【日本小5道德】32#友人的命
友の命(友人的命)
作者:村岡 花子(むらおか はなこ)
昔、イタリア半島の南のシチリア島にシラクサと言う國があり、ディオニュシオスと言う、大変疑い深い王様がいました。
(從前,在意大利半島南面的西西里島有個名為錫拉庫薩的國家,該國有個名叫狄奧尼修斯的疑心重的國王。)
正直者のピシアスが、この王様に憎まれて、とうとう、首を切られることになりました。
(老實人皮西亞斯被這個國王所憎恨,終于,國王要砍他的腦袋。)
牢の中のピシアスは、自分がいなくなった後のことを、遠(yuǎn)い故郷にいる家族に、色々話しておきたいと、そればかり考えていました。
(牢中的皮西亞斯總是在想著要把自己死后的很多事告訴在遙遠(yuǎn)的故鄉(xiāng)的家人們。)
ピシアスには、デモンと言う仲の良い友達(dá)がありました。デモンには、ピシアスが今どんなことを考えているか、自分のことのように、よく分かっていました。
(皮西亞斯有一個名叫戴蒙的要好的友人。戴蒙如同自己的事一樣,非常清楚皮西亞斯此刻在考慮著什么。)
(そうだ。僕が身代わりになろう。僕はピシアスと違って、妻も子もない獨り身だ。いくら疑い深い王でも、僕が代わりに牢の中へ入っていると言ったら、ピシアスを故郷へ帰してくれるだろう。)
(對了。我來代替他。我和皮西亞斯不一樣,獨身一人,沒有妻子兒女。就算是疑心再重的國王,我說我來代替皮西亞斯進(jìn)牢中,國王也會讓他回故鄉(xiāng)的吧。)
このような決心をしたデモンは、急いで王様の前へ出ました。
(戴蒙如此下定了決心后,急忙來到了國王的面前。)
「王様、お願いがこざいます。ピシアスを一度うちへ帰して、子供達(dá)に會わせてやってください。あの男は、約束を破ったことは一度もありません。今出していただいても、お仕置きの日までには、きっと戻ってまいります。」
(“國王,我有個請求。請讓皮西亞斯回家一趟,讓他見孩子們。那個男人一次都沒有毀約過。就算現(xiàn)在放他出去,他一定會在處刑日之前回來的?!保?/span>
これを聞いた王様の額には、見る見るうちに青筋が立ってきました。
(國王聞言,額上漸漸暴起青筋。)
「ばかなことを言うな。じきに首を切られる者が、牢から出されて、また戻って來る何て、そんな馬鹿なことがあるか?!?/p>
(“別說蠢話。將馬上就要被砍頭的人放出牢,他怎么可能還會回來?”)
「王様、お言葉を返して恐れ入りますが、ピシアスにかぎって、例えどんな約束でも、決して破るようなことはございません?!?/p>
(“國王,不好意思,只有皮西亞斯絕不會毀任何約定?!保?/span>
「ならん。そんな願いは聞かれぬ。下がれっ?!?/p>
(“不行。我不聽你這請求。退下?!保?/span>
「それでは、王様。私がピシアスの代わりに牢へ入りますから、ちょっとの間、ピシアスを出してやってください。」
(“那么,國王。我代替皮西亞斯進(jìn)牢房,請把他稍微放出一段時間。”)
「フフン。それは面白い。それで、ピシアスが約束の日までに戻らぬ時は?」
(“呵呵。有趣。那么,皮西亞斯到了約定日也還沒回來的時候呢?”)
「無論、私が首を切られます?!?/p>
(“當(dāng)然,就砍我的腦袋。”)
「よし、ますます面白い。お前は、大王ディオニュシオスと、賭けをする気だな。お前が負(fù)けたら、命はないぞ?!?/p>
(“好,越來越有趣了。你是要和大王狄奧尼修斯打賭吧。你輸?shù)脑?,就沒命了。”)
「承知致しました?!?/p>
(“我知道?!保?/span>
そこでピシアスは牢から出されました。そして、デモンが代わって鎖に繋がれました。
(于是皮西亞斯被放出了牢。然后,戴蒙代替他被系上了鎖鏈。)
「デモン君、僕はなんとお禮を言っていいか分からない。すまないが、しばらくの間辛抱してくれたまえ。僕は帰ってくる。きっと帰ってくるよ。」
(“戴蒙。我不知道該怎么感謝你好了。對不起,你稍微忍耐一段時間。我會回來的。一定會回來的?!保?/span>
「分かっているよ。君。ゆっくり行ってきたまえ。ゆっくりとね?!?/p>
(“我知道。你慢慢去吧。慢慢去?!保?/span>
デモンは「ゆっくり」の一言に、妙に力を入れて言いました。
(戴蒙所說的“慢慢”一詞很有力。)
「では、行ってくるよ?!工?、ピシアスは、飛ぶように、故郷を指して急ぎました。
(“那么,我去去就回。”皮西亞斯說道,就飛也似地朝著故鄉(xiāng)回去。)
五日経ち、十日経ち、いよいよピシアスが首を切られると決めてあった日になりました。が、あれほど固い言葉を殘していったピシアスは帰りません。
(五日過去了,十日過去了,終于迎來了皮西亞斯要被斬首的這天。然而,放下那般重話的皮西亞斯沒有回來。)
「世の中には、馬鹿な男もあったものだ?!工取⒗韦我廴诉_(dá)は、デモンを笑いました。
(“世界上還真有傻男人。”獄卒們嘲笑戴蒙道。)
いよいよ、定められた時刻になりました。デモンは牢番に連れられて、首切り臺の下へ來ました。王様は、憎々しい笑いを浮かべて、「デモン、お前の負(fù)けだぞ。うまうまと人に騙されて、二つとない命をなくすお前は、何という馬鹿者だ?!?/p>
(終于,到了定好的時刻。戴蒙被獄卒帶著來到了斬首臺下。國王浮現(xiàn)出了可憎的笑容道:“戴蒙,是你輸了。輕易地就被人騙了,失去了唯一的生命的你多么愚蠢啊。”)
「王様、それはお言葉が過ぎます。ピシアスは、決してそんな男ではございません。きっと帰ってまいります。」
(“國王,言重了。皮西亞斯絕不是這種男人。他一定會回來的。”)
「まだそんな寢言を言っているのか。お前だけがそう思っても、ピシアスは、どこにも見えないではないか?!?/p>
(“你還在說夢話嗎?只有你這么認(rèn)為,然而哪都沒見到皮西亞斯吧?”)
「きっと、船の旅のことですから、風(fēng)の具合でも悪いのでしょう。もう少し、お待ちください。きっと、戻ります?!?/p>
(“一定是因為他乘船,風(fēng)向不好。請再等一會吧。他一定會回來的。”)
「ハハハハ。お前も死ぬのが嫌だと見えるな?!?/p>
(“哈哈哈哈。你也不想死啊。”)
「いえ、王様。私は、ピシアスが遅れて、私が死んでしまうまで、ここへ帰ってこないようにと、願っているのでございます?!?/p>
(“不,國王。我希望皮西亞斯遲到,在我死之前,也不要回到這里。”)
いよいよ時刻になりました。一段、二段、三段と、高い首切り臺を上り詰めて、もうデモンの命は、風(fēng)の前に揺らめく燈火と同じになりました。
(終于到了約定時刻。一階、二階、三階,戴蒙漸漸爬到了高高的斬首臺上,他的命如同是在風(fēng)前搖曳的燈火一樣。)
この時です。遙か向こうから、砂煙を立てて走ってくる人……。
(這時。有個人從遠(yuǎn)處揚著沙塵跑來了……)
「待って。待って。」と叫びながら、息を切らして王様の前へ転がってきたのは、ピシアスです。
(“等等。等等。”皮西亞斯一邊叫著,一邊氣喘吁吁地滾到了國王的面前。)
「風(fēng)が、……風(fēng)が逆になったので、遅くなった……。デモン、さあ、降りて。早く降りて……。」
(“風(fēng)……因為逆風(fēng)了,所以遲到了……戴蒙,快,下來??禳c下來……”)
「ピシアス君、なぜ、もう少し遅れなかったのだ。僕は、君に代わりたかったのに……?!?/p>
(“皮西亞斯,為何你不再遲來一會呢?我想要代替你……”)
人を信じることの出來なかった王様も、この二人の友情にはすっかり感心しました。そして、「何という立派な友達(dá)同士だ。二人とも許してやるぞ。いつまでも幸せに暮らせ。」と言いました。
(即便是無法信任別人的國王,也徹底對這兩人的友情感到欽佩。然后說道:“多么偉大的朋友啊。我原諒你們倆了。你們給我一直幸福地生活下去。”)


