ぎっ　ギルガメッシュ王

聲が大きいわ

シドゥリめが駆け込んできたらどうする

すっ　すみません

あの

今朝はその　どのようなご用件なのでしょうか

王様自らここまでいらっしゃるなんて

まさか　何かあったんですか

なに　たまには趣向を変えようと思ってな

といいますと

今回は俺自らが仕事を言い渡す

喜べ　藤丸立香

?

ギルガメッシュ王直々の依頼が

ペルシャ灣の水質(zhì)調(diào)査　か

はい　ペルシャ灣にある観測所にいって

そこで採取した海水を持ち帰る

荷物運びのお仕事です

このかいどうは　三女神の襲撃も受けてないっていうし

天気もいいし

何だか穏やかだな

マーリンさんとアナさんはお留守番なんて

もったいないですね

通行証が二人分何だっけ

はい

ですから　久しぶりに先輩と二人の道行き

うん　そのはずなんだけど

はい　そのはずでしたが

?

おう　ザグロス山脈によい雲(yún)は懸かっておるわ

ここで一句

白峰の　雲(yún)海遙か　杉の山　

うん　特にうまくはなかったか

いや　こういうのはどうか

?

なぜか　ギルガメッシュ王も一緒です

このウルクでの移動手段はロバだ

ロバに荷車を引かせ　そこに水瓶を載せるのだ

はっ　はぁ

特別に俺が手配しておいたものだ

なんという手際の良さ　そして配慮か

俺にここまでさせるとは　ほどほど困ったやつらよ

ありがとうございます

皆も手を動かせ

今日もこのウルクを活気で満たすのだ

?

それはなんという遊びだ

ああ　王様

おはようございます

うん　して　これはなんだ

勇者の競爭

王様知らないの

ああ　また知らんとも

最近はこれが流行りなのか

うん

おう　これはこうして　こうか？

すごい

王様すごい

単純な作業(yè)だが

物事の初歩としてはよくできている

このままよく遊び　勵め

それはこの國の財となる

それはすなわち　俺の財と同じこと

はい

さぁ　急ぐぞ

俺が同行するのだ　遅れは許されん

同行？

?

あの　そろそろ同行しているわけを聞かせてもらいたいのですが

まぁっ　俺とて海を見たく時もある

ということだ

海を

つまりは

休暇を取られるということでしょうか

戯け　遊び時間がない故

こうして忍び旅をしているのではないか

めっ　めちゃくちゃですね

では　シドゥリさんはいま頃

?

シドゥリの目を欺くことなど造作もない

なんだ　その苦しみほとばしった表情は

差し出がましいですが　あまりいい行いではないと思います

貴様なかなかいうな

すみません

とにかくだ　俺は職務につかれたわけでも

刺激がほしいわけでもないのだ

さぁ　いつも通り　おかしいな話でもして俺を楽しませよ

やっぱり刺激がほしいのでは

?

王様も隨分と　まぁ　無茶ぶりよ

ロマニばかりずるい

熱っ

ダ?ヴィンチちゃんもききたい

なんだい　そのテンション

だって　面白話を聞いた王様が　腹筋大崩壊するかもしれないんだろう

これはぜひ　モニタリングしないと

?

それでは一番手　マシュ?キリエライト　いかせていただきます　

やはりここは旅の話がいいかと

ほう

そのためにはまず　私と先輩の出會いから

ほう

先輩ははじめてお會いした時

カルデアの通路で寢ていらっしゃいまして

マシュめ　貴様話を持っておるな

通路で眠るやつがあるか

いや

?

いいぞ　マシュ

話題のチョイスがいい

本人　いたって真面目だから

それが王様につぼってるのかな

先輩は　その後も居眠りを繰り返し

いやぁ

所長に怒られ

ついには　追い出されてしまったり

いや

というか　今の僕らって　すごくでばがめだよね

マシュ　藤丸君　ごめん

?

君もなかなかまじめな男だよね

まっ　ほどほどにね

さき　コーヒーをこぼしたのは君じゃないか　

?

というわけで　結局ワイバーンの肉を食べることになったんです

味はお察しです

実に退屈だった

お気に召しませんでしたか

どれもこれも　貴様らばかり楽しそうな話題だったではないか

それは　確かに

しかし　よい旅をしてきたことはわかった

土産話とは

旅した本人が一番楽しいものだからな

なるほど

本人が楽しそうなのだ　それはいい旅だったのだろう

ギルガメッシュ王には　ありますか？

?

旅の思い出とか　土産話とか

すべて覚えている

輝かしい英雄譚も

くだらぬ道行きも

爭いも

?

ここが観測所

此度持ち帰る水は　この観測所の研究員が集めたものだ

本格的に水質(zhì)の調(diào)査をしているんですね

矢張りこの時代　水は貴重だからですか

行くぞ

?

ギルガメッシュ王

王自らいらっしゃるとは

政務はよろしいのですか

先輩と同じリアクションです

なに　ちっと用事があってな

えっ　暇つぶしじゃあ

貴様　俺のことをなめているな

それか阿呆だと思っているだろう

めっ　滅相もない

先輩先輩

きっと王様は暇つぶしに見せかけて

何か重要なお仕事を成されているのかと

すごいです

いいぞマシュ　畏敬をもって俺を讃えよ

貴様らもこの娘を見習うがいい

?

もちろんでございます

ですが　せめて一言連絡をいただけると

職員一同心穏やかに勵めるのですが

たしかに　突然來られると　心臓がもたない

はじめまして

藤丸立香といいます

?

フォウさん　あまり遠くへ行っては駄目ですよ

ひと段落だね

先輩

ありがとうございます

あの　これは

研究員の人達が　お疲れ様ですって

そうですか

王の思い付きに付き合うのは大変でしょう

だって

えっ　そんなことは

あの　そのギルガメッシュ王は

どこに

それが　なんだか調(diào)べることがあるらしくて

観測所に殘るってさ

だから少し休憩

はい

?

穏やかでいい日だね

一層ここで休日になれば

海で泳ぐこともできたのに

殘念だ

ドクター

二人とも　お疲れ様

肉眼で見るペルシャ灣はどうだい

オケアノス　第三特異點で體験した海とは　隨分違うだろう

はい　この先にインド洋が広がっているかと思うと

ドキドキします

じゃあさらに　ドキドキする話を

この第七特異點は　今までの特異點より

規(guī)模が大きいようだ

規(guī)模ですか

?

ペルシャ灣の先

インド洋まで観測結果が屆いているんだ

メソポタミア世界にとって

海は欠かせないファクターなんだろう

それゆえに　こうして形成されているんじゃないかな

なんだかすごい途方もない話になってきた

どれほど過去の世界だろうと

人間は海と向き合い　

そしてわたってきたのですね

わたしは

マシュ

先輩　私はちゃんど向き合っているでしょうか

向き合ってそして　

自分の本當の望みを

知ることができるんでしょうか

?

あんたはもう　望みを持ってるよマシュ

人間　誰だって望みを持ってるんだ

望みがない人間は

生きていられないからね

人間　でも私は

悪人が善行を成し　善人が悪行を成すこともある

それが人間だ

それがあたしたちだ

それが　人間

きっと最後にわかるさ

あんたは何がしたいのか

あんたは何をするために　最後までその盾を振るうのかってね

?

これまでの旅で　

俺はマシュを一番近くで見てきたよ

自分と向き合うって　簡単そうで難しい

何をすべきか

何が望みなのか

持っている答えを　俺は聞きたい

きっとマシュは見つけられるはずだから

はい

きっとそうなるさ

?

ドクター　九時の方角を

何かが一直線に飛んできます

こちらも確認した

神代のマナ濃度の中で　時速500キロ

接觸まであと　3　2　1

マシュ　シールドを

?

あきれた

隨分と危機感が薄いんだね

君たちは

こんな人気のないところに

護衛(wèi)もなしでやってくるなんて

自分たちの強運になれてしまったのか

それともなめているのか

エルキドゥ

君はもう死んでいるはずだ

マスター　彼から魔術王の気配を感じます

目前の敵個體は　エルキドゥではありません

うん　君たちは正しい

僕はエルキドゥとしては偽物だ

じゃあ君は一體

ちょっと持ち主が変わっただけで

人間は本當にどうしようもない

持ち主が変わった

でもそんなのは些末なことさ

マスター　きます

僕は壊れるまで人間の敵だ

何があろうとそこは変わらない

それを今　君たちの命で証明しよう

マシュ

?

この戦い方は正しく　英雄王ギルガメッシュの十八番だ

當たり前だろう

無盡蔵に刃をつくり

惜しみなく叩きつけるんだ

それがこの體が行い　戦闘の最適解だ

マシュ

同じ戦い方をするのなら

むしろそいつの方が僕のマネをしているのだ

?

ほう　それは異なこと　

これは俺の記憶違いか

あの時吾が脳裏に閃いた新戦法は

無駄遣いの極みとののしられたはずだがな

違う　あれはお前

か

ギルガメッシュ王

お前が

ギルガメッシュ

ほかの何に見えるか　間抜け

冷靜沈著な兵器としての無駄のなさはどうした

戦闘を楽しむなぞ

貴様らしくないぞ　エルキドゥ

?

ギルガメッシュ王

あれは偽物　本物のエルキドゥさんではありません

ほう　それにしてはよくできているではないか

だっ　黙れ

よほど良い魔力を得たのだろう

三女神とやらの差し金か

黙れ

この地球上で　最強の創(chuàng)造物は　僕だ

お前のような半端な作り物は　要らない

おろかなウルクの王

母さんの敵

お前は僕が必ず殺す

この世界は　お前の死とともに終わらせてやる

お前はなんだ

ギルガメッシュ王

?

助かった

エルキドゥ　ウルク北部方面に撤退したようだ

これ以上は追えない

どうして撤退したのか

まるで分らないけどね

ひとまず　安心していいよ

?

先輩　お怪我はありませんか

大丈夫　マシュは

ギルガメッシュ王のおかげです

そろそろ來るだろうとは思っていたが

見事な悪運だったな

ありがとうございました

バカもの　俺の手助けなどで

戦力差は覆らぬ

今回助かったのは　向こうの気まぐれよ

あやつがその気なら　

貴様らとともに死んでいたわ

そんな

あの　何か苦しそうだったのは

さてな

何かの故障か

心肺機能が停止していたようだ

そういうこともあるだろう

どちらにせよ　過ぎたことだ　気にするな

気にするなといわれても　

どう見ても様子が

ウルクに帰るぞ

調(diào)べるべきものは調(diào)べ

見るべきものは見た

それに思い出したこともある

?

僕の方が強い

あの王より　僕の方が強いはずなのに

なのに　どうして撤退なんかしているんだ

僕は

?

記憶が秩序立っていない

以前の記憶ばかり閲覧している

わからない　この胸の故障はなんだ

あいつは殺すべき相手だ

でも　話しを

いや　會話をする余地はない

ただ　殺す　殺す

殺さなくちゃ　殺さなくちゃ　殺さなくちゃ

母さんのためにも　殺さなくちゃ

そうだ

僕はエルキドゥではないのだから

?

Episode　5　ギルガメッシュ紀行

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