天聲人語Vol.6 女王離世
女王旅立つ
女王離世
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いまから50年ほど前、中央アフリカという國にボカサなる獨裁者がいた。自ら名乗ったのは大統(tǒng)領→終身大統(tǒng)領→皇帝。仏ナポレオンをまねた戴冠(たいかん)式を強行し、「ボカサ1世」と稱した。
距今大約50年前,在中非出了一個叫博卡薩的獨裁者。他自封總統(tǒng),之后又自封終身總統(tǒng),最后干脆自封皇帝。他還模仿法國的拿破侖強行舉辦了一場加冕典禮,自稱為“博卡薩一世”。
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パリの寶石細工師に寶石6千個をちりばめた王冠を作らせた。最貧國の一つが國庫を空にしかねない巨費を戴冠式に充て、世界から嘲笑を浴びる。各國元首らを招くが、見向きもされなかったとか。王冠にはどこか人を狂わせる危険な性質があるらしい。
他讓巴黎的珠寶匠為他制作了一頂王冠,上面鑲嵌了6000枚寶石。中非是最貧窮國家之一,卻耗費可能掏空國庫的巨資用來舉辦加冕典禮,因此招來世界各國的嘲笑。博卡薩曾向各國元首發(fā)出邀請,不過各國均未理睬??磥?,王冠具有一種危險的性質,能使人陷入癲狂。
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「王冠をかぶると、うつむけない。重くて首が折れるから」。公開中の記録映畫「エリザベス?女王陛下の微笑(ほほえ)み」で、女王自身が語っている。重さ1キロを超す実物を手に、「どっちが前かわからない。扱いにくいのよ」と冗談めかす。王冠を過度に神聖視しない姿が印象深かった。
“戴上王冠后就不能低頭了,因為太重會折到脖子。”正在上映的紀錄片《伊麗莎白女王陛下的微笑》中,女王如此說道。她手中拿著重量超過1公斤的王冠,打趣道“不知哪面朝前,這王冠可太難戴了?!迸醪⑽催^度神話王冠,她的態(tài)度也給我留下了深刻的印象。
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昨夜見た國葬の中継では、その王冠が女王の棺(ひつぎ)の上にちょこんと置かれていた。父王のため、1937年に作られたものだという。ダイヤモンド、サファイアなど3千もの寶石があしらわれ、豪華そのもの。ただ映畫の影響か、権威より、それをかぶることを運命づけられた人の苦悩を思った。
昨天我看了女王葬禮的轉播,畫面中那頂王冠被放在女王的靈柩之上。據悉,這頂王冠是1937年女王為其父王制作的。上面鑲嵌著鉆石、藍寶石等多達3000顆寶石,極盡奢華。不過可能是受紀錄片的影響,相比權威,我更在意命中注定要戴上這頂王冠的人的苦惱。
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女王の棺が4日間安置されたウェストミンスター宮殿には、普段著の人々が列をなした。ときに批判を浴びながらも、國民に歩み寄り、女王という重責を70年も負い続けてくれたことへのいたわりが感じられた。
女王的靈柩在威斯敏斯特宮停放了4天,期間不少普通民眾前來排隊瞻仰。女王有時也會遭受批判,但她70年來體恤國民、背負重擔,此刻我也能感受到民眾對她的悼念。
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來週は東京でもいよいよ「國葬」が営まれる。いったい、どんな雰囲気で當日を迎えることになるのだろうか。
下周日本也將舉辦“國葬”。當天究竟會迎來一種怎樣的氣氛呢?