日本小6課文:海之生命【久我Masahi的日語課堂】#91

海の命(海之生命)
作者:立松 和平(たてまつ わへい)
父もその父も、その先ずっと顔も知らない父親達が住んでいた海に、太一(たいち)もまた住んでいた。季節(jié)や時間の流れとともに変わる海のどんな表情でも、太一は好きだった。(在父親和祖父,以及這之前不認識的父親們所居住的這片大海,太一也住在這里。太一喜歡隨著季節(jié)與時間流逝變化的大海的任何表情。)
「僕は漁師になる。おとうと一緒に海に出るんだ?!棺庸─雾暏椤⑻护悉长ρ预盲茟劋椁胜盲?。(“我要成為漁民。和老爸一起出海?!碧粡暮⑻釙r代起,就毫無顧忌地如此說道。)
父は潛り漁師だった。潮の流れが速くて、誰にも潛れない瀬(せ)に、たった一人で潛っては、巖かげに潛むクエをついてきた。二メートルもある大物を仕留めても、父は自慢することもなく言うのだった。「海の恵みだからなあ。」(父親是潛海漁民。潮水流動快速,父親只身一人潛入誰都無法潛海的急流中,然后刺回潛在巖后的褐石斑魚。就算逮住了長達兩米的大魚,父親也不會驕傲道:“這是大海的恩惠?!保?/p>
不漁の日が十日間続いても、父は少しも変わらなかった。(就算持續(xù)十日抓不到魚,父親也毫無變化。)
ある日、父は、夕方になっても帰らなかった。空っぽの父の船が瀬で見つかり、仲間の漁師が引き潮を待って潛ってみると、父はロープを體に巻いたまま、水中で事切れていた。ロープのもう一方の先には、光る緑色の目をしたクエがいたという。(某日,父親到了傍晚也沒有回來。父親空空如也的船被發(fā)現(xiàn)于急流處,漁民同伴等待退潮后潛下去一看,發(fā)現(xiàn)父親的身體被繩索卷著,死在了水中。繩索的另一方,有一條眼睛閃著綠光的褐石斑魚。)
父の銛(もり)を體に突き刺した瀬の主は、何人がかりで引こうと全く動かない。まるで巖のような魚だ。結(jié)局ロープを切るしか方法はなかったのだった。(幾個人拉也完全拉不動這條父親的魚叉插著的急流之主。就仿佛是巖石般的魚。結(jié)果只能切斷繩索。)
中學(xué)校を卒業(yè)する年の夏、太一は與吉(よきち)じいさに弟子にしてくれるよう頼みに行った。與吉じいさは、太一の父が死んだ瀬に、毎日一本釣りに行っている漁師だった。(中學(xué)畢業(yè)這年的夏天,太一前去拜托與吉爺爺收自己為弟子。與吉爺爺是每天去太一的父親死去的那條急流釣魚的漁民。)
「わしも年じゃ。隨分魚をとってきたが、もう魚を海に自然に遊ばせてやりたくなっとる?!梗ā拔乙怖狭?。迄今為止釣了不少魚了,已經(jīng)想讓魚在海中自然地玩耍了?!保?/p>
「年を取ったのなら、僕を杖の代わりに使ってくれ?!梗ā吧狭四昙o的話,就將我當成拐杖吧?!保?/p>
こうして太一は、無理矢理與吉じいさの弟子になったのだ。(就這樣,太一強行成為了與吉爺爺?shù)牡茏?。?/p>
與吉じいさは瀬に著くや、小イワシを釣り針にかけて水に投げる。それから、ゆっくりと糸をたぐっていくと、濡れた金色の光を跳ね返して、五十センチもある鯛が上がってきた。バタバタ、バタバタと、鯛が暴れて尾で甲板(かんぱん)を打つ音が、船全體を共鳴させている。(與吉爺爺一到急流,就將小沙丁魚掛在魚鉤上扔進水中。然后,緩緩地拉線,濕潤的金光跳起,長達五十厘米的鯛魚上鉤了。亂鬧的鯛魚用魚尾啪嗒啪嗒,啪嗒啪嗒地拍打著甲板的聲音震動了整條船。)
太一は、なかなか釣り糸を握らせてもらえなかった。釣り針に餌を付け、上がってきた魚から釣り針を外す仕事ばかりだ。釣りをしながら、與吉じいさは獨り言のように語ってくれた。(與吉爺爺怎么也不讓太一握釣魚線。凈是是些往魚鉤上裝餌,從釣到的魚身上取下魚鉤的工作。與吉爺爺邊釣魚,邊仿佛是自言自語般地說道。)
「千匹に一匹でいいんだ。千匹いるうち一匹を釣れば、ずっとこの海で生きていけるよ?!梗ā耙磺l魚里一條就夠了。在一千條魚里釣一條的話,就能一直在這片大海生存下去。”)
與吉じいさは、毎日鯛を二十匹とると、もう道具を片付けた。(與吉爺爺每天釣了二十條鯛魚后,就開始收拾道具。)
季節(jié)によって、鯛がイサキになったりブリになったりした。(隨著季節(jié)的變化,從鯛魚變?yōu)榱酸炇|和鰤魚。)
弟子になって何年も経ったある朝、いつものように同じ瀬に漁に出た太一に向かって、與吉じいさはふっと聲を漏らした。その頃には、與吉じいさは船に乗ってこそきたが、作業(yè)は殆ど太一がやるようになっていた。(太一成為弟子后經(jīng)過了多年的時候,與吉爺爺雖然乘上船,但作業(yè)基本上是太一在做。某個早上,與吉爺爺突然對和往常一樣去同一條急流釣魚的太一出聲道。)
「自分では気付かないだろうが、お前は村一番の漁師だよ。太一、ここはお前の海だ?!梗ā半m然你自己沒有注意到,但你已經(jīng)是村里第一的漁民了。太一,這里是你的大海。”)
船に乗らなくなった與吉じいさの家に、太一は漁から帰ると、毎日魚を?qū)盲堡诵肖盲?。真夏のある日、與吉じいさは暑いのに、毛布を喉までかけて眠っていた。太一は全てを悟った。(太一每天釣魚回來后,去不再乘船的與吉爺爺家里送魚。盛夏的某日,明明很熱,與吉爺爺卻將毛毯蓋到喉嚨處睡著。太一全都明白了。)
「海に帰りましたか。與吉じいさ、心から感謝しております。お陰様で僕も海で生きられます。」(“回到海里去了嗎?與吉爺爺,我衷心感謝你。多虧了你,我也能在這片海生存?!保?/p>
悲しみが吹き上がってきたが、今の太一は自然な気持ちで、顔の前に両手を合わせることが出來た。父がそうであったように、與吉じいさも海に帰っていったのだ。(雖然悲傷涌上心頭,但是現(xiàn)在的太一用自然的心情,雙手在臉前合掌。就像父親那樣,與吉爺爺也回到了海里。)
ある日、母はこんなふうに言うのだった。(某日,母親如此說道。)
「お前が、おとうの死んだ瀬に潛ると、いつ言い出すかと思うと、私は恐ろしくて夜も眠れないよ。お前の心の中が見えるようで?!梗ā耙幌氲侥愫螘r會說出要到你爸去世的急流潛水,我就害怕地晚上睡不著。就好像能看到你的內(nèi)心?!保?/p>
太一は、嵐さえも跳ね返す屈強な若者になっていたのだ。太一は、そのたくましい背中に、母の悲しみさえも背負おうとしていたのである。(太一成為了連暴風(fēng)雨也能克服的強壯的年輕人。他那堅強的脊梁還背負著母親的悲傷。)
母が毎日見ている海は、いつしか太一にとっては自由な世界になっていた。(母親每日看著的海,對太一來說遲早會成為自由的世界。)
いつもの一本づりで二十匹のイサキを早々ととった太一は、父が死んだ辺りの瀬に船を進めた。(每次總是早早釣完二十條石鱸的太一,向著父親死去的急流邊駕船前進。)
怒りを下ろし、海に飛び込んだ。肌に水の感觸が心地よい。海中に棒になって差し込んだ光が、波の動きにつれ、輝きながら交差する。耳には何も聞こえなかったが、太一は壯大な音楽を聞いているような気分になった。とうとう、父の海にやって來たのだ。(太一拋下憤怒,跳入海中。接觸肌膚的水令人愜意。照射進海中的光柱隨著波動,閃耀交錯。耳畔雖然什么都聽不到,太一卻有種仿佛在聽氣勢磅礴的音樂的感覺。終于來到了父親的海。)
太一が瀬に潛り続けて、ほぼ一年が過ぎた。父を最後に潛り漁師がいなくなったので、アワビもサザエもウニも沢山いた。激しい潮の流れに守られるようにして生きている、二十キロぐらいのクエも見かけた。だが、太一は興味をもてなかった。(太一持續(xù)潛進急流,幾乎過了一年。由于父親是最后的潛海漁民,因此有很多沒被打撈的鮑魚、海螺、海膽。它們就像被湍流的潮水保護著生存。還發(fā)現(xiàn)了二十公斤左右的褐石斑魚。然而,太一對此沒有興趣。)
追い求めているうちに、不意に夢は実現(xiàn)するものだ。(追尋著的時候,夢想意外地實現(xiàn)了。)
太一は海草の揺れる穴の奧に、青い寶石の目を見た。(太一在海草搖曳的洞穴深處,看到了綠寶石般的眼睛。)
海底の砂に銛を刺して場所を見失わないようにしてから、太一は銀色に揺れる水面に浮かんでいった。息を吸って戻ると、同じ所に同じ青い目がある。瞳は黒い真珠のようだった。刃物のような歯が並んだ灰色の唇は、膨らんでいて大きい。魚が鰓(えら)を動かすたび、水が動くのが分かった。巖そのものが魚のようだった。全體は見えないのだが、百五十キロはゆうに超えているだろう。(為了不迷失方向,太一將魚叉刺進了海底的砂中,然后浮到了搖曳的銀色水面。吸氣后回到了同一個地方,同一雙綠眼睛還在。瞳孔像黑珍珠一樣。排列著像刀劍般的牙齒的灰色嘴唇鼓而大。魚鰓一動,水也隨之一動。巖石像魚一般。雖然看不到魚的全身,但估計它超過了一百五十公斤吧。)
興奮していながら、太一は冷靜だった。これが自分の追い求めてきた幻の魚、村一番の潛り漁師だった父を破った瀬の主なのかもしれない。太一は鼻面に向かって銛を突き出すのだが、クエは動こうとはしない。そうしたままで時間が過ぎた。太一は永遠にここにいられるような気さえした。しかし、息が苦しくなって、また浮かんでいく。(太一既興奮又冷靜。這就是自己所追求的夢幻之魚,它也許是打敗了身為村里第一潛海漁民的父親的急流之主。太一朝著褐石斑魚的鼻尖刺出魚叉,然而它卻紋絲不動。時間就這樣流逝著。太一甚至感覺自己能永遠待在這里。然而,呼吸困難,他再次浮向水面。)
もう一度戻ってきても、瀬の主は全く動こうとはせずに太一を見ていた。穏やかな目だった。この大魚(たいぎょ)は自分に殺されたがっているのだと、太一は思ったほどだった。これまで數(shù)限りなく魚を殺してきたのだが、こんな感情になったのは初めてだ。この魚をとらなければ、本當の一人前の漁師にはなれないのだと、太一は泣きそうになりながら思う。(太一再次回到海底,急流之主還是紋絲不動地看著他。眼神平靜。太一覺得這條大魚是想死于自己之手。迄今為止捕殺了不知道多少條魚了,然而還是第一次產(chǎn)生這種感情。不捕捉這條魚的話,無法真正地成為獨當一面的漁民。太一欲哭無淚地如此想道。)
水の中で太一はふっと微笑み、口から銀のあぶくを出した。銛の刃先を足の方にどけ、クエに向かってもう一度笑顔を作った。(太一在水中莞爾一笑,口中冒出了銀色氣泡。他將魚叉的刀尖挪向腳邊,然后又對著褐石斑魚露出了笑臉。)
「おとう、ここに折られたのですか。また會いに來ますから。」こう思うことによって、太一は瀬の主を殺さないで済んだのだ。大魚はこの海の命だと思えた。(“老爸是在這里讓步的嗎?我還會來見你的?!碧蝗绱讼氲溃谑菦]有殺了急流之主。他認為大魚是這片海的生命。)
やがて、太一は村の娘と結(jié)婚し、子供を四人育てた。男と女と二人ずつで、皆元気で優(yōu)しい子供達だった。母は、穏やかで満ち足りた、美しいお婆さんになった。(最后,太一和村里的女孩結(jié)了婚,并養(yǎng)育了四個孩子。男孩女孩各兩人,孩子們都很健康溫柔。母親成為了溫和,并對一切都很滿足的美麗的老太太。)
太一は村一番の漁師であり続けた。千匹に一匹しかとらないのだから、海の命は全く変わらない。巨大なクエを巖の穴で見かけたのに銛を打たなかったことは、もちろん太一は生涯誰にも話さなかった。(太一仍舊是村里第一的漁民。因為一千條魚里只抓一條,所以海里的生命完全沒有變化。當然,太一一生都沒有告訴任何人,自己在巖石穴里發(fā)現(xiàn)了巨大的褐石斑魚,卻沒有用魚叉插它的事。)

詞匯
憚る(はばかる):忌憚、顧忌、怕;有勢力、當權(quán)
事切れる(こときれる):咽氣、死亡;事情完結(jié)、了結(jié)
跳ね返す(はねかえす):使(水、泥等)飛濺、濺起;推翻、翻轉(zhuǎn);反擊;克服;拒絕

作業(yè)
1.讀課文
2.思考課文相關(guān)問題:
