【陰陽師】蟬冰雪女傳記(中日雙語)
傳記一
生まれた時から
自誕生之時起
この花と一緒に氷の洞窟にいた
我就與這朵花一同在這冰窟中
この花以外
除了這朵花
側(cè)にいてくれるのは
陪在我身旁的
止むことのない吹雪と
只有永不停歇的風(fēng)雪
いつかはいなくなってしまう
還有時不時
時折訪ねてくる人間だった
會來造訪的人類
「あははははは!」
哈哈哈哈哈哈!
「やっと!」
終于!
「やっと見つけたぞ!」
終于找到了!
「おい!」
喂!
「あの花を渡してもらおうか」
把那朵花交給我吧
「でないと...あはっ...」
否則...哼哼...
「分かるよな」
你明白的吧
「私を侮らないほうがいいと思うけど」
你最好不要輕視我
「欲しいならあげるわ」
不過你想要就給你吧
「癒しの力の守護者よ」
永生之力的守護者啊
「どうかお助けください」
求您請幫幫我
「麓にある村は疫病に冒されました」
山下有一個村莊染上了疫病
「どうか私に癒しの花を與えください」
請您賜予我永生花的力量
「この力は人々を癒やすため」
我保證會妥善使用
「正しく使うと約束いたします」
為人們治愈一切疾病
「持っていって」
你拿去吧
「おい、妖」
喂,妖怪
「神から賜った萬物を癒やすこの力は」
神明賜予的永生之力
「偉大なるお上のものだ」
應(yīng)當(dāng)屬于偉大的天皇陛下
「分かったわ」
知道了,拿去吧
誰か御用と
無論是誰
私は花を與え
我都會給他們一瓣永生花
彼らの願いに応え続けた
去回應(yīng)/實現(xiàn)他們的愿望
その度
每一次
彼らは大変嬉しそうな顔を浮かべながら
他們都會欣喜若狂地
洞窟を出ていったが
走出洞窟
冷酷な氷雪の前では
但在冷酷的冰雪面前
その火傷しそうな狂気も
他們的熱情
瞬く間に
瞬間
溫もりを失ってしまう
失去了溫度
結(jié)局
結(jié)果
花を手に入れた人々は例外なく
拿到永生花的人都無一例外
氷漬けの運命からは逃れられず
逃不過凍結(jié)的命運
雪山を彩る飾りになるのだった
成為裝點雪山的一部分
どうして
為什么
人間は使いこなせない力を
人類總是想要獲得
欲しがるのでしょう
自己無法掌控的力量呢
傳記二
ここ何年間
這些年
癒しの花を求めに來る人が大分減ってきた
前來尋求永生花的人越來越少
今夜もまた激しい吹雪になりそうね
又是一夜風(fēng)雪呢
「さすがに寒いねぇ」
真冷啊
「でも素晴らしい景色だ」
但景色真的很美
ふと、久しぶりに聞く人間の聲が
突然,久違的人聲
氷の洞窟に響き渡った
在冰窟中回響
少年が纏う蓑には
少年一身蓑衣上
氷の結(jié)晶が貼り付き
粘著冰晶
彼の瞳には
他的眼眸中
洞窟の物寂しい景色が映っていた
倒映著凄涼的光景
「あなたも」
你也是
「この花が目當(dāng)てなの」
來要這朵花的嗎
「いえいえ」
不不不
「僕はただ」
我只是
「この風(fēng)景を見に來ただけですよ」
來看看這里的風(fēng)景而已
「それで」
所以
「何か面白いものでも?」
有什么好看的呢
「何百年もここは」
這里數(shù)百年來
「ずっと変わらないわ」
都一塵未變
「ここは外とまるで違います」
這里和洞外截然不同
「この季節(jié)になると」
在這個季節(jié)
「外は暖かくなるのに」
外面很溫暖
「ここでは雪が見られる」
但這里卻能看到雪
「暖かいって、なに?」
溫暖?是什么?
「あ...ええ...と...」
啊...這個...
「説明が少し難しいですね」
稍微有點難解釋
「でも、任せて」
不過我會盡我所能
少年は蓑を脫いで
少年脫去蓑衣
雪のように綺麗に輝く白髪を見せた
露出如雪的白發(fā)
傳記三
それ以降
從那以后
少年は毎年洞窟に來て
少年每年都會來冰窟中
外の話を聞かせてくれた
為我講述外面的故事
花と鳥の名前
有花與鳥的名稱
月と船の物語
也有月和船的趣聞
今まで知らなかったことを
他告訴了我很多
たくさん教えてくれた
從不知曉的事
そして
然后
今年も大雪が
今年又是大雪
洞窟で彼の訪れを楽しみに待っていると
我在冰窟中期待著他的到來
彼ではなく
等來的不是他
白髪に赤い瞳を持つ子供がやってきた
而是一個白發(fā)赤瞳的孩子
「あなたの待ち人は來られなくなりました」
你要等的人來不了了
「代わりに」
我來替他
「彼の言伝を預(yù)かっています」
給你帶句話
「彼に、何があったの?」
他,出什么事了嗎?
「えっ...病気になったのです」
呃...他生病了
すると
隨后
赤い瞳の子供は寒さで震えながら
紅瞳的孩子因寒冷而顫抖起來
ある絵巻を私に渡してくれた
轉(zhuǎn)交給我一幅畫卷
「この前見せると約束したから」
因為他之前答應(yīng)要給你看
「これを持っていくようにと言われました」
所以他叫我把這個帶給你
絵巻を開くと
我打開畫卷
淡い赤みを帯びた雪が
畫上畫著粉色的飛雪
空中を漂う絵が描かれていた
在空中飄舞
吹雪が激しく続く中
在猛烈的風(fēng)雪中
その子供は帰っていった
那個孩子回去了
彼の後ろ姿を見ていると
看著他的背影
思わず
我不經(jīng)意間
少年に出會った夜のことを思い出す
想起第一次見到少年的那個夜晚
あの時
那時
少年が教えてくれた美しい風(fēng)景
他曾告訴過我的美麗風(fēng)景
體験したことのない季節(jié)の変わり目
和我不曾見過的四季變換
それらは...
那些
私にとって...
于我而言
癒しの花なら
而永生之花
どんな病気でも治せる
可以治愈一切疾病
花びら一枚で
只需要一瓣花瓣
事足りるはず
應(yīng)該足夠了
私は花びらを大事に大事に抱えながら
我小心翼翼地護著永生花
麓にある村を目指し
走向山腳的村莊
初めて山を下りた
這是我第一次下山
人里に近づけば近づくほど
越是接近村莊
焦燥と不安がこみ上げてくる
我就越發(fā)的焦慮和不安
生まれて早何百年もの間
這是我?guī)装倌陙?/p>
知らなかった気持ちだ
都不曾有過的感覺
やがて、少年のいる場所へと辿り著いた
終于,我到了少年所在的地方
彼は成長し
他已經(jīng)成長為
凜々しく
一個風(fēng)姿凜凜
立派な大人になっていた
氣質(zhì)翩然的男子了
扇子を優(yōu)雅に扇ぎながら
他優(yōu)雅地搖著折扇
私を待って...いる...
在等著...我...
元気で...何事もなかったかのように
看上去...安然無恙...
彼は咳払いをした後
他假裝咳了一聲
空の方を指差す
指向天空
結(jié)晶のように輝く青空には
冰晶般湛藍的天空中
絵に書いてあった
飄落下畫卷上畫著的
あの赤みを帯びた雪が降っている
粉色的雪
少しずつ溶け始めた
飄落在
私の體に
我漸漸融化的身體上
ひらひら
一片一片
ひらひらと
洋洋灑灑
「これは?」
這是?
「花吹雪だ」
是櫻花
俯き、自分の両手に視線を落としながら
我低下頭,視線落在自己的雙手間
一抹の不安が過った
內(nèi)心閃過一絲不安
「私...死ぬの?」
我...會死嗎?
手を摑まれ
他握住了我的手
彼の溫もりを感じながら
我感受到了他的溫度
続く言葉に耳を傾ける
傾聽他未完的話語
「大丈夫」
沒事
「心配いらない」
不用擔(dān)心
「これが春だ」
現(xiàn)在是春天