両斷

全ての隔たりのない親友のように、帝釈天と阿修羅は似たようで真逆な存在だった。同じ夢を掲げるけれど、同時に全く違う信念を貫く。

就像所有無話不談的朋友那般，帝釋天與阿修羅相似但又相反，在有著共同夢想的同時，卻又有著截然不同的信念。

「忉利天が滅び、天人が鬼域に落とされ、鬼族と共に暮らしてから、昔の平和な時間が戻ることはなかった?！沟坩嬏欷悉长ρ预盲??！杆竭_(dá)のかつての故郷……忉利天では、天人一族の精神が繋がり、皆互いを感じ、理解する。爭い、殺戮、犠牲は永遠(yuǎn)に生まれない?！?/p>

“自忉利天毀滅，天人墮入鬼域，與鬼族共生，就再也回不到過去和平的時光?！钡坩屘煺f道，“在我們曾經(jīng)的故土——忉利天，天人一族精神相連，所有人都能感知彼此、理解彼此，永遠(yuǎn)沒有爭斗、殺戮和犧牲?！?/p>

「阿修羅、いつか、私達(dá)は天人の一族を連れて、あそこに戻ろう?！?/p>

“阿修羅，總有一日，你我會帶著天人一族，回到那里?！?/p>

「忉利天だろうが、鬼域だろうが、」阿修羅は無関心な態(tài)度を見せた?！柑烊摔悉嗓长叵颏Δ取⒏盲渴煨\(zhòng)が必ず一族の頂點(diǎn)に立つ。」

“忉利天也好，鬼域也罷，“阿修羅卻并不在意，“無論天人去哪，迂腐的十天眾都會佇立在一族的頂端?！?/p>

「天人を虐殺する鬼族も、一族を犠牲にする十天衆(zhòng)も、俺たちにとっては邪魔な存在でしかない?！拱⑿蘖_は言った?！附~大な力で、やつらを破滅させるべきだ?！?/p>

“屠戮天人的鬼族，犧牲同族的十天眾，都是阻礙我們的絆腳石，“阿修羅說道，“要用絕對的力量，毀滅他們?！?/p>

「可能な限り、仲間を集めなければならない?！沟坩嬏欷悉长ρ预盲?。「敵対者の排除や処刑は、全てあなたに任せる。それ以外のことは、私に任せてくれ?！?/p>

“我們需要聯(lián)合一切可以聯(lián)合的助力?！暗坩屘煺f道?！芭懦惣?，上陣殺敵的事情，就交給你了，之外的事情還是交給我吧?！?/p>

その後間もなく、翼団は鬼族を叩きのめし、天人一族の間で名を轟かせた。そして戦神阿修羅も、人々に謳われる英雄となった。しかし翼団の力には限りがあるため、より多くの協(xié)力を得るべく、阿修羅と帝釈天は軍を率いて都にやってきた。その噂が十天衆(zhòng)の耳に入ると、貴族達(dá)は翼団を神殿に呼びつけ、交渉を始めた。

很快，翼之團(tuán)將鬼族打得節(jié)節(jié)退敗，在天人之中名聲大噪，戰(zhàn)神阿修羅成為眾口傳頌的英雄，然而孤掌難鳴，為獲得更多兵力支援，阿修羅與帝釋天率兵前往都城，謠言傳到了十天眾的耳中，貴族們傳喚翼之團(tuán)前來神殿談判。

「翼団は十天衆(zhòng)の指揮下で、數(shù)々の功績を挙げた。決議の結(jié)果、汝らに天人正規(guī)軍と名乗る名譽(yù)を授ける?！故煨\(zhòng)の長たる善法天はこう言った。

“翼之團(tuán)在十天眾領(lǐng)導(dǎo)下，戰(zhàn)功累累。經(jīng)過決議，決定為你們授予成為天人正規(guī)軍的榮耀?！笔毂姷念I(lǐng)袖善法天說道。

「俺たちは帰順しに來たんじゃない、交渉しに來たんだ?！?/p>

“我們是為談判，并非讓你們招安。”阿修羅道。

「翼団の目的は、鬼族を永遠(yuǎn)に駆逐し、失われた土地を取り戻すことです。正規(guī)軍であるかどうかは関係ありません。私達(dá)と十天衆(zhòng)の皆様の目的は同じではありませんか。どうして共に戦えないのでしょうか？」帝釈天はこう進(jìn)言した。

“翼之團(tuán)之所以成立，為的是長遠(yuǎn)以來能擊敗鬼族，收復(fù)故地。是否加入正規(guī)軍并不重要，十天眾的諸位大人，我們利害一致，為何不能聯(lián)手合作呢？”帝釋天道。

「貴様らのような卑しき民に貴族の名が與えられたことは、名譽(yù)の限りだと知れ。貴様らははなから交渉する資格なんぞ持ち合わせていないのだ?！?/p>

“給予你們賤民躋身貴族的機(jī)會，便是對你們最大的恩賜。你們沒有與我們談合作的資格。”

「鬼族という外患を解決するには、天人一族は今まで以上に団結(jié)しなければならない。我が要望はただ一つ、貴族が民に物資を分け與えることだ?！?/p>

“想要解決鬼族的外患，天人必將要無一例外地團(tuán)結(jié)，我要貴族們把物資分發(fā)給平民?！卑⑿蘖_說道。

「外患を解決するには、先に內(nèi)憂を解決すべきだ。兵を呼び集め、権力を握ろうとする貴様らこそ、天人一族の內(nèi)憂に當(dāng)たる?！股品ㄌ欷趣堑丐蜻丹?、數(shù)えきれないほどの兵士が瞬く間に神殿に現(xiàn)れ、二人を幾重にも取り囲んだ。「帰順するか、死刑になるか。貴様らに他の選択はない?！?/p>

“要解決外患，必將先解決內(nèi)憂，你擁兵自重妄圖從我等手中奪權(quán)，是為內(nèi)患?！鄙品ㄌ烨昧饲檬终龋顑?nèi)涌出眾多士兵包圍二人?！敖邮苷邪?，還是被判死罪。 除此之外，你們沒有第三個選擇。”

「服従か、それとも死か?！拱⑿蘖_の目に殘忍な色合いが浮かんだ。彼の霊神體が急に顕現(xiàn)し、雨の如く周囲の兵士に振り下ろされた。「それはこっちの臺詞だ?！?/p>

“服從，或者，死?！卑⑿蘖_目光冷酷，靈神體突然竄出，像箭雨一般沖向四方士兵，“這是我的臺詞?！?/p>

一瞬で、兵士は血飛沫と化し、神殿中が血に染められた。

僅一瞬間，士兵們變成了血沫，整個神殿都被血染紅。

「畜生め、もっと兵を呼べ！」

“膽大包天，叫更多軍隊(duì)來！”

さらに兵士がやってきて、人の壁を作り出した。しかし阿修羅の觸手はそのまま兵士たちを薙ぎ倒し、善法天に襲いかかり、彼を縛り付けた。そして息ができないほど、善法天を空高く吊るし上げた。

更多士兵涌入組成人墻，阿修羅的觸手掀翻士兵直沖向善法天，觸手直接捆住他，將他高高吊起，善法天被勒得幾乎窒息。

「命乞いしろ、そして俺の命令に従え?！拱⑿蘖_はこう言った?！高\(yùn)が良ければ、俺はお前を逃し、深淵で暮らすことを許すかもしれないぞ?！?/p>

“求饒，答應(yīng)我的條件。”阿修羅道，“如果我高興，會放你一命，讓你去深淵茍延殘喘。”

殺すか死ぬかのその時、鬼族が侵攻してきたという知らせが屆いた。鬼族が雲(yún)霞のごとく城の近くまで押し寄せてきている。帝釈天は、天人一族は今まさに存続の危機(jī)にあると知った。

而在雙方戰(zhàn)得你死我活之際，卻又傳來鬼族攻至城下的消息，烏云壓境一般的鬼族士兵集結(jié)于城外，帝釋天意識到眼前正是天人滅亡的生死時刻。

「分かったか？放せ、貴様の本當(dāng)の敵は私達(dá)じゃない、侵攻してきた鬼族だ！」善法天は言った?！笖耻姢趣盲皮い霑rに仲間割れするなど、それが貴様の言う英雄か？！」

“看到了嗎？放開我，你真正的敵人不是我們，而是城外來犯的鬼族軍隊(duì)！”善法天說道，“兵臨城下之時內(nèi)訌，這便是被稱頌的英雄之所為嗎？”

「鬼族の軍隊(duì)は、當(dāng)然皆殺しだ。しかしその前に、俺はお前らを一人殘さず殺す。」阿修羅はこう言い返した。

“鬼族軍隊(duì)，我自會殺光。而在那之前，我會先殺了你們。”阿修羅道。

「鬼族は翼団が救援を求めている隙に、兵をかき集めました?！沟坩嬏欷涎预盲俊！袱长欷衔窑蛔澶未婢Aの危機(jī)に當(dāng)たる一大事です、どうか武器をおさめ、共に敵を撃退してください！」

“鬼族趁翼之團(tuán)求援之際集結(jié)兵力，”帝釋天說道，“此戰(zhàn)事關(guān)一族存亡，我懇請諸位放下武器，聯(lián)手抵抗外敵！”

「帝釈天、なぜやつらに妥協(xié)するんだ？貴族が際限なく民を圧迫しているからこそ、天人一族は鬼域に落とされ、鬼族と戦爭を繰り返す羽目になったんだ。十天衆(zhòng)を根絶やしにしない限り、例え鬼族を殺し盡しても、第二、第三の鬼族が必ず現(xiàn)れる！」

“帝釋天，你怎可以向他們妥協(xié)？貴族們荒淫無度剝削百姓，才致使一族墜入鬼域，與鬼族征戰(zhàn)不休，十天眾一患不除，就算滅掉鬼族，又會有千百他族前來為戰(zhàn)！”

「狀況を弁えろ、阿修羅！今ここで十天衆(zhòng)を殺したらどうなると思う？」帝釈天は彼に言い聞かせた?！甘煨\(zhòng)が死ねば、都は大混亂に陥る！都が陥落し、天人一族が絶滅に追い込まれたら、私達(dá)は一體どうやって罪を償うんだ！」

“看清局勢，阿修羅！若你今日殺了十天眾，又當(dāng)如何？”帝釋天爭辯，“十天眾一死，整個都城就要大亂！如果此時城破，一族滅亡，你我就是天人族的罪人！”

「罪を償うべきは、ただ王座に座って皆の成果を我が物にする貴族達(dá)だ！」阿修羅は怒りに身を任せて叫んだ?！傅坩嬏臁①F族であるお前には、永遠(yuǎn)に分からない！」

“天人一族的罪人，從來都是王座上坐享其成的貴族?！卑⑿蘖_怒道，“帝釋天，你也是貴族，你永遠(yuǎn)也不會明白！”

その時、善法天が口を開いた?！敢韲猡戏茨妞巫铯蚍袱筏郡?、それを許してやってもいい。翼団の物資の件についても、話し合ってやってもいい。貴様らが鬼族の軍隊(duì)を打ち破り、天人一族の危機(jī)を救いさえすれば！」

然而就在這時，卻傳來了善法天的聲音。“翼之團(tuán)謀反一事，我等可以不做計(jì)較，翼之團(tuán)想要軍備一事，也可從長計(jì)議，只要你們能夠大破鬼族軍隊(duì)，拯救天人一族于危難！”

阿修羅は前に出た?！袱饯欷胜椤⑺刂堡素?fù)けを認(rèn)めろ。物資を分け、軍の指揮権を俺に渡せ！」

阿修羅上前道，“既然如此，就出來認(rèn)降，答應(yīng)我的條件平分物資，向我阿修羅交出兵權(quán)！”

「我々こそが天人一族の支配者だ、翼団は我々に帰順すべきだ?！故煨\(zhòng)はこう言った?！高B合軍の統(tǒng)帥権を握る者も、我々が決める。それは阿修羅、貴様ではない。我々は帝釈天を、連合軍を統(tǒng)べる者に任命する?！?/p>

“我等才是天人的統(tǒng)治者，翼之團(tuán)應(yīng)向我軍歸順。”十天眾道，“聯(lián)軍首領(lǐng)也應(yīng)由我等任命，而那人將并非阿修羅，我等決議任命帝釋天為聯(lián)軍之首！”

阿修羅は聲高く言い切った?！敢韲猡悉挨椁沃甘兢胜螭摔蠌兢铯胜ぁ！?/p>

阿修羅高聲道，“翼之團(tuán)不會聽從你們這些無恥之徒的安排?！?/p>

しかし今回彼は、いつものように帝釈天の賛成を得られなかった。振り返ると、阿修羅の目に映ったのは、重々しい顔をしながら素早く前に出て、自分の側(cè)に來て、しばらく黙ったあとに、急に頭を下げ、片膝をついた帝釈天の姿だった。

然而這一次，他卻沒有等來帝釋天一如既往的贊同。阿修羅回過頭來，卻看見帝釋天面色凝重地快步向前，走到自己身邊，沉默片刻后，帝釋天突然單膝跪下在神殿之中，低下了頭。

「この帝釈天、十天衆(zhòng)の任命を引き受け、軍を統(tǒng)べ鬼族を打ちのめす所存です。」

“我帝釋天，愿意接受十天眾的任命，率軍前去迎戰(zhàn)鬼族！”

阿修羅は信じられないといった表情で彼を睨みつけた?！傅坩嬏?、やつらに騙されるな。それは俺達(dá)の仲を裂く罠だ！」

阿修羅不可置信地看著他，“帝釋天，你不能就這樣被他們欺騙，他們此舉是為了挑撥你我！”

「私の決斷は、全て私が決めたこと。これこそが私の求めていた答えだ?！沟坩嬏欷悉长ρ预盲?。

“我所作決定，是出于我自身，這就是我心中所認(rèn)同的答案。”帝釋天說道。

「お前が決めたというなら、お前はもう俺の知っている帝釈天ではない?！?/p>

“如果你的決定是出自你的心，那你已經(jīng)不是我認(rèn)識的帝釋天了。”

「私の心は初めから、何も変わっていない?！沟坩嬏欷悉长ρ预盲俊?/p>

“我的心自始至終從未改變。”帝釋天說道。

「どうやら俺が最初からお前のことを勘違いしていたようだ。さらばだ、帝釈天?！?/p>

“那我恐怕是從始至終看錯了你。我們一刀兩斷吧，帝釋天。”

阿修羅は振り返ることなく神殿を後にした。夕日に照らされた彼は、長い長い影を落とした。

阿修羅頭也不回地向殿外走去，夕陽將他的影子拉長。