25あなたの愛が正しいわ~
本專欄僅供學(xué)習(xí)和作為交流資料使用??


25 彼の愛は……
「酒だ、酒! 早く持って來い!」
注文をとりにいった男性店員が逃げるように奧の個室から出てきた。その際に、個室の扉をきちんと閉めずに、少しだけ開けておくように事前に指示を出していた。
扉の隙間からは、甘ったるい女性たちの聲が聞こえる。
「リンデーン、またドレス買ってぇ」
「あたしもあたしもぉ」
リンデンは、楽しそうな笑い聲をあげた。
「いいだろう、買ってやるよ! 俺は次期公爵だからな、いずれは公爵家の財産はすべて俺のものになる!」
「きゃあ、リンデンかっこいい?!工扰预郡沥螝Z聲が上がる。
フードをかぶったアイリスが、震えながら自身の手で口を押えた。それと同時に、アイリスを守っている女性護(hù)衛(wèi)騎士が目に見えて殺気立った。うしろに控えている騎士たちも、みんな、恐ろしい顔をしている。
扉の向こうからは、さらに甘ったるい聲が聞こえてきた。
「じゃあじゃあ、リンデン、私を公爵夫人にしてよぉ」
「あ、ずるーい! あたしもあたしぉ」
リンデンは、女性たちの言葉を鼻で笑った。
「バカか? お前たちが公爵夫人になんてなれるわけねぇだろ? 公爵夫人は、俺だけの女神アイリスなんだよ」
「アイリス? だれそれぇ」
バシッと破裂音がして、女性の悲鳴が上がった。
「ああ!? お前ごときが、アイリスを呼び捨てにしていいと思ってんのか??? 様をつけろ、様を!」
「い、いたいよぉ」
「リンデン、ひどい……」
「はぁ?。俊·挨郡沥胜螭?、この程度の扱いでいいんだよ! 俺が愛して大切にするのはアイリスだけだ! お前たちは、金だけもらって俺を喜ばせておけばいいんだよ! 女神のように美しくて可憐なアイリスには、こんなことはできないからな!」
その言葉を聞いたアイリスは、瞳をふせると靜かに涙を流した。
女性護(hù)衛(wèi)騎士は、無言でアイリスに下がるように伝え、うしろに控えていた騎士たちが個室の扉の前に集まる。
壯年の騎士が、確認(rèn)をとるようにアイリスに視線を送ると、アイリスはゆっくりとうなずいた。
それが合図になり、騎士たちはいっせいに個室に突入する。
きゃあと女性の悲鳴が上がり、一瞬でリンデンは床に倒され、馬乗りになった騎士に羽交い絞めにされた。リンデンが連れてきた女性たちは、のちほど証言をしてもらうためか騎士たちに保護(hù)されている。
「な、なんだ???」
そう叫んだリンデンは、目の前に立った壯年の騎士を見て青ざめた。
「だ、団長???」
「見損なったぞ、リンデン」
「ちがっ、これは!」
いいわけをしようとするリンデンの前に、アイリスが進(jìn)み出た。フードを下ろしたアイリスに、リンデンが悲鳴を上げる。
「あ、アイリス?。俊·嗓Δ筏皮长螭胜趣长恧耍??」
アイリスの瞳からは、とめどなく涙があふれていた。
「違うんだ! その、俺は、いや、私は、ここでお酒を飲んでいただけで……」
リンデンの口の端には、真っ赤な口紅がついていた。著ている服も胸元が大きくはだけていて、だれかどう見てもウソだとわかる。
「リンデン……」
アイリスに名前を呼ばれたリンデンが、その先の言葉をさえぎるように「愛している! 本當(dāng)だ、アイリスだけを愛しているんだ!」と叫んだ。
「私もあなたを愛していたわ……」
「そうだろ? 私たちは、愛し合っているんだ!」
リンデンは、たしかにアイリスを愛している。アイリスがいないところでも、彼女を女神と讃えて愛を誓っていた。
アイリスは、『愛している』をくり返すリンデンを見下ろした。
「私は、グラジオラス公爵家を継ぐ者には、公爵家の名に恥じぬ品位を求めます。リンデン、あなたには務(wù)まりません」
「そんなっ?。俊“长?、こんなにもアイリスを愛しているのに???」
「私だけを愛して、他の女性を虐(しいた)げる者は、人の上に立つ資格はありません」
「アイリス! 愛しているんだ! 本當(dāng)だ!」
リンデンを見下ろすアイリスは、公爵令嬢に相応しい毅然(きぜん)とした態(tài)度だった。リンデンに向ける瞳は、罪人を見るように冷たい。
「リンデン……あなたの愛は間違っています」
「アイ、リス……?」
「二度と、私の前に現(xiàn)れないで」
アイリスがふらついたので、私はとっさにアイリスの肩を支えた。
「大丈夫ですか!?」
「ローザ夫人……すみません……」
それを見たリンデンが私をにらみつけた。

