陰陽師阿修羅 繪卷第一章:深淵(中日雙語整理)
深淵
盡きることのない闇、底見えぬ地獄、ここは天域の底にある深淵の獄。
無盡的黑暗,深不見底的地獄,這里是天域最底層的深淵之獄。
深淵に追放された悪鬼と罪人、そして原生の魔神たちは、ここで未來永劫続く殺戮を繰り返すことしかできない。
被丟進深淵的惡鬼和罪人,以及原本就生息于此的眾魔神,只能永遠在這里持續(xù)不斷地殺戮,
肉體は幾度も滅びたが、魂が死ぬことはない。
深陷于肉身不斷被毀滅的痛苦之中,靈魂卻無法死去。
伝説の闘神阿修羅も深淵の奧深くに封印されている。
傳說中的戰(zhàn)神阿修羅就被封印于深淵的最深處。
目覚めた時、阿修羅は深淵の一番奧の結(jié)界の牢獄に閉じ込められ、霊神體も幾重にも重なる鎖で縛られていた。肉體は自由に動けるが、この牢獄を出ることは葉わない。との力を橫取りしたい深淵の悪鬼は、彼を食らい盡そうと結(jié)界に侵入するたびに、阿修羅に素手で八つ裂きされてしまう。
阿修羅醒來時,就在這深淵最深處的結(jié)界牢籠之中,重重鎖鏈將他的靈神體束縛。他雖然肉身行動自如,卻無法離開這座牢籠。深淵中的惡鬼覬覦戰(zhàn)神之力,想將他分食,然而每當闖入結(jié)界,又被阿修羅徒手撕成碎片。
月日が流れ、牢獄には死體の山が出來上がり、やがて骸骨に埋め盡くされた牢獄には足の踏み場もなくなった。開き直った阿修羅は殺した魔神の頭蓋骨を椅子代わりにして、いつもそこで瞑想している。
天長日久,牢籠之中尸骸遍地,層層疊疊布滿了惡鬼骸骨,再也無處落腳。阿修羅索性將所斬殺的魔神頭骨作為座椅,終日坐在頭顱上閉目養(yǎng)神。
肉體は靜かに座っているが、霊神體は阿修羅の本能とも言える殺意を顕にした。六本の觸手は獰猛な獣の如く足掻き続け、結(jié)界の外に向かって結(jié)界を突き破り、外から中の様子を覗く悪鬼達を切り裂いて喰らいつくし、思う存分暴れようとしている。しかし觸手は結(jié)界の力には抗えない。結(jié)界を越えるたびに、觸手は魔神に喰われてしまう。
縱使肉身靜坐,靈神體卻難掩阿修羅心中本能的殺欲,六條觸手如同六頭惡獸,不斷掙扎著,朝著結(jié)界邊緣伸展,意欲沖破結(jié)界,將結(jié)界外窺視的惡鬼們撕碎、吞食,好好地快意一場。然而觸手被結(jié)界死死壓制,每當伸出結(jié)界,反而被魔神們當作美食啃噬。
しかし、阿修羅の強すぎる力のせいで、翌日になると、喰われた霊神體は再生し、また結(jié)界の外に出ようと試みる。それを何度も繰り返している。魔神達は阿修羅には敵わないと悟ったのか、牢獄の周りを彷徨い、その觸手を喰いながら、かつての英雄を嘲笑う。
即使如此,因阿修羅強大的力量,到了第二日,被殘食的靈神體又會恢復如初,再次探向結(jié)界的邊緣,周而復始。魔神們心知不是阿修羅的對手,干脆在牢籠外徘徊,以阿修羅的觸手為食,一邊嘲諷昔日的英雄。
「かつての闘神とやらを見てみろ、何という無様な姿だ??工Δ长趣撕韦我馕钉ⅳ耄拷Y(jié)局、我々と同じ羽目になっちまったじゃねえか。」
“看著曾經(jīng)的戰(zhàn)神,如今是多么可悲的樣子。即使再抗爭又如何?到頭來,也不過落得與我們?yōu)槲榈南聢?。?/p>
「やつは天人を鬼族から守ったが、最後は悪鬼の巣窟に蹴落とされたんだ。」
“他一手將天人從鬼族的手里救出來,卻被一腳踢進了惡鬼的巢穴?!?/p>
魔神達は闇の中で哄笑した。「こいつは端から闘神なんかじゃねえ、最後まで、帝釈天に利用されていただけだ?!?/p>
魔神們在黑暗中大笑?!斑@家伙根本就不是什么戰(zhàn)神,自始至終,都不過是在被帝釋天利用罷了?!?/p>
「所詮やつは帝釈天の手駒に過ぎん?!?/p>
“他不過就是帝釋天的一顆墊腳石。”
帝釈天の名前を聞くと、阿修羅は急に目を見張り、無慈悲に外にいる魔神を見據(jù)えた、すると、魔神達は突然黙り込み、息を殺して彼の反応を窺い始めた??植坤藨椁襁_は彼を畏れ、一目散に逃げる。ただ一體だけ、帝釈天の名前を口にした魔神は、途中で阿修羅に呼び止められた。
聽到“帝釋天”三個字時,阿修羅突然睜開了雙眼,冷冷看向牢籠外的魔神,魔神們頓時噤聲,屏息凝神地等他動作。眾魔神嚇得面無顏色,恐他發(fā)怒,急忙四下逃散。唯獨那個提及帝釋天的,跑到半路被阿修羅喝住。
「二度とやつの名前を口に出すな、分かったか。」
“不要提那家伙的名字,懂了么。”
恐怖にとらわれた魔神の耳には、高く遠くに座る阿修羅の聲がちゃんと屆いた。おかげで魔神はより一層怖くなった。その言葉の意味を理解したかすら怪しく思った阿修羅は、不満気に言葉を吐き捨てた?!笇gにつまらん?!?/p>
魔神早已被震懾得渾渾噩噩,只覺得阿修羅雖坐得高高在上,聲音卻猶如在耳邊低語,更是嚇得涕淚橫流。阿修羅似是覺得他沒能聽懂,更加不屑道?!罢媸菬o趣?!?/p>
想像を絶する恐怖を味わった魔神は、逆に勇気が湧いてきて、すかさず言い返した。
魔神恐懼至極里,反倒生出無盡勇氣來,反唇相譏咒罵道。
「貴様に命令される筋合いはねえ、貴様は今や罪人に過ぎない、この深淵の牢獄を脫出する見込みすらない今、外にいる帝釈天をどうにもできねえよ!」
“我憑何要聽你使喚,你如今不過是一屆罪人,被丟入這深淵牢獄里走不出去,更遑論去和帝釋天一較高下!”
「天人の王様に言わせれば、我々は蟲けらにも等しい。ここにいる魔物と比べても、貴様は何も違わねえ!」
“在那天人之王心中你我皆是螻蟻,你這囚徒和我們這些魔物再無區(qū)別!”
それを口に出した瞬間、魔神は再び恐怖に支配された。しばらく沈黙が続いたが、その後結(jié)界の中から耳をつんざく高笑いが聞こえた。石壁の中で木霊する聲は、意外にも愉快そうな聲だった。
他說得憤憤然,說完后才覺得后怕。只聽片刻沉寂后,結(jié)界中傳來震耳欲聾的笑聲,回蕩在石壁之間,竟然是十二分的開懷。
闇の中、頭蓋骨の上の阿修羅は目を開いた。暗闇の中で殘忍な光を放つ真っ赤な目は、魔神よりも深淵の魔物らしく見える。
黑暗之中,鬼首上的阿修羅睜開雙眼,猩紅的眼在黑暗中閃著嗜血的光,比魔神更像是生于深淵的魔物。
阿修羅は目を細めて、魔神の腹の中にいる觸手の殘像を見て、こう言い放った。「お前はちょうど百人目だ。」
阿修羅瞇起眼,看見自己的觸手在那魔神腹中若影若現(xiàn),說道?!罢媚闶堑谝话賯€。”
「その目でしかと見屆けろ、俺がこの牢獄をぶち壊す光景を。」
“就讓你親眼看看,我是如何撕碎這牢籠的?!?/p>
彼は仰向いて遠くの光、深淵の出口を見つめた。その言葉に反応するかのように、彼の周りには血生臭い風が吹き始めた。旋風になった風は、鮮血の竜のように、遙か遠くにある出口に向かって突進し始めた。
他抬頭看向遠方的光亮,深淵的出口,仿佛是為了響應他的話,夾雜著血腥氣的風從下自上圍繞著他旋轉(zhuǎn)。又化作旋風一路朝上,竟如同一條血龍,朝著那遙不可及的出口沖去。
それを見て驚いた魔神は、急に腹痛に襲われた。下を向いてその理由を確認する。その腹から、一本の觸手が生えていた。阿修羅の觸手と同じ見た目のそれは、主の命令を果たすべく、結(jié)界目掛けて突進し始めた。
魔神看得驚呆,突然覺得腹部絞痛,低頭一看。一只觸手竟從自己腹部長出,與阿修羅的靈神體如出一轍,此時如同聽到了主人的召喚,朝著結(jié)界沖去。
結(jié)界の外、後ろの暗闇の中、所々に魔神のうめき聲が聞こえる。霊神體を喰らった魔神どもの腹に、烙印が現(xiàn)れた。百本の真っ赤な觸手が同時に闇を切り裂き、あらゆる方向から封印に襲い掛かり、結(jié)界の鎖に喰らいつく。
結(jié)界之外,身后的黑暗中,四處傳來魔神們痛苦的哀嚎,吞食過靈神體的魔神們腹部都亮起了烙印。一百條猩紅的觸手同時自黑暗中伸出,自四面八方伸向封印,掀動結(jié)界中的鎖鏈。
霊神體の觸手は一か八かの勝負に出る。力を全て絞り出し、お互いを刺した。轟音がしたあと、燃え盛る炎が深淵を照らし、巨石が雨のように降り注ぎ始めた。霊神體が自爆する際に起こした爆発は、さらに千を超える封印の結(jié)界を起爆させた。爆発に巻き込まれた魔神は悲鳴を上げて逃げ惑う。少しでも遅れると、破裂して粉々になる。肉塊と鮮血が地獄である深淵を血の海に変えた。
只見那靈神體觸手孤注一擲,用盡全力,向著彼此刺了下去。隨即爆發(fā)出一聲巨響,火光沖天幾乎將深淵照耀成白晝,巨石如同暴雨般落下。附有千層封印的結(jié)界被靈神體自毀那一瞬迸發(fā)出的巨大能量所引爆。被自爆殃及的魔神們哀嚎逃竄,跑得慢的則被炸得四分五裂,尸塊和鮮血傾瀉一地,將這本就是地獄的深淵,更是染成了一片血海。
血色の霧が消えると、血の海の中、骸骨の山の上、阿修羅のいる魔神の頭蓋骨だけが傲然とそびえていた。結(jié)界は觸手に爆破され、阿修羅は再び自由を手に入れた。魔神を見下ろすその姿は、民の拝謁を待つ新しく誕生した王者のようだ。
血霧散去,血海之中,尸骸之上,只有阿修羅巋然不動立于鬼首上。結(jié)界已隨觸手一并炸碎,阿修羅重獲自由,立于高處俯瞰眾魔神,仿佛是等待子民朝拜的新王。
爆風に吹き飛ばされたばかりだったが、阿修羅が霊神體を失ったと気づいた途端、魔神達は全員立ち上がり、こう話を切り出した。
存下的魔神早已被旋風爆炸掀翻在地,見阿修羅失去靈神體,魔神們紛紛爬起,開口道。
「阿修羅、貴様は自由のために、自分の手で霊神體を破壊した。ここがどんな場所、そして我々はどういう存在であるか忘れたのか?」
“阿修羅,你自毀靈神體,只為重獲自由,又忘了這里是什么地方?我們又是什么東西?”
「皆帝釈天は狂ったやつだと言っているが、そいつと友人になれる貴様も中々侮れないものだ。狂気に関しては帝釈天にも負けていない?!?/p>
“都說是帝釋天瘋狂無度,我看你倒真不愧是他舊友,論起瘋病有過之無不及。”
「この深淵には魔神、悪鬼、追放された罪人で満ち溢れている。力がなきゃ、自由など夢のまた夢に過ぎん。」
“這深淵之獄里滿是惡鬼,魔神,和流放的罪人,沒有了力量,所謂自由也不過是曇花一現(xiàn)?!?/p>
「霊神體が壊滅した今、我々はその體を…ずたずたに切り裂く!」
“你如今靈神體已毀,我們要——撕碎你!”
それを聞いた途端、血色の霧を纏いながら、阿修羅は笑った。
阿修羅聞言,在血霧繚繞之中,突然笑起來。
「この煉獄で、その名前を口にしていいのは、俺だけだ?!?/p>
“這整座煉獄,能說那個名字的,只有我?!?/p>
阿修羅が指を鳴らすと、先ほど帝釈天の名前を口にした魔神は急に吐き気を覚えた。一本の觸手の先端が魔神の口から出てきたが、根元はまだ腹の中で蠢いている。瞬きする間に、魔神は腹を突き破られ、恐ろしい勢いで血を吐き続けた。殺戮に慣れた魔神も、腑が抜けてしまい、一目散に逃げた。觸手が動くと、空にいた數(shù)百匹をも超える魔神は反応する間もなく、一體殘らず切斷された。
隨即一個響指,那開口提及帝釋天的魔神突然一陣干嘔,一只觸手從他口中鉆出,根部在他腹中不斷扭動。轉(zhuǎn)瞬就將他開膛破肚,鮮血從口中噴薄而出,饒是魔神見慣了血腥,也嚇得失了顏色,紛紛逃命。觸手一掃而過,空中的數(shù)百魔神尚來不及反應,瞬間被齊齊腰斬。
一瞬で、そこは肉塊が飛び交い、悲鳴が入り亂れる地獄と化した。
一時間斷肢橫飛,哀嚎遍地。
殺戮の後、觸手は満足したのか、再び魔神の口の中に戻った。ほっとしたが、魔神は不意に見た。玉座を下り、転がる死體を踏みにじり、血の海を越えて一歩また一歩と迫ってくる阿修羅の姿を。這い蹲いながら、魔神は逃げようとした。しかし動き出す前に、阿修羅の手がその體を貫いた。
殺戮一通后,觸手似是終于心滿意足,縮回魔神口中。那魔神才要松一口氣,抬頭看到阿修羅已跳下鬼首,踩著遍地尸骸,在血海中一步一步朝著自己走來。急忙手腳并用,攀爬著想要逃命,然而未能邁出一步,就被阿修羅一手穿心。
魔神が下を向くと、自分の腹を貫いた阿修羅の手に、真っ赤な霊神體の欠片が握られているのが見えた。それは戦神の力を我が物にしようと、呑み込んだものだった。
魔神低下頭來,只看到阿修羅的手臂穿過腹部近在眼前,手中還握著一塊猩紅的靈神體碎片,正是自己曾經(jīng)貪圖戰(zhàn)神之力,吞食下去的。
「まさ…か…」魔神は死ぬ前に問おうとしたが、顎を砕かれたせいで、それを口にできなかった。
“怎么……會……”魔神在死前最后一刻問道,卻因碎了下巴,無法問出口。
阿修羅が腕を抜くと、魔神はばたっと倒れた。真っ赤な欠片はすぐ彼に吸収され、再び主と一體化した。
阿修羅收回手臂,魔神應聲倒地,猩紅的碎片很快就被他吸收,重新和他化為一體。
「強者は生き殘り、弱者は地獄に墮ちる。力なき者にとって、自由など夢話に過ぎない。ましてや愛憎など。俺は闇の申し子として生まれたが、怪物になりたくないから、愛憎が、人情が欲しい、普通の人になりたいと思った。」
“強者生存,弱者墮入地獄,在沒有力量之人面前,自由也不過是曇花一現(xiàn),更遑論愛恨。我生來就是黑暗之子,卻不想做一個怪物,我想要愛恨,想要情誼,也曾想要做個普通人?!?/p>
「しかし殘念ながら、全て空回りだった?!?/p>
“只可惜,到頭來不過是一場空歡喜?!?/p>
暗闇の中、魔神達の赤い目が靜かに彼を見つめる。阿修羅の力を呑み込んだ彼らの腹には、かつての貪欲さが招いた罪業(yè)を示す赤き烙印が浮かび上がった。
黑暗之中,魔神們猩紅的雙眼沉默地注視著他,他們因吞食了阿修羅的力量,而在腹上浮現(xiàn)了猩紅的烙印,昭示著曾經(jīng)的貪婪所種下的孽業(yè)因果。
「だったら、俺が魔の神になってやる!この阿修羅が、百の魔神を屠り、力を取り戻す。そしてこの光なき深淵の王となり、光の元に戻り、俺に償うべき、人々に償うべきものを、全て蹂躙してやる?!?/p>
“既然如此,我便來做那魔中之神!我阿修羅,誓將斬一百魔神,奪回屬于我的力量,在這暗無天日的深淵稱王稱神,再回到光明之中,把那虧欠于我的、虧欠于世人的,全都碾碎于腳底。”
阿修羅は再び上を仰ぎ、深淵の上にある光を目におさめた。
阿修羅再次抬頭,他看向深淵頂端的光明。
「刮目せよ。この深淵の炎は、お前の偽りの天國を…悉く灰燼に帰してみせる?!?/p>
“好好看著吧。這深淵里的火,將把你那虛偽的天國——燒成灰燼?!?/p>