22あなたの愛が正しいわ~
本專欄僅供學(xué)習(xí)和作為交流資料使用??

22 わからないけど、なんとなく
屋敷に戻ると、私はこれからのことを考えた。リンデンの裏の顔をあばくためには、どうしてもデイヴィスの協(xié)力が必要になる。
この件は、グラジオラス公爵家に恩を売るチャンスなので、デイヴィスは引き受けるだろう。
でも、デイヴィスを頼ることは、『程よい距離の夫婦関係』から逸脫してしまうようで、私は気が重かった。
そのせいもあり、デイヴィスの執(zhí)務(wù)室には向かわず、自室でぼんやりしているうちに日が暮れてしまった。メイドが夕食の準(zhǔn)備ができたことを伝える。
「わかったわ」
食事をとる部屋に向かう途中で、デイヴィスとばったりと鉢合わせてしまった。
「ローザ、戻っていたんだね」
「ええ」
「どうだった?」
自然と並んで歩き出す。
「アイリス様がお元?dú)荬扦胜盲郡韦?、やっぱり婚約者のリンデン様のことで悩んでいるからだったわ」
「そうなんだ。これから、公爵家はどうするの?」
「デイヴィス、その件だけど……」
「そうだ! 公爵様たちに店に來てもらうのはどうかな? 説明するより、直接、リンデン様の姿を見てもらったほうがいいと思う」
私がデイヴィスにお願(yuàn)いする前に、デイヴィスからそう言ってくれた。彼なりに、今回のことを真剣に考えてくれているのが伝わってくる。
愛情を抜きで考えると、デイヴィスは良いパートナーだった。友人を大切にする彼は、今の私を友人のように扱ってくれている。
「……デイヴィス、ありがとう」
「うん? どういたしまして?」
不思議そうなデイヴィスに「もし、私たちの間に、このままずっと子どもが生まれなかったら……」と言うと、デイヴィスはシュンとなり眉毛を下げた。
「ローザ……それでもいいよ。そのときは、養(yǎng)子を迎えよう」
デイヴィスは、私の手をぎゅっと握る。
「お願(yuàn)いだから、僕と離婚するなんて言わないでくれ」
この言葉を信じて受け入れられれば、どれほど楽だろう。でも、デイヴィスは愛をささやいたその三年後に、私を『うっとうしい』と突き放した。信じられるはずがない。
私は、そっとデイヴィスの手をはらった。
「あなたの言葉は、信じられないわ。今は良くても、またいつか私を『うっとうしい』と思う日が來るかもしれない。あなたは、そういう人だもの」
デイヴィスは、「……そうだね」と震える聲で答えた。
その顔は、後悔にまみれて苦しそうだ。
「僕は本當(dāng)に愚か者だよ。でも、これからは違う。僕が変わったことを証明し続けるから、どうか側(cè)にいてほしい」
「……どうして?」
苦しそうなデイヴィスを見ていると、自然とそんな言葉が口から漏れた。
「どうして、そこまで私を引きとめるの? 子どもができなかったら、離婚して、新しい人とやり直したらいいじゃない。今度はきっとうまくいくわ」
もし私が、デイヴィスと別れて他の男性と付き合うことになったら、最初から程よい距離をとりつつうまくつき合うことができると思う。そのほうが、一度壊れてしまった夫婦間を修復(fù)するよりずっと楽そうだ。
「信じてもらえないかもしれないけど……。君のことを愛しているんだ。君じゃなきゃ、意味がない」
「わからないわ」
寂しそうにデイヴィスは、小さく笑った。
「君の愛を壊してしまったのは僕だ。だから、責(zé)任を取らせてほしい」
「デイヴィス……余計(jì)なことは言わないほうがいいわよ。私がその言葉を信じてしまったら、二年後にあなたが愛人を連れて來たとき、またもめてしまうわ」
デイヴィスは、泣きそうな顔をする。
「愛人なんて……つくらないよ……。僕は君以外の女性を好きになったこともないのに……」
「これから別のだれかを好きになるかもしれないじゃない」
頭を抱えたデイヴィスは、ハッと何かに気がついたように勢(shì)いよく顔を上げた。
「じゃあ、君と僕の間に子どもができたら? そのときは、ずっと側(cè)にいてくれるよね?」
「そのことなんだけど……」
私はデイヴィスの青い瞳をまっすぐに見つめた。
「こんな狀態(tài)の私とあなたの間にうまれた子どもは、幸せになれるかしら?」
デイヴィスは、傷ついた顔のまま靜かに涙を流した。
「ごめん……そうだよね、不安だよね……。幸せにする。これからは、君も子どもも絶対に幸せにするから……」
「あなたは、それで幸せになれるの?」
デイヴィスは、必死に何度もうなずいている。
「やっぱり、よくわからないわ」
でも、涙を流しながら懺悔(ざんげ)するデイヴィスを見ていると、『私のことはさておき、子どものことは裏切らずに大切にしてくれそう』と、なんとなく思った。
