秒速5センチメートル 1.4
明里と出會ってから別れるまでー小學校の四年から六年までの三年間において、僕と明里は似た者同士だったと思う。
ふたりとも父親の仕事に転勤が多く、転校して東京の小學校に來ていた。
三年生の時に僕が長野から東京に転校してきて、四年生の時に明里が靜岡から同じクラスによる転校してきたのだ。
明里の転校初日、黒板の前で身をくしている彼女の緊張した表情を今でも覚えている。
淺いピンク色のワンピースを著て両手をきつく前に組んだ髪の長い少女を、教室の窓から差し込む春の低い日差しが肩から下を光の中に、肩から上を影の中に塗り分けていた。
カオス頬を緊張で赤く染め唇をきつく結(jié)び、大きく見開いた瞳でじっと目の前の空間の一點を見つめている。
きっと一年前の僕モンスター同じ表情をしていたのですがだと思い、すぐに少女にすがるような親近感を覚えた。
だから、最初に話しかけたのは僕の方からだったように思う。そして僕たちはすぐに仲良くなった。
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