感が筆橋の中で広がる前に、大聲で問(wèn)いかけて感情の流れをせき止める。

「わかった！　すぐ作り直す！　慌てずにそこを片付けてくれ！」

「わ、わかった……！」

　すかさずはっきりとした言葉で仕事を任せて、責(zé)任感で罪悪感をストップさせる。
　真面目な人間こそミスが深く尾を引くので、こうやってその瞬間にケアするのが肝心だ。

「紫條院さん！　例の呼びかけ頼む！」

「は、はい！　ええと、みなさん！　ただいますごく混み合っていて、タコ焼きや飲み物をお渡しするのが遅れてます！　どうかもう少しだけ待っていてください……！」

　浴衣美少女の紫條院さんが聲を大にしてお願(yuàn)いすると、今筆橋が落としてしまったタコ焼きを待っていた客や、提供の遅さにイライラしている一部のせっかちな客も表情を緩め、教室全體の空気が和らぐ。
　
　これは事前に俺が紫條院さんにお願(yuàn)いしていたことで、『店側(cè)も待たせてしまっているのは申し訳なく思ってる』と伝えることでお客の感情を柔らかくすることが狙いだ。

　これで流れは止めずにすんだが――

（ぐっ……座席が埋まってもテイクアウトがあるから無(wú)限に注文がくる……！　今のところギリギリ普通の8割ほどのスピードで提供できてるけど、このままじゃいずれ客から『遅い』『早くしてくれ』なんて言葉が出てきかねない?。?br/>
　そしてそうなれば、こういう場(chǎng)に慣れていない少女3人の精神的負(fù)擔(dān)は途方もないものとなり、現(xiàn)在維持しているこの流れは崩壊する。

　いいや……落ち著け。
　この修羅場(chǎng)を乗り切れるかは俺の腕にかかっている。
　結(jié)局ネックとなっているのはタコ焼きの生産スピードなのだから。

（こういう時(shí)、料理漫畫(huà)や経営漫畫(huà)だったら主人公は逆転の秘策を考えつくんだろうけど……元社畜が考えつく方法なんて一つだ）

　通常の調(diào)理班3人でタコ焼きを作る速度に俺1人じゃ追いつけないのなら――

　俺が通常の3倍速くタコ焼きを作ればいいだけのことだっ！

(効率を突き詰めろ……！　徹底的に無(wú)駄を省いて出されるオーダーを最適に処理するんだ！　タコ焼き作りもオフィスワークも會(huì)場(chǎng)設(shè)営もイベントブース対応も本質(zhì)的には変わりない！　ただタスクを処理していくだけだ?。?br/>
　徐々に蘇ってくる社畜時(shí)代の意識(shí)が、俺のピック捌きを加速させる。
　もっとだ……！　もっと早く！

　注文というタスクが風(fēng)見(jiàn)原から降ってくる。

　それを脳內(nèi)にイメージしたパソコンのフォルダに入れて管理。
　待機(jī)狀態(tài)になっているそれらを順?lè)藢g行していく。

　タコ焼き機(jī)3臺(tái)を俯瞰して、どこでどの種類(lèi)を焼けば今のオーダー上で効率が良いかすぐに目算して、すぐ焼きに入る。

　油引き、具材投入、生地流し、焼き、仕上げ――工程を間違えずギアだけを上げる！

（ぐが……っ！　乳酸が溜まりまくって腕が痛い……っ！　というか腰とか背筋とか全身痛い……！　けど……これならいける?。?br/>
　明日の筋肉痛を考慮せずに最大効率の動(dòng)きをトレースすると、なんとか望む生産スピードに到達(dá)する。
　後は……これを持続させるだけだ！　

「お、おい、見(jiàn)ろよあれ……3臺(tái)のタコ焼き機(jī)を1人でフル活用してる……」
「な、なに今の……注文入った瞬間にもう具材入れてる……?。俊?br/>「なんだあの無(wú)駄がなさ過(guò)ぎて気持ち悪い動(dòng)き……人間タコ焼きマシーンかよ」

　やかましいぞ客たち！　人をタコ焼きマシーン呼ばわりすんな！
　誰(shuí)が好き好んでこんな曲蕓みたいなことをするか！

（ああ、でも確かに前世の俺は機(jī)械みたいだったよな……）

　前世の俺は効率を摑んで最短で仕事をしないと何もかも間に合わなかったし、上司からは使えない奴だと罵られた。

　だから俺は何も考えないまま仕事をこなすだけの家畜――すなわち社畜になった。
　暗澹たる心を抱えたまま、ただ仕事だけを処理し続ける陰鬱な顔をした歯車(chē)だ。

（あれ……？　でも今俺……）

　ふと気付く。
　あの頃と同じように自分の身が擦り切れるような忙しさで、限界以上に己を酷使しているのに――

　俺の口元は、さっきから緩みっぱなしだった。

「あははは……っ！　忙しいです！　頭がこんがらがりそうです！」

　すぐ隣で、紫條院さんが紙コップに手早くジュースを注ぎながら言う。
　シフト開(kāi)始から動(dòng)きまくってすでに汗びっしょりだ。

「なのに変です！　こんなに忙しいのに……すっごく楽しいです……っ！」

　激務(wù)の中、この疲労と高揚(yáng)が快いと紫條院さんは心から笑う。
　額に珠になって連なる汗が、寶石のように眩い。
　
「新浜君はどうですか！　今この時(shí)は……楽しいですかっ！？」

　あくまで手元は休めずに、紫條院さんがまっすぐに問(wèn)いかけてくる。

　そしてその答えは――考えるより先に口から出た。

「ああ……！　メチャクチャ忙しいけど……メチャクチャ楽しいなっ！」

　脳と身體が軋むようなキャパシティオーバー。
　なのにあの頃の仕事の機(jī)械と化していた時(shí)の冷たく暗澹とした気持ちとは正反対に、燃えるような高揚(yáng)感と喜びがある。

　俺は今、みんなと頑張れるこの時(shí)を心底楽しんでいた。

「ああ、良かった……！　新浜君がそう答えてくれて嬉しいですっ！」

　俺が『楽しい』と答えたことに、紫條院さんは心から喜びの笑顔を浮かべた。

　そうして、修羅場(chǎng)は続く。

　俺たち4人もはや戦友と呼んでも差し支えない連帯感で繋がり、押し寄せる大勢(shì)の客の対処に奔走し――

　祭りの終焉を、ただひたすらに駆け抜けた。