【GPT機翻】戰(zhàn)國小町苦勞譚 (戦國小町苦労譚)- 180 [千五百七十八年 八月中旬]
書名 戰(zhàn)國小町苦勞譚
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作者: 夾竹桃
原作:http://ncode.syosetu.com/n8406bm/
翻譯工具:ChatGPT
*機器輸出的翻譯結果UP未做任何修正,僅供試閱。標題章節(jié)號為原翻譯版的順延。*
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千五百七十八年 八月中旬(*原文網(wǎng)頁序列號 - 204)
朝廷が信長に対して、東國の惣無事(そうぶじ)を任じたことは日ノ本中を駆け巡った。
朝廷任命信長為東國的總無事,并迅速傳遍了整個日本。
この報せを耳にした民たちは、既に『世は織田の時代』と感じているためか大きな動揺もなく受け入れられた。
聽到這個消息的人們似乎已經(jīng)感覺到了“世界已經(jīng)進入了織田時代”,因此沒有太大的動蕩就接受了這個消息。
むしろ、間を置かずに『東國惣無事に関する全権を靜子に與える』との発布されたことの方が世を騒がせることとなる。
相反,發(fā)布“將有關東國總無事委托給靜子處理”的消息,反而將引起軒然大波。
これは戦國時代に於いては異例中の異例となる出來事であり、後継者たる信忠ではなく血族ですらない靜子に計二十五カ國もの統(tǒng)治権限を與えてしまう暴挙だった。
這在戰(zhàn)國時代是一件罕見的事件,就連繼承人信忠都沒有被賦予這樣的權力,而將這樣的統(tǒng)治權力交給了不是血親的靜子,這是一次不合法的行為,甚至顛覆了傳統(tǒng)。
ところが、織田家家中に於いては重鎮(zhèn)を含め殆どの者が順當な采配だと受け入れてしまっている。
然而,在織田家內(nèi)部,包括重要人物在內(nèi)的幾乎所有人都接受了順當?shù)陌才拧?/p>
「近衛(wèi)様とは、それほどの信用に能(あた)う御仁なのでしょうか?」
“近衛(wèi)殿下是否值得如此信任呢?”
「わしが信用を受合ったところで、其方(そなた)は納得しまい。ならば彼女の成した偉業(yè)を自らが調(diào)べるが良い。その上で己が靜子殿と同じことが出來ると言うならば、わしがその機會を用意してやろう。但し、失敗は即ち死を意味することを努々(ゆめゆめ)忘れるでないぞ。其方にその覚悟はあるかな?」
即使我獲得了你的信任,你也不會滿意。那么你可以自己去調(diào)查她所取得的成就。如果你能做到和靜子一樣的事情,我會給你這個機會。但請記住,失敗就意味著死亡。你準備好了嗎?
明智光秀は、己に付き従う年若い近習からの問いに諭すように説いた。もしも靜子が我欲のままに利益を獨占する者であったならば、信長も彼女をここまで重用していなかったであろうと彼は考える。
明智光秀向年輕的助手講解,告誡他們要服從自己。他認為,如果靜子是一個只看重自己利益的人,那么信長也不會如此重用她。
「我らが毛利に対し、いくさを有利に進めていられるのも、靜子殿が軍備手配の一切を請け負って下さっているおかげであろう。もしも彼女が野心溢るる人物であったならば、競爭相手でもある我らに対し斯様(かよう)に便宜を図ってくれるものだろうか?」
我們能夠有利地進行戰(zhàn)斗,也得益于靜子殿負責軍備安排。如果她是一個野心勃勃的人,她會對我們這些競爭對手給予如此便利嗎?
靜子に対して恩義を感じているのは光秀だけでなく、秀吉も同様である。
不僅是光秀,秀吉也感激靜子的恩情。
この二人だけでなく今の織田家を擔う譜代の臣は言うに及ばず、柴田や滝川、丹羽などの有力な將は辛く苦しい時期を共に乗り越えた者たちが抱く共通認識であろう。
不僅是這兩個人,擔任現(xiàn)在織田家的家老大臣們,如柴田、滝川、丹羽等有力將領,都擁有共同的共識,那就是一起度過了艱難的時期。
織田家一強となった最近しか知らない若人にとっては當たり前だと考えているようだが、いくさ場において飢える心配なく飯を食らい、常に整備された武具が支給され、他國を圧倒するほどに潤沢な銃弾を使用できる環(huán)境は、いずれも靜子が長い時間を掛けて築き上げた精髄(せいずい)とも言えるものなのだ。
織田家曾是唯一的勢力,近來的年輕人認為這是理所當然的事,但在戰(zhàn)場上,他們無需擔心饑餓問題,總能得到整備良好的武器裝備,并使用大量的子彈,輕易地壓倒其他國家。這一切都是靜子長期建立的精華。
これほどの偉業(yè)を成したというのに彼女は功を誇ることも無かった。無論、無償で提供していた訳ではなく相応の対価を得ているが、諸將がそれぞれ自前で用意するよりも遙かに安価で高品質(zhì)な物資を提供するため今や織田軍の基盤インフラとさえ言える。
盡管她完成了如此偉大的事業(yè),但她并沒有炫耀功績。當然,她并非以無償方式提供服務,而是獲得了相應的報酬,但是與各個將領自行準備的物資相比,她提供的物資不僅價格更低,而且質(zhì)量更高,現(xiàn)在已經(jīng)成為織田軍的基礎設施。
「いずれにせよ、尾張に近い領土もしくは尾張と関東との延線上に領土を得るのが望ましいだろう」
無論如何,最好獲得靠近尾張的領土或者在尾張與關東地區(qū)之間的延長線上獲得領土。
これが織田家重鎮(zhèn)たちの共通認識であった。今まで尾張一國に封じられていた靜子が、これを契機に東國へと手を広げるのだ。
這是織田家重臣們的共同認識。以前被封印在尾張一國的靜子,由此機緣開始向東國拓展。
今はそれほど価値が無くとも、尾張と関東とを結ぶ街道沿いが栄えるのは目に見えている。東國征伐の褒章として得られる領土に関して、熾烈な駆け引きが始まっていることを靜子だけが知らずにいた。
現(xiàn)在雖然它的價值不高,但可以看到尾張和關東相連的街道沿線正在繁榮。只有靜子不知道在爭奪東國征伐的土地獎勵方面已經(jīng)開始了激烈的競爭。
「これで名実共に関東までの物流を擔う動脈として、鉄道を敷くことが出來るね」
“這樣一來,鐵路可以成為擔負名實雙重責任連接到關東地區(qū)的物流動脈?!?/p>
織田家の重鎮(zhèn)たちが予想していた通り、靜子は東國のインフラ整備に意欲を燃やしていた。陸上での大規(guī)模かつ高速輸送と言えば鉄道は避けて通れない。
像織田家的重量級人物預料的一樣,靜子對于東國的基礎設施建設充滿了熱情。大規(guī)模和高速的陸上運輸當然離不開鐵路。
現(xiàn)時點で鉄道に必要となる基幹技術の開発は済んでおり、街道を整備しつつ並行して軌條を敷設していけば遠からず蒸気機関車が東海道を運航する日が訪れるだろう。
目前鐵路所需的核心技術已經(jīng)開發(fā)完成,只需在修建街道的同時鋪設軌道,很快蒸汽機車就能在東海道上運行了。
しかし、靜子としても直ぐにインフラ整備に取り掛かれるわけではない。その前に信長から任されている仕事を済ませる必要があった。
然而,即使作為靜子,她也不能立刻開始基礎設施建設。她需要先完成由信長交給她的工作。
それは東國に領地を持つ全ての國人に対し、信長に謁見するため安土へと赴いて臣従を誓わせる旨を通達することだ。
通知所有在東國擁有領地的國人,前往安土城拜見信長,并宣誓效忠的意思。
実質(zhì)的には既に信長の支配下と言えるのだが、対外的な儀式として必要な措置である。
事實上,可以說已經(jīng)處于信長的控制下,但這是作為對外儀式必要的措施。
「流石にある程度は準備に時間も必要だよね」
「需要一定的時間來準備?!?/p>
靜子としては各國人達が國許を離れて安土へと向かう準備をする時間を考慮し、回答期限を今年中と定める旨を通達に付け加えていた。
通知中還指出,為考慮到靜子等人,各國人民為前往安土城作好準備所需的時間,將回答期限定在今年年底之前。
因みに、回答が無かった場合にどのような処遇を受けるかは明文化していない。安っぽい脅迫內(nèi)容を沿えるよりも無言の圧力を掛ける方が良いと考えたからだ。
順便說一下,沒有回答的情況下將不明確處理方式。這是因為相比使用廉價的威脅內(nèi)容,施加沉默的壓力更好。
靜子は通達から一月程度で返答が來れば良いと見積っていたのだが、彼女が考えるよりも東國に於ける近衛(wèi)家及び靜子の名聲は強かった。
靜子估計只需要在通知后大約一個月收到回復就可以了,但她發(fā)現(xiàn),在東國,近衛(wèi)家族和靜子的名聲比她想象的要強大得多。
各國人達は可及的速やかに返答すべく奔走することになる。即座に安土詣(もう)での物資調(diào)達を図り、その進捗狀況及び回答出來るおおよその目安を文書で回答してきた。
各國人會盡快地奔波以便回復。立即開始安土參拜物資的采購,同時以文書回復關于進展狀況以及可以回答的大約時間提供大體的指示。
鳴り物入りで東國(とうごく)管領(かんれい)に就任した靜子からの通達だけに各國人達は震えあがり、意図せずして東國のあちこちで混亂を招く。
鳴物入場時,靜子就任了東國管領,并發(fā)布通知。各國人都感到震驚,不自覺地在東部地區(qū)引發(fā)了混亂。
靜子の人となりを知る者ならば禮儀正しく振る舞えば問題ないと判るのだが、苛烈な性格で知られる信長が大抜擢した人物だけに少しの落ち度も許されないと過剰な反応となったのだった。
如果了解靜子的人會知道,只要表現(xiàn)得有禮貌就沒有問題,但是被知道具有殘酷性格的信長所選拔的人就不能容忍任何過失,因此反應過度了。
混亂を招いた當の本人はと言えば、既に一仕事終えた気分で目前に迫りつつある『御馬揃え』の準備に邁進している。
造成混亂的當事人,已經(jīng)完成了一項任務的感覺,正在努力準備眼前即將到來的 ‘御馬排列式’。
関係各所と密に文をやり取りし、その都度明らかになる膨大な物資の調(diào)達や輸送、関連する人物との調(diào)整にとやるべきことは多岐にわたっていた。
與相關各方進行緊密的書信往來,需要協(xié)調(diào)的事項涉及了大量物資的采購和運輸、相關人員的協(xié)調(diào)等多個方面。
それら作業(yè)を分類し、體系立てて手順書として纏め上げながらの作業(yè)に靜子は忙殺されていた。
在分類這些工作并將其整理為流程指南的同時,靜子忙于進行這項工作。
次から次へと仕事が舞い込み、靜子の文機には常に書類が山を為している狀態(tài)なのだが、本人は疲労感など微塵も感じさせず精力的に、むしろ楽しそうに取り組んでいる。
一個接一個的工作不斷地涌來,靜子的桌上堆得整整齊齊的文件成了一座小山,但她本人卻毫不感到疲勞,充滿活力地投入其中,甚至顯得很開心。
「私が作った文書が歴史の一部になるなんて、こんなチャンスは二度と無いかもしれない!」
“我所寫的文檔成為歷史的一部分這樣的機會也許二度不來!”
趣味と実益を最大限発揮できる立場となった靜子は、一連の作業(yè)のお陰で今や誰よりも御馬揃えに詳しい第一人者と言えるようにまでなった。
靜子已經(jīng)成為趣味和實際利益最大化的地位,經(jīng)過一系列工作的努力,她現(xiàn)在已經(jīng)成為比任何人都更了解騎手隊伍的權威人士。
靜子を知る誰もがこれほどまでに溌剌(はつらつ)とした彼女を見たことが無かった。これほどの熱量が何処から生まれてくるのか不思議に思われていた頃、靜子の許へ一通の報告書が屆く。
沒有誰知道靜子,會是這樣一個活力四射的女孩。當大家想知道這種熱情從哪里來的時候,有一份報告被送到了靜子的手中。
それは北條に対する処罰が決まったとの內(nèi)容であった。北條の処遇となれば見過ごすことはできないと思い、靜子は作業(yè)を中斷して報告書に目を通す。
報告指出北條將受到懲罰,對北條的處置不容忽視,靜子中斷工作閱讀了報告。
東國征伐軍は北條を下したことにより大多數(shù)が解散していた。今は信忠が中心となって戦後処理を進めており、その結果を東國管領となった靜子が引き継ぐ手筈となっている。
東國征伐軍在下北條家之后,大部分已經(jīng)解散?,F(xiàn)在信忠正在率領大家繼續(xù)進行戰(zhàn)后處理,處理的結果將會交給東國管領靜子接手。
「氏政と氏照は切腹、氏直は蟄居(ちっきょ)ですか」
"氏政和氏照切腹,氏直蟄居嗎?" translates to "氏政和氏照自刎,氏直則被軟禁嗎?" in Simplified Chinese.
北條の首脳である三人は、揃って自身の切腹と引き換えに配下の將兵に対する助命を請うた。これに対して信忠は、直接的な責任を負う氏政?氏照兄弟に切腹を申し渡し、氏直のみを蟄居とすることを以て決著とした。
北條的三位領袖一起請求赦免他們的將軍和士兵,以自己的切腹為代價。信忠則下令讓負有直接責任的氏政和氏照兄弟切腹,另一位氏直則被軟禁,以此來解決問題。
この結果、史実では切腹している大道寺(だいどうじ)政繁(まさしげ)や松田(まつだ)憲秀(のりひで)らが命を繋ぐこととなった。他にも多くの北條一族や宿老達に対し、即座に家督を譲って出家するよう命じている。
作為結果,歷史上實際上切腹的大道寺政繁和松田憲秀等人得以延續(xù)生命。此外,他還命令許多北條一族和長老立即禪讓家督。
この命を受け、総勢で五十名近い家臣を伴い、氏直は小田原城を出立した。これほどまでに強引な世代交代を図ったのは、北條一族の戦略や戦術、人脈などを後継者に引き継がせないためであった。
在接到這項命令后,氏直帶著近50名家臣離開了小田原城。他如此強硬地進行世代交替,是為了防止北條家的戰(zhàn)略、戰(zhàn)術和人脈等傳承給繼承者。
戦國時代の常として、ある程度は伝えているのだろうが、世代交代までの猶予を無くすことで意図的な斷絶を作り出したのだ。
戰(zhàn)國時代的慣例是,雖然有一定的傳承,但通過消除世代交替的緩沖期來創(chuàng)造故意的斷裂。
こうして小田原に殘ったのは、殆どが北條武者としてのイロハも知らない若年者ばかりとなった。これだけでも反抗する気運を潰している狀態(tài)だが、信忠は更に北條家伝來の家寶や武具の一切合切を沒収した。
在小田原留下的人幾乎都是不知道北條武士的年輕人。這種情況已經(jīng)扼殺了叛亂的氣氛,但信忠進一步?jīng)]收了北條家傳下來的所有家寶和武器。
それは北條家及びその姻族だけに留まらず、家臣たちまでもを?qū)澫螭趣筏繌氐驻筏郡猡韦坤盲?。信忠曰く「服従の証として、進んで供出すべし」と通達し、従わない者は反逆の意図有りとして処罰される。
這不僅限于北條家和其姻親,還涵蓋了家臣們。據(jù)信忠所說,這是一項徹底的措施,他通知所有人作為服從的證明,必須自愿提供。不服從者將被視為有叛亂意圖并受到懲罰。
「そうして供出されたのが、これらになるのですね」
"供出的就是這些東西。"
靜子の目の前には北條家家寶である名物『日光(にっこう)一文字(いちもんじ)』とそれを収める黒漆塗りの葡萄文蒔絵刀箱が鎮(zhèn)座している。
靜子面前擺放著北條家的家寶,名為“日光一文字”,裝在漆黑的葡萄紋漆盒中。
刀剣としては他に備前(びぜん)長船(おさふね)長義(ちょうぎ)作の『山姥(やまんば)切(きり)』、板部岡(いたべおか)江雪斎(こうせつさい)の『江雪(こうせつ)左文字(さもんじ)』が並び、容赦の無い刀狩りが行われていることが窺えた。
在刀的領域中,除了備前長船長義作的“山姥切”和板部岡江雪齋的“江雪左文字”外,還有毫不留情的刀獵可見。
他にも有名どころとして法螺貝(ほらがい)である『北條白貝(ばいがい)』や『吾妻鏡(あづまかがみ)』などが接収されていた。
除此之外,其他著名的物品如法螺貝中的「北條白貝」和「吾妻鏡」也被征收了。
これらの物品は纏めて送れば襲撃される可能性があるため、小分けにして順次靜子の許へと送り屆けるよう信忠が配慮している。
這些物品如果一起寄出可能會引起襲擊,所以信忠考慮分批將它們送到靜子那里。
甲冑などの大物とは異なり、刀や書物などはそこまで大荷物とならないためか、早めに屆いたのであろう。靜子は信忠の心遣いに感謝し、禮狀を認(したた)めると清酒や酒肴と共に送り出した。
與鎧甲等大件物品不同,刀劍、書籍等物品并不那么沉重,因此很快就到了。靜子感謝信忠的關懷,收下禮物并寫了感謝信,隨同清酒和小菜送了出去。
靜子はこれらの品々に対して目録を作成し、保管する手筈を整える。中でも吾妻鏡に関しては史実の通りに散逸しており、殘っている部分についても作者や編纂者の思惑が色濃く反映されているのが見受けられた。
靜子對這些物品制作目錄,并整理妥善保管。其中,尤其是《吾妻鏡》已經(jīng)散失了歷史真相,而且現(xiàn)存的部分也反映了作者和編輯者的強烈意愿。
それでも史料としては一級品であり、鎌倉時代當時の人々がどのような暮らしをしていたかを知れる資料となる。
然而,它作為歷史資料是一流的,可以了解到當時鎌倉時代的人們生活的情況,因此它是一種資料。
「あ、良い事を思いついた!」
"啊,想到了好主意!"
靜子は変則的な文法の漢文で記された吾妻鏡に目を通しながら聲を上げた?,F(xiàn)代に於いても舊家の蔵から歴史的史料が発見されることがあるように、東國にはまだまだ貴重な資料が誰の目にも觸れず眠っている可能性があると彼女は考えた。
靜子一邊閱讀著用變異語法所寫的吾妻鏡,一邊高聲朗讀。她認為,就像現(xiàn)代時期還能從古老家族的儲藏室中發(fā)現(xiàn)歷史文獻一樣,東國地區(qū)也有很多珍貴的資料未得到人們的關注和發(fā)掘。
日の目を見ずに遺失した史料があるかもしれない、そう考えた靜子が取った行動は己の持つ権威と権力を余すことなく活用することであった。
靜子意識到可能有一些失落的史料沒有被公之于眾,她采取的行動是充分利用她自己的權威和權力。
蕓事保護を朝廷より委託されているという権威に、東國管領という立場からの権力を利用し、広く東國の人々に対して歴史的史料を買い取る旨の通達を出したのだ。
他利用其東國管領的職位權力,以朝廷委托其保護文藝事業(yè)的權威,發(fā)布了一項通知,向東國廣大民眾購買歷史文獻。
一般的に価値があるとされる金銀財寶でも土地でも茶器ですらない古臭い文や書物、下手をすれば落書きにしか見えないような書きつけまでをも買い取るとの御觸れに東國の人々が困惑したのは言うまでもない。
通常被認為有價值的金銀財寶、土地甚至茶具都不如,人們因為官方公告稱愿意收購古老陳舊的文物、書籍,甚至可能只是涂鴉而已,讓東國的人們感到困惑,這是不言而喻的。
それでも小田原征伐時の恐怖が色濃く殘っている東國では、今後赴任してくるであろう為政者に対して媚を売るべく、各地に眠っていた公文書は勿論のこと、私文書や寫本、果ては誰が書いたともしれない日記までもが靜子の許へと送られた。
在東國,盡管小田原征伐已經(jīng)過去了,但是恐懼仍然深深地根植于人們的心中。為了討好即將來任的政治家,各地的公文書、私人信件、手抄本甚至可能是日記等都被送到了靜子的手中。
「権力や財力とはこういう時に使うのよ」
“這就是當運用權力和財力時的情況?!?/p>
堆(うずたか)く積まれた歴史的史料を前に靜子はすっかりご満悅の様子だった。ただし、それらに価値があると思っているのは靜子だけであり、周囲は相変わらずゴミを有難がる変人だと思っている。
面對堆積如山的歷史資料,靜子看起來很滿足。但是只有靜子認為這些資料很有價值,周圍的人仍然認為她是一個珍惜垃圾的怪人。
「相変わらず靜っちは、変な時に力を振るうよな」
「一如既往地沉默寡言,卻總在奇怪的時候發(fā)揮力量」
「言うな、あいつにはあのゴミが寶に見えているんだろうよ。誰が書いたとも知れぬ領主への悪口の歌ですら、あ奴には保護するに足りうるものらしい」
“別說了,對那個人來說,那個垃圾可能是寶藏。甚至是那些攻擊領主的無名之輩寫的惡意歌曲,在他眼中也值得保護?!?/p>
「手當たり次第購入しているが、あの様子では相當數(shù)偽物も紛れ込んでいよう……それらを精査したところで、殘るのは大金を叩(はた)いた落書き……」
「我買了很多東西,但是看那情況下,相當數(shù)量應該摻雜著假貨......就算檢查過那些假貨,剩下的也只是花了大筆錢買來的涂鴉?!?/p>
長年の付き合いとなる慶次や長可でさえも、靜子の歴史的史料蒐集癖には全く理解が及ばなかった。
長年來與景次和長可的交往,也完全無法理解靜子對歷史文獻收集的癖好。
刀の蒐集については信長をはじめ、上杉謙信なども數(shù)寄者として有名であるため理解できる。焚きつけになるかすら怪しい襤褸切(ぼろき)れや、保存狀態(tài)が悪く蟲が食った日記ですらも目を輝かせるのは靜子ぐらいであろう。
刀的收集方面,信長和上杉謙信等富豪也因為是數(shù)寄者而有名,因此可以理解。就算是燒柴也能打發(fā)的破爛刀片和保存狀態(tài)不良被蟲子吃掉的日記,也只有靜子會眼前一亮了。
彼女のこうした奇行は今回が初めてという訳ではなく、今までにも繰り返し行っている。その為か、史実では歴史の闇に葬られた書物が原本は靜子の蔵へ、寫本が靜子の図書館に蔵書として保管されている。この事に喜ぶのは、靜子本人と後世に於いてそれを発見できた歴史研究家だけであろう。
她這樣的奇行并不是第一次,而且過去也經(jīng)常發(fā)生。因此,在歷史上被掩埋的書籍的原本,現(xiàn)在保存在靜子的藏書庫中,靜子的圖書館則保存著這些書的抄本。對此感到高興的只有靜子本人和后來能夠發(fā)現(xiàn)它的歷史研究家。
「だた、あれをしている間だけは靜っちの仕事病が収まるんだよなあ」
“只有在那個時候,靜っち的工作癮才會消退?!?/p>
家人たちが靜子の奇行を由(よし)としているのは、蒐集に熱中している間だけはワーカホリックが鳴りを潛めるからであった。
家人們認為靜子的奇行是由于她沉迷于收集而不顧家庭,導致工作狂得到了緩解。
信長が靜子に東國の管理を任せたのは、絶対に裏切らない能臣であるということもあるが、他にも理由があった。
信長之所以把東國的管理任務交給靜子,不僅是因為他是絕對不會背叛的忠臣,還有其他原因。
それは信長に與えられた東國の惣無事令自體が、とある人物が描いた策略であったためだ。
那是因為賜予信長東國的總無事令本身就是某人所繪制的策略。
靜子から信長を通して朝廷に働きかけ、勅令という形で得られた東國惣無事令だが、これに便乗する形で謀略を案じた者がいた。
靜子通過信長向朝廷施壓,獲得了東國總無事令的勅令形式,但也有人利用這個機會策劃了陰謀。
信長が東國惣無事に掛かりきりになれば、京や西國に関する注意が散漫となり、己の失地回復をする余裕が生まれると考えて根回しの後押しさえした。
如果信長全心全意地投入到東國惣的平定工作中,那么對京都和西國的警惕就會減弱,人們就會有時間來奪回自己失去的土地。所以他加強了根部的支持。
しかし、信長の機転により己の行動を悔やむこととなる。
然而,由于信長的機智,他開始后悔自己的行為。
「これは一體どういうことなのじゃ??!」
"這到底是什么意思?。。?#34;
京から屆いた文を床に叩きつけて憤慨しているのは、未だに諦めの悪い義昭であった。彼は様々なところに身を寄せながら流れ続け、今は足利將軍家にとって由緒ある備後國(びんごのくに)は鞆(とも)へと動座していた。
京城收到的文書被義昭砸在地上,他仍然不能放棄,感到非常惱火。他流浪到不同的地方,現(xiàn)在作為足利將軍家的一員,居住在歷史悠久的備後國鞆。
そこは、かつて義昭と同じように京を追われた足利義稙(よしたね)が將軍職へと返り咲いた吉兆の地でもあった。
那里曾經(jīng)是足利義稙像義昭一樣被追逐離開京都,但最終重回將軍職位的吉兆之地。
この地に於いて幕府復興と信長討伐の御內(nèi)書を懲りずに出していた義昭は、以前靜子を狙ったがために兄である足満から命にかかわる折檻(せっかん)を受けることとなり、それ以降は靜子の名前を口に出すことすら避けていた。
在這里,義昭因發(fā)布了幕府復興和信長討伐的命令而引起了足滿的懲罰。此前,他曾對靜子抱有非分之想。自那以后,他甚至避免提及靜子的名字。
「どのように仰られようと、東國の惣無事は近衛(wèi)……ゴホン。尾張三位殿が右府(うふ)殿(右大臣のこと、この場合信長を指す)より全権委任されておりまする」
“不管怎樣稱呼,東國總無事還是由近衛(wèi)……咳咳。尾張三位殿已經(jīng)全權委任于右府殿(在此指信長)?!?/p>
頭から湯気でも出る勢いで憤慨する義昭だが、それに対する恵瓊(えけい)は顔色一つ変えなかった。尚、彼が靜子の名前を言い淀んだのは、義昭がトラウマから発作の前兆を見せたからであった。
義昭憤怒到滿頭大汗,但恵瓊卻面色不變。此外,他在提到靜子的名字時停頓是因為義昭出現(xiàn)了癲癇前兆。
義昭は足満から受けた拷問にも等しい折檻の後遺癥として、靜子の名前を聞くだけで動悸が激しくなって息切れを起こし、猛烈な恐怖から冷や汗が止まらなくなるのだ。
義昭在受到來自足滿的折磨、痛苦的后遺癥中,一聽到靜子的名字就開始心悸、呼吸急促,由于極度的恐懼而出汗止不住。
現(xiàn)代であれば病院にて心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診斷されるであろう癥狀を呈していた。
現(xiàn)代情況下,他呈現(xiàn)出類似心理創(chuàng)傷后應激障礙(PTSD)的癥狀,如果在醫(yī)院經(jīng)過診斷可能會確診。
「だだだ、だから??! どうして、そ、そ、それが通るのじゃ??? お主の話では、憎き信長めを東國に縛り付けられるはずではなかったのか???」
“怎么,怎么,為什么這個能過?你不是說信長會被拘留在東國嗎?” - Simplified Chinese
「右府殿もそれを知り、敢えて尾張三位殿にお任せされたのでしょう。何せ彼女は右府殿の信任も厚く、常に求められた以上の結果を出し続けておられますゆえ」
“右府殿也知道這一點,所以故意讓她承擔尾張三位殿的任務。畢竟她備受右府殿信任,并且一直在超越所需而給出卓越的成果?!?/p>
「敵を褒めてどうする!」
「贊美敵人有什么用!」
「たとえ敵であろうとも、有能な者は正當に評価すべきでしょう。敵であるからと言って蔑(さげす)み、軽んじたところで得られるものは己の虛栄心のみ。何より……いえ、何でもござりませぬ」
即使是敵人,也應該正當?shù)卦u價有能力的人。蔑視和輕視敵人只會滿足自己的虛榮心。最重要的是...不,沒有任何重要的事情。
狼狽(ろうばい)する義昭を一瞥(いちべつ)した後、恵瓊は口の端に出掛かった言葉を飲み込んだ。腐っても足利將軍家の義昭だが、恵瓊にとって彼は最早疫病神でしかなかった。
狼狽的義昭被一瞥后,恵瓊咽下了嘴角要說的話。盡管是足利將軍家的義昭,但對恵瓊來說,他已成了禍害。
元々、恵瓊としては義昭が西國に來ること自體に否定的であった。紆余曲折の末に鞆へと下向した義昭は、恵瓊が懸念した通りの失態(tài)を演じる。
原本作為恵瓊的她對義昭前來西國持否定態(tài)度。義昭歷經(jīng)波折最終下向鞆,按照恵瓊的擔憂,他確實犯下了失誤。
毛利家を頼って身を寄せていながら、その毛利に一言の相談もなく鞆にて幕府の樹立を宣言したのだ。これには毛利輝元をはじめ、毛利家が対応に苦慮することとなる。
依靠毛利家生活卻毫不征求毛利的意見,于鞆宣布了幕府的建立。這使得毛利輝元等毛利家成員備感棘手。
この騒動の後も、義昭の問題行動は収まらず、結局毛利は織田に対して敵対することとなっている。恵瓊は織田と対立する理由の一つであった宇喜多(うきた)と斷交し、織田との和解を許可するよう申し入れたが受け入れられることは無かった。
在這場騷動之后,義昭的問題行動沒有停止,最終毛利和織田成為敵對關系。恵瓊與宇喜多斷交是與織田對立的原因之一,她請求允許與織田和解,但未獲接受。
(毛利はかつてない窮地に立っている。副將軍などと僭稱(せんしょう)したところで虛しいだけよ)
(毛利正處于前所未有的困境中。即使稱自己為副將軍等虛銜,也只是徒勞無功而已。)
義昭を擁護した輝元は、義昭から副將軍に任じられ、毛利軍は公儀の軍として西國に於ける盟主であると嘯(うそぶ)いた。義昭自身が既に征夷大將軍の職を返上しており、彼に副將軍を任命する権限など有りはしないため、その肩書が織田とのいくさに於いて優(yōu)位に働くことは無かった。
支持義昭的輝元被任命為副將軍,毛利軍號稱是在西國擁有官方軍隊的盟主。然而,義昭已經(jīng)放棄了征夷大將軍的職位,他根本沒有權力任命副將軍,所以這個頭銜在與織田軍對戰(zhàn)中是毫無優(yōu)勢的。
信長の西國攻め初期に於いては劣勢に甘んじた織田軍だが、負け続きながらも毛利の戦略?戦術を?qū)Wびつつあった。そして一年も経つ頃には毛利の弱點を突いて反撃に転ずるまでとなっていた。
在信長攻打西國的初期,織田軍處于劣勢。盡管連續(xù)失敗,但他們正在學習毛利的戰(zhàn)略和戰(zhàn)術。大約一年后,他們成功利用毛利的弱點發(fā)起了反擊。
秀吉が鳥取城を落とした頃には、狀況はすっかり一転して毛利軍は防戦一方となっている。
當秀吉攻下鳥取城時,形勢已經(jīng)完全逆轉,毛利軍已成為唯一防守方。
「それでは、どうすれば良いのじゃ!」
“那么,該怎么辦呢!”
「どうするも何も、東國に関してはこれ以上手を打ちようがありませぬ。相手は近衛(wèi)家の人間、表立って害すれば織田家だけでなく朝廷までをも敵に回しまする?,F(xiàn)近衛(wèi)家當主が尾張三位殿を己が嫡男より可愛がっているのはご存じでしょう?」
“對于東國,我們已經(jīng)沒有手段可以采取了。對方是近衛(wèi)家的人,如果公開對其造成傷害,不僅會招致織田家的敵意,甚至還會得罪朝廷。你應該知道,現(xiàn)任近衛(wèi)家當主比起自己的嫡長子更加寵愛尾張三位大人?!?/p>
「ぐぐぐっ!」
「ぐぐぐっ!」翻譯成簡體中文是「咕咕咕!」。
関白である近衛(wèi)前久は、朝廷に於いて他の追隨を許さない巨大勢力を築き上げていた。もはや五摂家の殘り四家が結託して反旗を翻したところで勝負にならない程の権勢を得ている。
關白近衛(wèi)前久在朝廷中建立了無可匹敵的巨大勢力。即使剩下的五攝家四家聯(lián)合起來翻起了叛逆的旗幟也難以與他相抗衡。
そんな名実ともに五摂家筆頭となった近衛(wèi)家當主である前久が、嫡男である信伊(のぶただ)を差し置いて溺愛しているのが靜子なのだ。
在名義上和實際上成為五攝家首領的近衛(wèi)家當主前久之中,靜子是忠于其且放縱寵愛比起長子信伊的女兒。
それは靜子との約束ならば、朝廷の有力者との會談であろうとも後回しにする程である。また靜子を自由に行動させていることからも、溺愛ぶりが窺える。
如果那是與靜子的約定,即使是與朝廷有權勢者的會談也可以拖延。從讓靜子自由活動的事情來看,可以看出他非常溺愛她。
かといって靜子の存在が近衛(wèi)家の急所となるかと言われれば否であり、むしろ近衛(wèi)家の武を擔っているとさえ言える。
然而,如果說靜子的存在成為近衛(wèi)家的弱點,那并不是這樣,相反,她甚至可以說是近衛(wèi)家的武器。
前久を護衛(wèi)する兵は、靜子直屬の兵から精鋭が選抜されており、また近衛(wèi)邸周辺及び靜子の私邸は靜子軍の兵が常に警護している。二條城及び、信長が京に滯在中に良く利用する本能寺が近いと理由付けされているが、見回りをしている範囲はそれだけに留まらない。上京全體を警戒しているのだろうと恵瓊は考えていた。
保護前久的士兵是由靜子直屬的精兵所挑選,而且近衛(wèi)邸周邊以及靜子的私邸一直由靜子軍的士兵進行警衛(wèi)。雖然理由是二條城和信長在京都期間經(jīng)常使用的本能寺很近,但巡視的范圍并不僅限于此。恵瓊認為他們正在警惕整個京都地區(qū)。
「な、ならば信長めが天下を摑むのを黙って見ておれと申すのか?。俊?/p>
“那么,你是讓我默默地看著信長掌握天下嗎?”
「……冷靜になってお考え下さい。東國の覇者たる北條ですら敗北を喫したのです」
請冷靜思考。即使是東國的霸主北條也遭受了失敗。
「それは知っておる!」
“那我知道!”
「しかし、東國は未だ織田の支配が淺い狀態(tài)。ゆえにこそ織田は暫く東國支配に掛かり切りになると思われておりました。ところが、蓋を開ければ大役を尾張三位殿に任せ、右府殿は安土に留まっておいでです。これが何を意味するか、既にお分かりでしょう?」
然而,東國仍然沒有深入織田的控制。因此,人們認為織田將致力于控制東國一段時間。但是,當事實揭開面紗時,織田將偉大的使命交給了尾張三位殿,并讓右府領主留在安土。您可能已經(jīng)明白這意味著什么了。
「むう……」
"嗯……"
悔し気に唸る義昭だが、恵瓊は彼が狀況を理解していないことを察した。余りの暗愚さにため息が漏れそうになるが、すんでのところで堪(こら)える。
義昭咆哮著表達他的懊悔,但惠音意識到他沒有理解情況。她差點因過于愚蠢而嘆息,但最終還是忍住了。
「織田家の中で最も革新的な尾張三位殿を東國に追いやることは出來ました。しかし、彼女以外の家臣たちは東國より帰還すれば西國攻めに加わることを意味します。今は羽柴だけですが、後詰めが加わることになれば……果たして毛利が全力を以てしても勝利は危ういかと」
「在織田家族中,我們已成功將最具革新精神的尾張三位殿逐出東國。不過,除了她以外的家臣們?nèi)羰菑臇|國歸來,意味著我們將加入西國進攻。雖然現(xiàn)在只有羽柴一軍,但如果接下來有援軍的話……即便是毛利全力出擊,勝利也不保險。」
心中では答えが出ていても、流石に口に出すことは無かった。しかし、どれだけ甘く見積もったところで、毛利に勝ち目が無いと恵瓊は悟っていた。
雖然心里已經(jīng)有了答案,但恵瓊還是沒敢說出口。然而,無論她怎么樂觀估計,她都知道自己沒有在毛利那里獲勝的機會。
羽柴軍だけですら持て余す現(xiàn)狀に於いて、明智や柴田等の軍が加わればどうなるかなど日の目を見るより明らかであった。
在只有羽柴軍難以應對的情況下,明智和柴田等軍隊的加入會更加明顯。
考えたくは無いが、いくさは凄慘な狩場へと変ずるであろう。否、音に聞こえた延暦寺のように虐殺される恐れすらある。
不想思考,但戰(zhàn)爭將變成可怕的屠場。甚至可能像聞聲而來的延坡寺一樣被屠殺。
「事がここに至っては……」
「事情已經(jīng)發(fā)展到這一步了……」
最後まで言い終えることなく恵瓊は一禮して部屋を後にした。唐突な行動に呆然となった義昭だが、やがて怒りに顔を染める。
最后恵瓊鞠躬后離開房間,未能說完的話讓義昭感到震驚,但很快他就憤怒地臉紅了。
「條件が良いうちに和睦をすべきです」
"應該在條件好的時候和解"
ゆえに恵瓊が最後に呟いた言葉が彼に屆くことは無かった。
因此,惠瓊呢最后一句喃喃自語的話并沒有傳達給他。
信長は地図を見て満面の笑みを浮かべていた。彼の支配地はいまや日ノ本の三分の二にも及ぶ。殘るは中國地方と九州のみであり、それすらも時間の問題と言えた。
信長看著地圖,露出滿面的微笑。他的統(tǒng)治領地已經(jīng)占據(jù)了日本三分之二的領土。剩下的只有中國地區(qū)和九州,甚至這也只是時間問題。
「しかし、大膽なことをされましたな」
“然而,你做了一件大膽的事情?!?in Simplified Chinese.
信長の隣に並ぶ森可成が穏やかな表情で呟いた。彼の言う大膽なこととは支配地の実に半分以上を靜子に統(tǒng)治するよう命じたことであった。
信長旁邊的森可成平靜地低聲說道。他所說的膽大之事就是命令靜子統(tǒng)治超過一半的領地。
通常であればそれほどの領土を血族でもない者に與えるなどあり得ない話なのだ。
通常情況下,將如此大的領土賦予不屬于血族的人是不可能的事情。
「喧(かまびす)しい口を叩く奴は多くいたが、靜子が尾張だけ(??)を統(tǒng)治して何年になると問うと、黙りおったわ」
“有許多人大言不慚,然而當有人問靜子已經(jīng)統(tǒng)治尾張多少年時,那些人就閉口不言了?!?/p>
「ははは。あれだけの功績を積み上げても、領地を欲することすらせぬお人ですゆえ」
“哈哈哈。即使積累了那么多功勛,仍不渴望領地的人?!?/p>
「先だっては代わりに仕事を寄越せと言うてきたぞ? 全く困った奴じゃ」
“之前他說讓我代替他工作,真是個麻煩的人?!?/p>
「昔から勤勉すぎるきらいはありましたが、それが習い性になっているのでしょう。流石に上様が天下統(tǒng)一なされれば、落ち著くでしょう」
「從前就有勤奮過頭的習慣,但這已成為我習慣。如果真的是上將大人統(tǒng)一天下的話,我會平靜下來的。」
「心にもないことを言うでない。そういう事はわしの目を見て言わんか」
“不要說心里想不到的話。這種事情還是不要看著我說吧?!?/p>
仮に天下統(tǒng)一が成ったとして、信長は勿論、可成でさえも靜子が仕事をしていない姿を想像できなかった。
假如天下統(tǒng)一成為現(xiàn)實,信長當然無疑會,就連可成和靜子也無法想象他們不在工作中的情形。
「ま、まあ彼女はモノ作りを好みますれば……」
"嗯,如果她喜歡制作東西的話……"
「ならば東國は奴にとって楽しい遊び場となろう。何しろやれることは山ほどある」
如果那樣的話,東國將成為他的樂園。畢竟有很多事情可以做。
「確かに。この前お會いした折には、東の京を作り上げると息巻いておられました」
“確實。上次我們碰面時,他充滿激情地說要建立起東京?!?/p>
「何でも鉄で出來た馬を走らせると言うておったぞ。これからの東國が楽しみでならぬわ」
“據(jù)說有人說要放一匹全是鐵打造的馬奔跑,未來東國可真讓人期待啊?!?/p>
信長の欲するところは現(xiàn)狀維持ではない。新しい織田の世を作り上げることであり、革新的な統(tǒng)治を行うことに於いて靜子の右に出る者はいない。
信長所追求的不是現(xiàn)狀維持。而是要創(chuàng)建一個全新的織田時代,并在靜子實行革新性治理方面無人能及。
とは言え、靜子は古いものごとを舊弊だからと切り捨てて新しいものごとで塗り替えることはしない。古くても良いものは殘し、悪しきものは新しい仕組みへと切り替える。
然而,靜子并不會因為古老的東西被視為舊的而將其丟棄,然后用新的東西涂抹。她會保留好的古老物品,將不良的東西切換到新的系統(tǒng)中。
これが出來るからこそ東國一帯を任せるという大役を與えたのだ。何よりも靜子はその地に住まう人々の生活を底上げすることを楽しんで行う傾向があった。
正因為她能做到這一點,才被賦予了托管整個東國地區(qū)的重要任務。靜子最喜歡的是提高那里居民的生活水平。
「尾張は東國隨一の國として栄えているが、それを見て靜子が語ったのは『富が一極集中するのは宜しくない』だった。凡人ならば己が富む狀況を憂うものはいない。あ奴だけはその狀態(tài)を危険だと斷ずるのだ」
“尾張是東國最繁榮的國家之一,但靜子說過:“財富的極度集中是不好的?!逼胀ㄈ瞬粫淖约旱呢敻粻顩r,只有她才會認為那種狀況是危險的?!?/p>
「上様の目論み通りといったところでしょうか」
"這是符合您的計劃的吧"
「うむ。奴は銭のことをわし以上に知悉(ちしつ)しておる。ゆえにこそ、富が一か所に集中した際に何が起こるかを予見し得るのだろう。しかし、奴には欲が無いゆえにそれが予見でき、またそれゆえに銭を使うのが下手だ」
「嗯,他比我更了解金錢。因此他能夠預見當財富集中于一處時會發(fā)生什么。然而,他沒有貪欲,因此能夠預見,但也因此不擅長使用金錢?!?/p>
金はしばしば血液にたとえられる。血液が體全體を巡らずに、一か所に留まればどうなるのかは自明だろう。だからこそ、靜子は私財を投じて開発を促すのだ。
金常被比作血液。如果血液不能在身體內(nèi)循環(huán)而停留在一個地方,其后果就是顯而易見的。因此,靜子投入自己的財產(chǎn)以促進開發(fā)。
過去には私財を公費に組み込もうと畫策したが、彩を筆頭に金を預かる者達から「公私混同」と斷ぜられ、何かと事業(yè)を興しては投資をするよう対応している。
過去我曾經(jīng)試圖將個人財產(chǎn)合并到公共資金中,但是被擔任主管的彩和負責資金管理的其他人指出“公私混合”的問題。因此,我采取了投資企業(yè)的方式。
「確かに。そもそもあれほどの財を成せば、某(それがし)とていくさ以外で使い道が思いつきませぬ」
“確實。畢竟一旦擁有了那么多的財富,我除了戰(zhàn)爭之外想不到其他用途了。”
「相も変わらずちぐはぐな奴よ。大金を前にしても自らを律する強靭な心を持っていながら、むしろ金を使わねばならぬ立場となれば持て余す」
「舊習難改的人啊。明明有著能自我約束的堅強心靈,但一旦成為必須要花錢的人,反而無法控制自己?!?/p>
「元より奢侈(しゃし)に興味を持たれませぬし、一般に女人が好まれる華美な裝いや裝飾も送り出す側であり、ご自分が著飾られることは稀ですしな。南蠻より仕入れていた獣も、今や民たちの憩いの場となっております」
“她本來就對奢侈沒有興趣,通常女性喜歡的華美裝扮和裝飾都是由送禮者準備的,她很少會自己打扮。那些從南洋進口的動物也已經(jīng)成為民眾的休閑場所?!?/p>
ドードー鳥やオオウミガラス、ウミベミンクなど、靜子の時代では絶滅してしまった動物たちも、戦國時代ならば生きている可能性があると考えた靜子は、ワシントン條約など欠片も存在しないことを良いことに日本へと持ち込んだ。
靜子認為,在戰(zhàn)國時代,像渡渡鳥、黑海鴉、海月蟲等在她的時代已經(jīng)滅絕的動物,可能仍然存在。她利用華盛頓公約等像這樣的法令不存在的時機,將這些動物帶回了日本。
流石に風土病などまで持ち込まれては困るため、最初の世代が次代を産むと親子を隔離して飼育するという苦渋の決斷を下している。こうして親が持つ病気などが子に移らないようにし、これを何度か繰り返して病気が蔓延しないよう手を打った。
為了避免引入風土病等問題,第一代被隔離飼養(yǎng),直到他們繁殖下一代后才能與他們相遇。為了確保父母不傳染疾病給孩子,這一決定被反復執(zhí)行,以防止疾病傳播。
そうして手に入れた動物たちのうち、日本での生活に適合できた動物たちは自身の管理する動物園に入れ、今では定期的に一般公開しながら飼育を重ねている。
而那些適合在日本生活的動物,則被帶回飼養(yǎng)員自己管理的動物園,并經(jīng)過重重飼養(yǎng),現(xiàn)在定期向公眾開放展出。
勿論、気候や食性故に繁殖でき無かった動物も多くいる。それでも飼育の記録を殘し、少しでも情報を後世に伝えられるように盡力していた。
當然,由于氣候和飲食習慣的原因,存在許多未能繁殖的動物。但是,我們?nèi)耘τ涗涳曫B(yǎng)信息,以便將來可以傳遞更多信息。
これらの動物飼育には信長からしても結構な費用が掛かっており、一般公開して多少なりとも収益を上げているものの赤字を垂れ流している現(xiàn)狀だ。
這些動物的飼養(yǎng)成本相當高,即使是信長也要花費不少。盡管向公眾開放并獲得了一些收入,但目前仍處于赤字狀態(tài)。
「南蠻と言えば、最近ではとある技術(?????)を持つ奴隷がいないかと南蠻人に尋ねておられましたな。確か……きぃぷなにがしかと申されておりましたが」
“說到南蠻,最近有人向南蠻人詢問是否有掌握某種技術的奴隸。我記得他們說……好像是叫做‘基普納尼’之類的名字?!?/p>
「またぞろ奇怪なことを企んでおるな。構わん、どうせ趣味を満喫するためであろう」
"你又在謀劃奇怪的事情了。沒關系,反正你肯定是出于興趣才這么做的。"
靜子が海外と結託して何かを企むという考えは、信長には無かった。そして靜子も奴隷を欲しているわけではなく、ヨーロッパ人に目的の人物を捜させるには、奴隷しか選択肢が無いからである。
靜子與海外勾結、策劃某事這樣的想法,并不存在于信長的心中。此外,靜子也并非渴望擁有奴隸,只是因為在歐洲,奴隸是尋找目標人物的唯一選擇。
「いえ、その事は心配しておりませぬ。某が懸念しているのは、ただでさえ忙しいのに更に仕事を増やしそうな気がしておりまして……」
“不,我不擔心那件事。我擔心的是,雖然已經(jīng)很忙,但我感覺工作會變得更多......”
「……何か対策を考えておく」
"考慮一些對策" (Kǎolǜ yīxiē duìcè)
謀叛(むほん)の恐れはまるでないが、仕事量に関しては外野が配慮しないと無理をし過ぎる靜子に、信長はため息を吐いた。
雖然沒有叛變的危險,但信長對靜子過度勞累的工作量感到不滿,希望外部團隊能夠更加關注這一點。