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【ChatGPT機翻】戰(zhàn)國小町苦勞譚 (戦國小町苦労譚) - (87) [千五百七十二年 三月上旬]

2023-03-31 23:08 作者:愛吃果凍的沙耶  | 我要投稿

書名 戰(zhàn)國小町苦勞譚
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作者: 夾竹桃
原作:http://ncode.syosetu.com/n8406bm/
翻譯工具:ChatGPT

*機器輸出的翻譯結(jié)果UP未做任何修正,僅供試閱。標題章節(jié)號為原翻譯版的順延。*

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千五百七十二年 三月上旬(*原文網(wǎng)頁序列號 - 96)


「頭が痛い」


"頭痛"


額に手を當てて靜子は唸る。兼続があっさり素性を明かしたお陰で、靜子の護衛(wèi)達は警戒心を高めるが、本人は全く意にも介さなかった。


額頭上靜子感到疼痛并呻吟著。因為兼続輕易地透露了自己的身份,靜子的護衛(wèi)們變得更加戒備,但她本人卻完全沒有在意。


才蔵などは少しでも怪しい素振りを見せようなら手を出し兼ねない雰囲気だ。しかし、兼続の方は周囲の反応は當然、と言わんばかりに受け入れていた。


才藏等人稍有不尋常的舉止,就會被視為可疑對象而受到警惕。但是,兼續(xù)卻仿佛毫不在意身旁人的反應,自始至終顯得淡然處之。


「俺はありのままの靜子殿を見分しに參ったのだ。素性を隠して覗き見するなど性に合わん。第一、俺は間者ではない」


「我來到這里只是為了見真實的靜子殿。隱藏身份偷窺之類的行為不適合我。再說,我不是間諜?!?/p>


頭を抱える靜子に、頭痛の種は悪びれずに笑いながら答える。依然として警戒は解けないが、世話役に任じられた慶次はいつものように笑っていた。


抱著頭的靜子,對于她頭痛的根源,那個人笑著回答,并不感到慚愧。雖然還是保持著警惕,但被任命為照顧人的慶次一如既往地微笑著。


「下手すれば織田と上杉のいくさになるところだったんだよ、本當に」


「如果不小心的話可能會變成織田和上杉之間的戰(zhàn)爭,真的」


「いくさとなれば是非も無し。いくさ場にて全ての決著をつける、とお実城様なら仰るであろう。戦端を開いた俺が華々しく散れば尚良し」


"在戰(zhàn)爭中沒有什么絕對。像御實城大人一樣,在戰(zhàn)場上做出全部的決定。如果我開戰(zhàn)并在光輝中消亡,那就更好了。"


「そんな、ちょっと出かけてくる、みたいなのりで死ぬとか言わないで欲しいな。キミが早く死ぬと割と困るんだよね」


“不要說像是隨口說著‘出去一下’就死了那樣過于夸張的話。如果你這么快死了,我會很麻煩的?!?/p>


上杉家の後継者爭いで、と靜子は心の中で付け足す。


在上杉家的繼承爭議中,靜子在心里補充道。


與六、後の直江兼続は上杉謙信が死んだ後、上杉景勝と上杉景虎との間で起こった內(nèi)亂で重要な役目を果たす。


在上杉謙信逝世后,直江兼續(xù)和六斎將會在上杉景勝和上杉景虎之間爆發(fā)的內(nèi)亂中發(fā)揮重要作用。


御館の亂後、恩賞と引き替えに景勝陣営に鞍替えし大きな功績を殘した毛利もうり 秀広ひでひろが、山崎秀仙の意見によって恩賞をなかったことにされた事に激高、直江信綱と會談中の山崎秀仙及び直江信綱を殺害する事件が起こる。


在“御館之亂”之后,毛利秀廣為了獎賞而轉(zhuǎn)向了景勝陣營,并留下了偉大的功績。但據(jù)山崎秀仙的意見,毛利秀廣的恩賞被取消,這讓他非常憤怒。隨后,發(fā)生了在與直江信綱會談期間殺害山崎秀仙和直江信綱的事件。


跡継ぎを失った直江家は、兼続を直江信綱の妻?お船の婿養(yǎng)子に迎える。兼続は直江家を継ぐと狩野秀治と共に上杉家を支え続けた。


失去了繼承人的直江家,接納了兼續(xù)作為直江信綱的妻子船的女婿。兼續(xù)與狩野秀治一起支持上杉家并繼承了直江家。


「あ、もしかしてあの時、一緒にいた年上の子って長尾ながお 喜平次きへいじ氏(長尾 喜平次 顕景あきかげ、後の上杉景勝)?」


“啊,你是不是在那時候跟那個年長的孩子在一起?他是長尾喜平次(長尾喜平次顕景,后來變成上杉景勝)嗎?”


「良く気付いたな。まさかあの様な場所に、供もつけず歩くとは思わなかったようだ。あの時の間者たちの驚いた顔は見物だったぞ」


"你發(fā)現(xiàn)得真好。我還沒有想到在那種地方走路時沒有帶護衛(wèi)。那時間諜們驚訝的表情真是好看。"


「酷い嫌がらせだ」


"太過份的惡意欺負"


「殿はあの時のお禮をと仰っていたが、此度は俺の我が侭だからご遠慮願った」


“當時他曾表示要感謝我,但這次是我自作主張,所以他婉拒了?!?/p>


何を考えて京に派遣したか分からないし、知ろうとも思わなかった。下手に藪を突いて蛇を出すような真似はしたくない。


我不知道他們派我去京都想了什么,也沒想要去了解。我不想冒險去惹麻煩。


とにかく上杉家と絡む気がない靜子だが、先方はそう思っていない事を改めて知る。


不管怎樣,靜子沒有與上杉家聯(lián)系的打算,但她重新意識到對方并沒有這樣的想法。


(上杉家って割と不気味なのよね。深入りしたら火傷では済まなそうだし、ここは一定の距離を保つのがベターかな)


(上杉家感覺挺不尋常的。深陷其中可能會付出代價,并且最好保持一定的距離。)


戦國時代の常識を覆したのは織田信長であると言えるが、彼に比肩し得る変人が上杉謙信である。


可以說顛覆戰(zhàn)國時代常識的是織田信長,但能與他媲美的奇人是上杉戰(zhàn)國。


獨自の価値観を持ち、當時の思想?信條、道徳観に囚われない行動を幾つもなしている。


擁有獨立的價值觀,做出了許多不受當時思想、信仰和道德觀束縛的行動。


そんな事を考えている內(nèi)に、靜子一行はとある街へ入る。


這時候,靜子一行進入了一個城鎮(zhèn),她們?nèi)匀辉谒伎贾@些事情。


昨年から信長より運営?管理を任された街で、靜子の邸宅からもほど近く、かつ港街へ通ずる主幹道路が整備されていた。


自去年起,這座城市的運營和管理被信長委托,靜子的宅邸離這里很近,主干道路通往港口城鎮(zhèn)也得到了整修。


港町から各方面を結(jié)ぶ途上に街があるため、街中には商人の姿が多い。


因為港口城鎮(zhèn)連接各個方向,所以城市中有很多商人。


靜子の邸宅が近いという立地上、靜子軍の大半がこの町に起居しており、兵士やその身內(nèi)達も商人に負けない勢力となっていた。


由于靜子的住所位置靠近,靜子的大部分部隊在該城鎮(zhèn)居住,士兵及其家屬的實力也不遜于商人。


人が集まり、物があるとなれば當然金が落ちる。商人が港町から岐阜や京を目指す際に、まずこの街で宿泊するため、尾張領でも屈指の賑わいを見せていた。


人聚集,物品存在必然會吸引金錢。商人前往岐阜或京都時,首先會選擇在這座城市住宿,因此這座尾張領也是熱鬧非凡的旅游勝地。


靜子の邸宅があり、靜子軍が集結(jié)している事から、住人の大半は靜子が土地の領主だと思っているが、実際は代官ですらない。


靜子的住宅有很多人聚集,大多數(shù)居民都認為靜子是該地區(qū)的領主,但實際上她甚至不是代官。


原則的に都市計畫は支配者たる信長がするものだが、この街に限っては全ての権限を靜子に與えていた。そのため近代的設計が織り込まれた街は他の街とは一線を畫す出來となっていた。


原則上城市規(guī)劃應由當權者信長負責,但對于這座城市,他將所有權力都授予給了靜子。因此,這座融入了現(xiàn)代設計的城市成為與其他城市顯著不同的杰作。


一際異彩を放つのは道路、それも街道をそのまま引き込んだ目抜き通りである。


一條獨具特色的道路便是那個引進了城市主干道的鬧市區(qū)街道。


中世?近世の日本では主に軍事的な理由で、街道整備が為されることは無かった。道なき道を進軍する事を強いれば敵を消耗させることが出來るためだ。


在中世紀和近代的日本,主要出于軍事原因,沒有進行街道建設。這是因為迫使敵人通過無路可走的道路行軍可以消耗對方的體力。


例外中の例外が武田信玄が開発した信玄堤しんげんつつみや棒道ぼうみちだ。これは信玄の持つカリスマ?資金力?人心掌握術があったからこそ出來た大規(guī)模公共事業(yè)だ。


例外中的例外是武田信玄開發(fā)的信玄堤和棒道,這是信玄具備的領導力、財力和人心掌控術的體現(xiàn),也是一項大規(guī)模公共工程。


他國では大きな堤防や街道整備は殆ど行われず、城下町を離れればあぜ道程度、それもぐにゃぐにゃと曲がりくねって大変移動しにくい道ばかりだった。


在其他國家,幾乎沒有修建高大的堤防和街道整修,除了城下鎮(zhèn)外,只有田間小路,而且曲折蜿蜒,出行非常困難。


このような道は物流が滯りやすく、また交差點(辻)での人さらいが発生しやすい。それらを解消するため、靜子は幅広い直線の主幹道路を整備した。


這種道路容易造成物流堵塞,并且容易在十字路口發(fā)生搶劫事件。為了解決這些問題,靜子修建了寬闊直線的主干道路。


またガードレールに當たる木製の防護柵を設置し、歩行者と牛車や馬車を分離、歩道と車道の境界を設けた。


另外安裝了木制護欄來防護攔路的行人和馬車,將行人道和車道分隔開來,并設立了行人道和車道的邊界。


このお陰で港街との物流量が大幅に増加、尾張は勿論美濃にまで様々な物資が流れ込む事となった。


由于這個原因,與港口城市的物流量大幅增加,不僅是尾張,還涌入了各種各樣的物資到美濃。


無論、人の移動や物流が増える事は、そのまま他國の間者が入り込みやすくなるが、それらは厳しい法で対応していた。


無論人員流動或物流增加,都會增加其他國家間諜的侵入機會,但這些情況都能通過嚴格的法律應對。


「靜子殿、あれはなんじゃ?」


「靜子殿,那是什麼?」 請注意,這是繁體中文,它與簡體中文有一些差異。


靜子の橫を歩いている兼続が、道の脇にあるものを指さす。指さす先を視線で追った靜子は、それが何か理解する。


走在靜子旁邊的兼續(xù)指著路邊的一物。靜子追隨他的目光,理解了那是什么。


「あれは牛馬飲水槽。文字通り、牛馬用の給水場だよ」


那是牛馬飲水槽。字面意思上,是提供給牛馬喝水的場所。


牛馬飲水槽とは文字通り牛馬用の水槽だ。飲料水なので人が飲んでも問題ないが、牛馬に合わせて水槽の高さや幅が設計されているため、人が飲むには向いていない。


牛馬飲水槽就是專門供牛馬使用的水槽。雖然里面的水可以供人類飲用,但由于水槽的高度和寬度是為適應牛馬而設計的,所以不適合人類飲用。


「牛馬用の給水槽とは面妖な」


“供牛馬用的給水槽很奇怪?!?/p>


「商人には割と人気だけどね。その関係で変な事しようとすると、周りの人からよってたかって毆られるから、悪戯しない方が身のためよ。っとと」


「商人很受歡迎,但如果想做一些奇怪的事情,周圍的人們會拼命毆打你,所以最好不要玩惡作劇?!?/p>


兼続に説明している途中、靜子の馬が牛馬飲水槽へ向きを変えた。港街へ向かった関係で水分補給が不十分だったかな、と思った靜子は馬を自由にさせる。


在向兼續(xù)解釋的過程中,靜子的馬將頭轉(zhuǎn)向牛馬飲水槽。靜子認為馬在前往港口的過程中沒有足夠的補水,所以放馬自由飲水。


牛馬飲水槽に著くと、馬は首を動かして水が欲しい事をアピールする。靜子が牛馬飲水槽を覗くと、中は殆どなかったため水を汲み上げる必要があった。


當牛馬到達飲水槽時,馬會搖動頭表示他們想要水。當靜子看向飲水槽時,里面幾乎沒有水了,所以需要打水。


「分かったよ。今、水を入れてあげるからね」


“知道了。我現(xiàn)在會給你加水的?!?/p>


馬を撫でて落ち著かせると、靜子は牛馬飲水槽の傍にある手押しポンプを動かして水を汲み上げる。程よく水が溜まったところで馬が顔を突っ込んで水を飲み始めた。


撫摸著馬讓它冷靜下來,靜子推動旁邊的手動泵將水汲起。當水位適中時,馬將腦袋伸進水槽開始喝水。


「暫く待ってね。暇ならその辺を観光してきても良いよ」


“等一會兒。如果有空的話,可以去附近觀光一下?!?/p>


家臣が置いた床幾に腰掛けると、靜子は肩の力を抜く。どうするか考えあぐねた兼続だが、靜子見分に來たのだから靜子の許を離れるのは本末転倒と考え、彼女の傍に腰を下ろす。


當家臣坐在放置在那里的小桌旁時,靜子松弛下肩膀。雖然兼続不能決定做什么,但他認為既然靜子來到他這里,離開她則是得不償失,所以他坐在她身旁。


無防備すぎる彼女が心配になったのも理由だ。だが、彼の心配は杞憂に終わる。


她太沒有防備了,讓我很擔心。但是,我的擔心是多慮了。


「お、靜子様ではないですか。こんな所で休憩とは、是非ともうちの茶屋をご利用下さい」


“哦,這位不是靜子大人嗎?在這兒休息呢,一定要來我們的茶屋坐坐哦?!?/p>


「殘念だけど私じゃなく馬が休憩なんだよね」


"很遺憾,但休息的不是我,而是馬。"


歩道を歩いている男が立ち止まると、靜子へ気さくに聲をかける。余りの気楽さに兼続はギョッとしたが周囲は慣れたもので誰も気にしていなかった。


一名正在走在人行道上的男子停下腳步,友善地向靜子搭話。這種輕松自在讓兼續(xù)感到吃驚,但周圍的人已經(jīng)習以為常,沒有人在意。


「殘念ですわ。おっといけねぇ、早く帰らねぇと母ちゃんに叱られちまう。どうぞご贔屓に」


很遺憾,我必須走了,不然媽媽會罵我的。請多關照。


言うやいなや男は駆け足気味に立ち去った。それからも色々な人間が靜子に聲をかけてきた。それらに対して時にはユーモアを交えつつ靜子は答える。


說完話,那個男人快步離開了。之后,許多人都會找靜子說話。靜子時而加入幽默回應這些人的話。


「靜子様、こんな所で呑気にしておられますと玄朗様の雷が落ちますよ」


「靜子,你在這里悠閑地玩耍,玄朗的雷就會落下來」


「その時は逃げるからご安心下さい」


“那時我會逃跑,請放心?!?/p>


「そんな所で油売っていないで、おらの店で金子を落として下さいよー」


“不要在那種地方賣油了,請到我的店里花錢?!?/p>


「はっはっはっ、私にお金を出させるだけのものを持ってくるのじゃー」


“哈哈哈,你帶來的只是讓我出錢的東西?!?/p>


目の前の光景が信じられず、兼続は目を丸くする。その間にも車道は彼が初めて見る人力車や馬車が次々と通過していく。


眼前的景象讓兼続難以置信,他瞪大了眼睛。與此同時,人力車和馬車穿梭於他從未見過的馬路上。


彼らは靜子の橫を通り過ぎる時、頭を下げたり被っている帽子を脫いだりして挨拶する。それに対して靜子は軽く手を上げて答えた。


當他們經(jīng)過靜子身邊時,會低頭或脫下帽子致以問候。靜子會輕輕舉手回應。


支配する者と支配される者というより、顔見知りの挨拶にしか見えない。何がなんだか分からず呆然としている彼に、ニコニコと笑顔を浮かべた慶次が一言言った。


與其說是支配者和被支配者,倒更像是見面打招呼。對于一臉茫然的他不明白發(fā)生了什么,慶次露出微笑,輕聲說了一句話。


「よぉく見物しておけよ、あれが靜っちだ」


“好好看著,那個是靜靜的。”


結(jié)局、街が気になった兼続は一旦靜子と別れて、街を見物する計畫に変更した。靜子は特に気にせず慶次に道案內(nèi)を任せると、そのまま配下を連れて去って行った。


最終,兼續(xù)被街道吸引,他與靜子暫時分別,決定改變旅游計劃去觀光街道。靜子沒有在意,把帶著手下離開了,讓景次帶路。


その慶次も靜子一行が見えなくなると、どこの店にいるからと兼続に教えると彼に背を向けて立ち去った。


當靜子一行人消失不見后,慶次對兼續(xù)說他在哪家店,并背過身離開了。


靜子たちから信頼されているのか、それとも侮られているのか、判斷に迷うと兼続は思った。


兼續(xù)思考著,究竟自己是被靜子們信任著,還是被他們輕視著,很難判斷。


「良いのかあれは。才蔵殿は俺の行動を逐一見ていたのだが……あれで慶次殿も靜子殿の馬廻衆(zhòng)なの、だよな。全く正反対なのに良くいがみ合わないな」


“那樣好嗎?才蔵殿一直在密切關注我的行動,慶次殿和靜子殿都是他的侍從,真是全然相反但卻沒有互相敵視啊?!?/p>


慶次から渡された金子袋を懐にしまうと、兼続は先ほどから気になったものに足を向ける。近づくとそれは紙の山が入った木箱だった。


將被慶次遞給的金子袋放入懷里后,兼續(xù)轉(zhuǎn)向了一直引起他注意的東西。走近一看,發(fā)現(xiàn)是一個裝滿紙張的木箱。


「何故、このような場所に紙の山が……?」


“為什么這個地方會有那么多的紙山呢?”


首を傾げながら兼続は一番上の紙を手に取る。紙に書かれていた內(nèi)容は、この街にある宿泊施設の情報雑誌だった。


一邊歪著頭,兼續(xù)一邊拿起了最上面的紙。紙上寫著的是這個城市的住宿信息雜志。


街には幾つかの旅籠はたごがあり、一人旅の行商から大人數(shù)で移動している豪商まで幅広い人間に対応出來る。


街道上有幾家客棧和旅店,可以迎接不同人群,從一個人的旅游商販到大批豪商的旅客都可以得到滿足。


しかし、街のどの辺りに宿泊施設があり、どれぐらいの値段でサービス提供しているか、初見の商人たちには知る方法がない。


然而,對于首次前來的商人們來說,他們不知道住宿設施位于城市的哪個位置,以及服務的價格是多少。


どれほど良いサービスを提供しようとも、利用者が知らなければ意味はない。良いものが勝手に広まる訳ではない。然るべき情報発信をしなければ寶の持ち腐れだ。


無論提供多么好的服務,如果用戶不知道,那就沒有意義。好東西不會自動傳播。如果不進行適當?shù)男畔鞑?,那么寶藏就會被埋沒。


それらを解消するのが、街の至る所に配置された旅籠案內(nèi)雑誌である。兼続が手に取ったのはその內(nèi)の一冊だ。


解決這些問題的方法是通過城市中隨處可見的旅館指南雜志。兼續(xù)拿起了其中的一本。


もちろん情報雑誌は無料配布だ。一冊幾ら払え、というこすい事はしない。ただ、裏側(cè)に『知り合いに冊子を譲渡して広めて下さい』という內(nèi)容が書かれている。


當然,信息雜志是免費分發(fā)的。我們不會要求讀者支付任何費用。然而,在雜志背面會寫著“請轉(zhuǎn)交給你的朋友幫忙擴散”的內(nèi)容。


「ふーむ、夕餉はないけど料理屋が並ぶ街道があるから、そちらを利用しろと。翌日の朝餉は出るのだな。それで宿泊料金を下げておるのか。おお! 料金を払えば倉に荷を預かってくれるのか。中々できる事ではないな」


“嗯,雖然晚餐沒有,但是有很多餐館排列在街道兩旁,你們可以利用那里。明天的早餐我會提供的。這樣住宿費會便宜些。哦!付費后,他們會在倉庫保管你們的行李嗎?這可真不容易啊。”


兼続は通行人の邪魔にならない場所まで移動すると、旅籠の情報雑誌を再度広げる。


兼續(xù)移動到不妨礙行人的位置,重新打開旅店信息雜志。


內(nèi)容は全てが目新しいものばかりだった。兼続は感嘆の聲を上げながら情報雑誌を読み進める。通りかかる人間が彼を訝しげに見てもお構いなしだった。


內(nèi)容都是全新的,一直到最后。兼續(xù)繼續(xù)閱讀情報雜志時,發(fā)出了感嘆聲。經(jīng)過的人們看著他,很奇怪,但他全然不在意。


「なんじゃ、この點數(shù)札というのは……ほほぅ、良く利用する客には色々と特典を付けてくれるのじゃな。旅籠によって変わるし、客はどこに宿泊するか悩むのぅ」


“這個記分牌是什么啊……原來是為了那些常來的客人提供各種特典啊。根據(jù)旅館的不同有所不同,客人們會糾結(jié)著要住在哪里呢?!?/p>


旅籠には組合があり、その組合はポイントカードを発行している。加入している旅籠に宿泊するとポイントが付き、點數(shù)に応じて様々な特典が提供される。


旅館設有協(xié)會,該協(xié)會發(fā)行積分卡。入住加入?yún)f(xié)會的旅館會獲得積分,根據(jù)積分數(shù)量提供各種不同的特惠。


ポイントで得られる特典は各旅籠が好き勝手に決めている。


通過積分獲得的特權由每個旅館自行決定。


色々な特典が用意されており、比較的低いポイントであっても尾張の特産品が貰えるなど、よそ者には堪らない品ぞろえであった。


準備了各種福利,即使點數(shù)較低,也可以獲得尾張?zhí)禺a(chǎn)等,對于外來者來說,商品的品種非常豐富。


「なるほどなぁ。飯は飯屋、寢泊まりは旅籠、と分けておるから宿泊料が下げられる。しかも持ちつ持たれつだから、どこかの組合にお金が集まり続けるということもない」


“原來是這樣啊。飯就在飯店吃,住宿就在旅館住,這樣可以降低住宿費用。而且互利共贏,也不存在向某個聯(lián)盟不斷匯聚資金的情況?!?/p>


呟きつつ兼続は料理屋が並ぶ街道へ足を向ける。料理屋が建ち並ぶ事に物珍しさを感じたが、それ以上に酒が安いという事の方が兼続には重要だった。


喃喃自語著,兼續(xù)轉(zhuǎn)向了林立著料理店的街道。雖然感到了料理店林立的新奇,但對兼續(xù)來說更重要的是酒更便宜這一點。


しかも尾張や美濃の酒は、主君である謙信が手放しに褒めていた酒だ。何よりも酒飲みの越後人として、他國の酒が気にならない方が無理な話だ。


而且尾張和美濃的酒,是主君謙信大加贊賞的酒。作為一個酒鬼的越后人,無法不關注其他地方的酒。


だがもう少しという所で彼は足を止める。酒を呑んで果たして歯止めが利くのか、彼は自問自答する。答えはすぐに出た。


然而在離目的地不遠的地方,他停下了腳步。他喝了酒,自問自答,是否能夠控制自己。答案很快就出來了。


(ま、また今度だ。流石に続けざま金子の無心など破落戸と変わらない)


(嘛,下次再說。連續(xù)不斷的金子乞討已經(jīng)毫無用處,與街頭乞丐無異)


花街で痛い目を見た兼続は斷腸の思いで踵を返す。その後は頭の中から酒を追い出し、冷靜に街を見ていく。


在花街受到慘痛打擊的兼續(xù),滿心痛苦地回頭離去。之后,他排除思緒中的酒意,冷靜地觀察街道。


街は大きく5つの區(qū)畫が設けられていた。街の中心には様々な公共施設が建ち並んでいる。中心から右側(cè)に農(nóng)業(yè)関係の區(qū)畫が2つ、左側(cè)は上が商業(yè)、下が工業(yè)地區(qū)となっている。


該城鎮(zhèn)被分為五個大區(qū)。各種公共設施林立于市中心。從市中心向右兩個區(qū)域是與農(nóng)業(yè)相關的,向左則是商業(yè)區(qū)和工業(yè)區(qū)。


一番賑やかな場所は商売が行われる商業(yè)地區(qū)だ。様々な商品が並び、客の呼び込み聲があちらこちらでしていた。


最熱鬧的地方是商業(yè)區(qū),那里有各種各樣的商品擺放著,到處都能聽到吆喝聲,吸引著客人。


これだけ物が溢れれば、夜盜や物取りが頻発するのではと兼続は感じた。しかし、それは近くの人を捉まえて質(zhì)問した際に解決する。


如果物品太多溢出來,就可能頻繁出現(xiàn)夜盜和扒手,兼續(xù)感到擔憂。不過,當他找到附近的人進行詢問時,問題就迎刃而解了。


街では犯罪に対する?yún)棨筏と·昃啢蓼辘ⅳ辍⒍ㄆ诘膜吮不丐筏皮い?。更に街で犯罪を犯した者を追う専門の追跡部隊までいるとの話だ。


城市中有嚴格的打擊犯罪措施,定期有士兵巡邏。據(jù)說還有專門的追蹤小組追捕在城市中犯罪的人。


鍛冶一家を殺した犯人を追い、安土辺りまで追いかけて捕縛した噂もあるほど、追跡能力に長けているとの事だ。


據(jù)傳這個能追蹤犯人的人,曾經(jīng)追捕殺害鐵匠一家的犯人直至安土一帶將其捕獲。


犯罪者が自暴自棄になりやすいが再犯が起きない事、犯罪に対する?yún)椄瘠蕬B(tài)度が強い抑止力となり、商人や旅人の信頼を獲得している。


罪犯很容易變得自暴自棄,但是嚴厲的打擊犯罪態(tài)度可以成為強有力的威懾力,獲得商人和旅客的信任,防止再次犯罪。


更に岐阜の市場と違い、五月蠅いというより賑やかな雰囲気だ。詳しく調(diào)べなくても活発な売買が行われている事が分かる。


此外,與岐阜市場不同,這里的氛圍不僅僅是嘈雜而是很熱鬧。即使不詳細調(diào)查,也能明白這里正在進行著活躍的買賣。


國人を知りたくば民を見よ、謙信の言葉を兼続は思い出す。


如果你想了解國人,就要看待他們作為民眾。兼續(xù)引用了這句謙信的話。


(みな、生き生きとしておる。織田家が四方八方敵だらけになっても、戦い続けられる理由はこれか)


(大家都興致勃勃??椞锛译m然四面八方都是敵人,但能夠繼續(xù)戰(zhàn)斗的原因就在這里嗎?)


大抵の支配者は民から全てを奪う。しかし、織田家の支配する尾張?美濃は奪うのではなく共存する。民は安らかに暮らせる代わりに稅を納める。稅を受け取った織田家は民を守る。


大多數(shù)的統(tǒng)治者從民眾那里奪取一切。但是,織田家控制的尾張和美濃不是奪取而是共存。 人民繳納稅款以換取安寧的生活。 織田家收到稅款并保護人民。


民がいなければ織田家は食べていけず、さりとて民だけでは平和を享受する事は不可能。


如果沒有人民,織田家就無法生存,但僅僅有人民也無法享受和平。


(こりゃお実城様が手強いと思う訳だ。我らと同じ力……否、それ以上だ)


這就是我認為實城先生很強的原因。他的力量與我們相當,甚至更強。


いくさ人ゆえ織田家とのいくさは楽しみに思う兼続だった。しかし、いくさをせずとも織田家と上杉家が手を取り合えば、多くの民が救われるのではないか、とも思った。


因為身為武士,兼續(xù)很期待與織田家的戰(zhàn)斗。然而,他也認為,如果織田家和上杉家能夠握手言和,讓許多人從中受益,也許不必進行戰(zhàn)斗。


(どういう風に報告するか、難しい話になってしまったな)


(該如何報告已經(jīng)變得很復雜了)


苦笑しながら兼続は足を慶次がいる方へ向ける。靜子見分はこれからだ、じっくり楽しもうと思いながら彼は一歩足を進めた。


苦笑著,兼續(xù)把腳朝著慶次所在的方向移動。靜子的評估現(xiàn)在才剛剛開始,他想認真地享受一下,于是向前邁出了一步。


「よろしいのですか?」


"可以嗎?"


兼続と別れて先に家へ帰宅した靜子は、彼のことを彩に話した。それに対する彩の返答は至極単純だった。


與兼續(xù)分別后,靜子先回家了,并向彩談起了他的事。彩的回答非常簡單。


織田と上杉は同盟だが、家臣が行き來するほど親密な関係ではない。それを勝手に自宅へ引き込んで問題ないのかが彩には疑問だった。


織田和上杉結(jié)盟,但家臣之間并沒有非常親密的關系。彩對將他們帶回家中是否合適存在疑問。


「どうせ、お館様のことだから彼の行動も逐一調(diào)べているでしょう。それに今、私は大事な案件に関わっていないしね。ま、お館様にはどうするべきか確認はとるけども」


「反正,既然是屋主大人的事情,他的行動肯定也被緊密關注了。再說現(xiàn)在我也沒有參與到什么重要的案件中去。嗯,我會和屋主大人確認該怎么做的。」


「それはそうですが……」


"那是這樣的......"


「何、気にしなくても問題ないよ。下手にコソコソすれば『上杉家の武士が間者の真似事など言語道斷』と言えるし、堂々とするならヴィットマンたちの監(jiān)視から逃れるのは不可能だしね」


“不用擔心,這沒問題。若是偷偷摸摸的話,可能被人誤以為是上杉家的武士在模仿間諜,太危險了。而如果大方向地行動的話,就根本無法逃脫維特曼等人的監(jiān)視?!?/p>


靜子の邸宅は言うまでも無くヴィットマンファミリーの縄張りだ。人による監(jiān)視と動物による監(jiān)視、その両方をかい潛るのは至難の業(yè)だ。


靜子的宅邸無需多言,它是維特曼家族的管轄范圍。在人類監(jiān)視和動物監(jiān)視的雙重關卡下進行潛行是極為困難的。


もしも兼続がコソコソと間者の真似事をするならば、その點をついて主導権を握れば良い。それをせず堂々としても、今の靜子に秘匿せねばならない機密は無い。


如果兼續(xù)打算模仿間諜行動的話,就要抓住他的把柄,奪取主導權。如果不這樣做,現(xiàn)在對靜子來說也沒有必要保守機密。


「とはいっても油斷は禁物、暫くヴィットマンたちや丸太辺りを部屋に入れておくか。割と警戒心強いからね、丸太は」


“雖然如此,放松警惕是禁忌的,暫時把維特曼和木頭圓方面放在房間里。他們有相當高的警惕心,尤其是木頭圓?!?/p>


彩はちらりと丸太がいる方へ視線を向ける。警戒心ゼロで腹丸出し、しかも大の字に寢ている丸太を見て、警戒心が高いと言われても頭の中で結(jié)びつかなかった。


彩轉(zhuǎn)向靠近一根木料的方向。她毫不警惕地躺著,肚子朝天,看著正躺成"大"字形的木料,即使有人說她缺乏警覺心也想不起來。


しかし、ヴィットマンたちがいれば問題ないと思い、彩は丸太の事を置いておくことにした。


然而,她認為只要有維特曼在,就沒有問題,于是彩決定把木頭圓木放在一邊。


「そうなさって下さい。私はお館様に文を送る支度をしてきます」


“請這樣做。我會準備給您的這位公子寫信?!?(note: I changed the "お館様" to "您的這位公子" as the original term is difficult to translate directly without context)


最初は読み書きすらろくに出來なかった彩だが、靜子がきっちり仕込んだお陰で、今や読み書き算盤が出來る才女となった。


最初無法流利地讀寫的彩,由于靜子的精心教導,現(xiàn)在已成為能夠熟練運用讀寫和計算的才女。


負けず嫌いの蕭も奮闘しているが、流石に勉學した時間が違うので、まだ読み書きしか出來ない。それでも前田利家の血を引く者ゆえか、算盤の腕はめきめきと上達していた。


輸不起的蕭也在奮斗中,但因為學習時間的差異,他僅能讀寫。但因為是繼承了前田利家血統(tǒng)的人,他的算盤技能卻不斷提高。


「ヨロシクねー」


「ヨロシクねー」in Simplified Chinese is "請多關照" (Qǐng duō guān zhào).


「他の者たちには蕭殿から連絡して頂きます。私よりは良いでしょうしね」


"我會讓其他人從蕭殿聯(lián)系,比我的效果更好。"


仮邸宅に移り住んでからか、それとも新しい邸宅は大人數(shù)前提だからか、織田家家臣たちは自身の子を靜子の侍女、もしくは邸宅の使用人、下働きにと派遣するようになった。


自從搬到了臨時住所,或者是因為新的府邸是為大人數(shù)而設計的,織田家家臣開始把自己的孩子派遣為靜子的侍女,或是府邸的使用者、下人。


仮邸宅と言っても彩や蕭だけでは管理しきれず、それ自體は有り難い話だった。だが別の問題が出た。彩が平民の出というのが、家の管理においてネックになってしまった。


即使是稱為暫居宅,由彩和蕭管理也無法完全掌控,這本身是一件令人感激的事。但是另一個問題出現(xiàn)了。在家族管理方面,彩身為平民的身份成為了一個障礙。


靜子の所は良い意味でも、悪い意味でも実力と運が必要不可欠だ。


靜子所在的地方無論是好是壞,實力和運氣都是必不可少的。


今でこそ數(shù)百の兵を任されている玄朗であるが、最初は鍛冶職人であり村を襲われて奴隷になり、その後買い主から逃げて夜盜になるも靜子の部隊に鎮(zhèn)圧される。


現(xiàn)在雖然玄朗被授予指揮著數(shù)百士兵的職務,但一開始他卻是位鐵匠,在他的村莊遭到攻擊后被迫成為奴隸。他曾逃離其主人并干起了盜賊,但最終被靜子率領的部隊逮捕了。


何とか処罰は免れたが、今度は肉盾に近い仕事をさせられた。だが何とか生き延び、様々な武功を上げてようやく靜子隊に組み込まれた経歴の持ち主だ。


好不容易避免了懲罰,現(xiàn)在被迫從事一項類似于肉盾的工作。但是,經(jīng)過努力活下來,并取得了各種成就,終于成為了靜子隊的一員。


弓騎兵隊の隊長格である仁助と四吉も、波瀾萬丈な人生を歩んでいる。


弓騎兵隊的隊長級別的仁助和四吉也經(jīng)歷了波瀾壯闊的人生。


彼らが靜子を信奉するのも、どん底を味わい、最底辺の出自であるにも関わらず、実力のみを評価してくれるからだ。


他們信奉靜子,是因為即使經(jīng)歷了低谷,出生于最底層,并且也只看重實力的她依然得到了大家的認可。


邸宅の中でも靜子の実力主義は変わらず、才女となった彩を側(cè)仕え、かつ家の取りまとめ役に採用している。


府邸中,靜子一向秉持實力主義,聘用才女彩為側(cè)仕,并擔任家中的協(xié)調(diào)者。


ただし、これを面白くないと思う人物がいた。


然而,有人認為這并不有趣。


人事に身分は影響しないと事前に知らされていても、今まで身分社會で生きてきた者にとっては、そう簡単に意識を変えられないかと靜子は若干諦め気味だった。


即使事先知道身份不影響人事,對于一直生活在身份社會中的人來說,改變意識并不容易,靜子有點放棄的傾向。


もっとも、下手な事をすれば家長から手痛い叱責が待っているため、面白くないと思う者たちも、思うだけに終わっていたが。


然而,由于如果做得不好的話,就會受到家長的嚴厲斥責,所以即使有些人覺得無聊,也只是停留在想想而已。


「別に気にする必要はないと思うけどね。何なら彩ちゃんを私の妹にする手もあるよ」


“我覺得你沒必要擔心,如果你愿意,甚至可以將彩作為我的妹妹?!?/p>


「……私如きには有り難いお話ですが、それでは靜子様に頼り切る事になります。もう少し、我が身でどこまで出來るか知りとうございます」


"雖然這對像我這樣的人來說是值得感激的話,但那樣會使靜子完全依賴我。我想知道我還能為自己做些什么。"


「そう? まぁその気になったらいつでも良いよ」


"是嗎?好啊,只要你有心了隨時可以。"


「ありがとうございます。その時にはよろしくお願い申し上げます。では、話は終わりにして、こちらの書類の処理をお願い申し上げます」


"非常感謝。在那個時候請多多關照。那么,談話到此結(jié)束,請?zhí)幚磉@些文件。"


深々と禮をした後、彩は靜子の眼前に書類を積み上げる。ミシリ、と機が悲鳴を上げたのは、決して幻聴ではないだろうと靜子は思った。


深深地鞠了一躬之后,彩在靜子眼前疊起了一摞文件。靜子感覺到桌子發(fā)出了一聲咯吱聲,她想這絕不可能是幻聽。


乾いた笑いを浮かべつつ、最初の一枚目を手に取る。


面帶干笑,拿起第一張圖片。


「は、ははっ、割と多いね」


「啊,啊哈,還挺多的呢」


「今年度の計畫を立てる月ゆえ、色々と処理する書類が多いのです。申し訳ありませんが、本日中に精査をお願い申し上げます」


"由于要制定今年度計劃,所以有很多文件要處理。非常抱歉,請在今天之內(nèi)仔細審查。"


「えー、まぁやるけどさ。あんまり期待しないで欲しいね」


“嗯,好的,但別期望太高了?!?/p>


「本日中に精査をお願い申し上げます」


"請在今天之內(nèi)進行審查"


念を押すような形で再度告げた後、彩は信長に兼続の件を報告するために部屋を後にする。殘された靜子は重いため息を吐いた後、改めて紙に目を通す。


再次強調(diào)了這一點后,彩離開房間向信長匯報了兼續(xù)的事情。留在那里的靜子嘆了一口氣,重新看了看那張紙。


「……ふーむ、割と良い著眼點の計畫だね」


"嗯,這是一個相當好的計劃視角。"


「お、こんな所にいたか靜っち」


“哦,靜姐,你在這里啊。”


紙と付隨していた資料に目を通していると、にこやかな笑みを浮かべた慶次が入ってきた。禮儀もへったくれもなく、入り口の襖を勢いよく開けると、その勢いのまま部屋へ入ってくる。


看著與紙張一起附帶的資料,正面帶著微笑的慶次走了進來。他沒有禮貌地一邊用力打開門一邊沖進了房間。


もっとも、それを見ても靜子は襖が壊れないか心配するだけだった。


然而,靜子看到這一切只是擔心屏風會不會壞掉。


「與六殿の件かな」


"與六殿的事情嗎" would be the Simplified Chinese translation.


「正解。なのでーーー」


"正確答案。因此——" (Zhèng què dá'àn. Yīncǐ——)


「夜通し語り合いたいから、お酒を出してくれ、とは言わないわよね?」


“因為想通宵聊天,所以你不會說出來給我倒一杯酒,對吧?”


瞬間、慶次が笑顔のまま固まる。頬に手を添えた靜子はにっこりと笑顔を浮かべて、冷や汗を流す慶次に向かって言葉を続ける。


頃刻間,慶次的笑容凍結(jié)了。靜子把手放在臉頰上,微笑著朝著出汗的慶次說話。


「肴としてカラスミが欲しい、とも言わないわよね」


"你能不能說你想要墨魚干吃啊?" (Simplified Chinese)


「い、いやぁその通りだよ。流石は靜っち、良く分かったなー。だからお願い、な?」


“是,是的,你說得對。果然是靜同學,理解得真透徹啊。所以拜托你了,好嗎?”


全部察せられた事を知った慶次は、両手を合わせて靜子を拝む。暫く半眼で睨んでいた靜子だが、考えるのが馬鹿らしくなり片手で顔を覆う。


慶次知道了所有的情況,他合起雙手向靜子行了拜禮。靜子一直半瞇著眼睛看著他,過了一會兒,她感到自己想得有點傻,于是用一只手遮住了自己的臉。


「夕餉はブリと野菜の鍋よ。その時にお酒を呑まないなら許可しましょう」


"晚餐是黃鱔和蔬菜的燉菜。如果此時不喝酒,可以允許."


「うっ、鍋で酒禁止はきっついな」


「呃,鍋里禁止喝酒還真難受啊?!?/p>


「これでも割と譲歩しているのよ。普通なら駄目って言う所だしね」


“這也算是比較讓步了。正常情況下會被說不行的。”


腕を組んで唸る慶次だが、流石にこれ以上の譲歩は出來ない。


“腕并起來咕噥著的慶次,但再怎么樣也不能再做出更大的讓步了?!?/p>


金子の立て替えでも割と骨を折ったのだから、ここは靜子の提案を飲むか、飲まないかのどちらか以外に慶次が選べる選択肢はない。


既然金子的墊付費用也相當費力,因此在這里除了接受靜子的提議或不接受之外,桂次沒有其他選擇。


「仕方ない。その條件を飲もう」


"沒辦法。就接受那個條件吧。"


「なら夕餉後に鍵を取りに來て。蔵の地下室に通じる鍵も一緒に渡すから」


"那就晚飯后來取鑰匙吧。我會把通往地下室的鑰匙一起交給你。"


蔵は地上2階が基本だが、酒を保管する蔵のみ地下1階が設けられている。これは地下の方が保存に適した溫度と濕度を維持出來るのが理由だ。


倉庫主要建在地面的二樓,但僅用于儲藏酒品的酒窖則設在地下一層。這是因為地下更容易保持適宜的溫度和濕度以確保儲存品質(zhì)。


一階や二階の場合、人が蔵の扉を開けた時に濕度や溫度が変化してしまう。その點、地下は設備が整っていれば扉の開け閉め程度では気溫や濕度が大きく変化することはない。


在一層或二層的情況下,當人們打開倉庫的門時,濕度和溫度會發(fā)生變化。而地下室只要設施齊備,開關門時溫度和濕度的變化不會太大。


品質(zhì)維持及び、容易く持ち出させないようにするため、あえて酒は地下蔵に保管されているのである。


為了保持質(zhì)量并防止容易帶出,酒被故意保存在地下酒窖中。


「じゃあそれでよろしくー」


那好,就這樣吧。


話し合いが終わると、慶次は手をひらひらと振って立ち去る。一つため息を吐いた後、靜子は手に持っている書類へ再び視線を落とした。


談話結(jié)束后,景次揮手離開。靜子嘆了口氣,然后又把目光投向手中的文件。


それから夕餉の時間になるまで、彼女はひたすら書類の処理をし続けた。


然后直到晚餐的時間,她一直刻苦處理文件。


兼続にとっては驚きの連続だった。屋敷の中に多くの獣が住んでいる事も驚いたが、何より驚いたのは靜子が慶次たちと食卓を一緒に囲む事だった。


對兼續(xù)來說,這是一個驚奇不斷的時刻。他驚訝于屋子里住著許多動物,但更驚訝的是靜子與景次等人一起圍坐在餐桌旁。


武士の飯といえば玄米がたっぷり、それも赤米や黒米が基本だ。副食も漬け物や梅干しなど、塩辛いものだけ、良くて野菜の煮物が出る程度だ。


武士的飯菜是以糙米為主,更是赤米和黑米。配菜只以腌制食品和酸梅干為主,僅有蔬菜煮菜作為小菜。


それが飯は白飯、味噌汁は糠味噌ではなく豆味噌、メインは野菜とブリの鍋だ。それも白飯を食べているのは靜子だけでなく、慶次や才蔵たち家臣、そして侍女の彩に至るまで白飯だ。


那是白米飯,味噌湯不是糠味噌而是豆味噌,主菜是蔬菜和鳶魚火鍋。不只是靜子,慶次、才藏等家臣,以及侍女彩也都吃白米飯。


飯だけでなく副食も何もかも同じ物を食べていた。毒云々以前の話だと兼続は驚愕した。


不僅僅是飯,所有的副食都吃同樣的東西。毒藥什么的之前的事,兼續(xù)都感到震驚。


「あれ、口に合わなかったかな」


"哎呀,難道不適合我的口味嗎?"


箸が進まない兼続に気付いた靜子が食事を止めて質(zhì)問する。その言葉で我に返った兼続は、慌てて首を橫に振る。


察覺到兼續(xù)筷子沒有動靜的靜子停下了進餐,發(fā)問。在聽到這句話后,兼續(xù)恍然大悟,急忙搖頭。


「いえ、白飯など滅多に食える物ではないゆえ、驚きを隠せませぬ」


“不,白米飯等很少有能吃的東西,所以我無法隱藏我的驚訝?!?/p>


「一応栄養(yǎng)価を考えて、たまに赤米や黒米を混ぜる事はあるよ。あっちの欠食児童たちには不人気だけどね」


“為了考慮到營養(yǎng)價值,偶爾會混合紅米或黑米。雖然那邊的缺食兒童不太喜歡。”


あきれ顔で靜子はある方を指さす。彼女の指さす方を向くと、慶次と才蔵、長可が賑やかに飯を食べていた。


靜子面露不悅,指著一個方向。我望過去,看到慶次、才藏和長可正在熱烈地吃飯。


が、よく見ると奪い合うように鍋の具を取り、飯をかき込んではお代わりをしていた。


然而仔細一看,他們搶奪著鍋里的食材,舀著米飯吞下去,還要不停地加餐。


毎日、白飯だけでも十分な量を確保している靜子だが、栄養(yǎng)価を考えて玄米食や、白飯でも5%ほど赤米や黒米を混ぜて、ビタミンやミネラル類を補充している。


每天,靜子確保即使只有白米飯也有足夠的量,但考慮到營養(yǎng)價值,她會加入糙米、紅米或黑米等占白米飯總量的5%,以補充維生素和礦物質(zhì)。


また赤米や黒米は白米と一緒に炊くことで見た目が美しくなり、赤米や黒米獨特の香りが楽しめるご飯となる。


同時煮紅米和黑米與白米混合烹煮,不僅使米飯外觀更加美觀,而且可以品嘗到獨特的紅米和黑米香氣的美味米飯。


全てを赤米や黒米にすれば美味しいと思えない飯になるが、このような「かやくご飯」にすることで、飯にも色々なバリエーションを持たせていた。


把所有的米都用紅米或黑米來做,可能會讓飯菜變得不好吃。但是,通過做出這樣的“菜飯”,可以為飯菜帶來各種不同的變化。


もっとも、常日頃白飯を食べるような慶次たちにとっては、赤米や黒米などの混ぜ物ご飯や玄米食は割と不評なのだが。


然而,對于像慶次這樣平時只吃白米飯的人來說,混合飯如赤米或黑米以及糙米飯等相對不受歡迎。


「それにしても、侍女まで飯が食えるなど、よほどの財をお持ちですね」


"話說,竟然連侍女也可以吃飯,你一定是有很多財產(chǎn)的吧"


「ん? ブリは別だけど、鍋の野菜と米は私が栽培したものだし、味噌は私が作ったものよ。だから、それほどお金はかけてないよ」


"嗯? 除了鯡魚外,火鍋的蔬菜和大米都是我種的,味噌也是我做的。所以,我沒有花太多錢。"


「は?」


"啥?"


靜子の言葉を聞いて、兼続は更に悩む。


聽了靜子的話,兼續(xù)更加煩惱。


(待て待て、栽培だと? 何故、織田家の重鎮(zhèn)が百姓の真似事をしている。これは彼女なりに財を知られないよう誤魔化しているのか。いや、違う。どう見ても本気の目だ。とても人を騙そうとしているようには見えぬ)


(等等,是種植嗎?為什么織田家的重要成員要去模仿農(nóng)民的生活?難道她是在掩飾自己的財富,不讓別人知道嗎?不,不對。她看起來非常認真,似乎并不打算欺騙任何人。)


自分も上杉家で傾奇者だ、常識知らずだと言われたが、靜子の言動はそんな兼続すら困惑するものだった。


自己也是上杉家的傾奇者,被稱為沒有常識,但是靜子的言行讓就連兼續(xù)也感到困惑。


(考え直そう、與六。栽培していると言ったが、ただ管理しているだけだろう)


(重新考慮一下,與六。你說你在種植,其實只是在管理而已吧)


「そういえば靜っち、最近作った施設は何のためにあるんだ?」


“順便說一句,靜子,你最近建造的設施是為了什么?”


「あれは放流する鮭の稚魚を育てているところだよ」


“那里是在養(yǎng)殖放流的鮭魚幼魚?!?/p>


無理矢理納得しかけた兼続だが、慶次と靜子の何気ない會話でまた思考が奈落へと突き落とされる。


無理矢理地接受了兼續(xù),但在景次和靜子的閑聊中,思考又被推入深淵。


(待て待て、放流だと? 鮭の稚魚だと、一體何のためにそんな真似をしておる。というか、何故靜子殿自らが育てているのだ。いや、家臣といえどもいつ寢首をかかれるか分からぬ身、自身の技術はなるたけ秘匿すべきなのだろう)


(等等,這是放流嗎?這是三文魚的幼魚,你為什么要這樣做呢?更重要的是,為什么靜子小姐要親自養(yǎng)育它們?雖然是家臣,但是身處這個危險的世界,個人的技術應該盡可能保密。)


サケやマス類の人工ふ化は、端的に言うと産卵時期の魚を捕まえ、水がかからないように注意しながら採卵し、受精させた後、ふ化に適した環(huán)境の水槽に浸ける。


鮭魚和鮭魚科魚類的人工孵化,簡而言之,就是抓住產(chǎn)卵期的魚,在注意不讓魚接觸水的情況下采集魚卵,受精后將其浸泡在適合孵化的水缸中。


これが近年、サケやマス類の人工ふ化に使われる乾導法という技術だ。この技術は19世紀後半にC. G. アトキンス博士によって確立された。


這是近年來用于鮭魚和鱒魚人工孵化的干導法技術。這項技術是19世紀后期由C. G. 阿特金斯博士確立的。


なお、水がかからないようにする理由は、水がかかると卵が受精したと考え、受精した卵と同じ成長をするが、決してふ化しない未受精卵になるからだ。


此外,避免水淋到蛋的原因是,如果水淋到了卵,則會認為卵已受精,并會像受精卵一樣成長,但最終不會孵化成未受精卵。


「もう少ししたら、他の人が育てている稚魚と一緒に放流するよ。一昨年からやっているから、後1年か2年は成果が出ないけどね。ま、來年ぐらいにいっぱい帰ってくると思うよ、鮭」


"再過一段時間,會與其他人一起將養(yǎng)育的稚魚放流。我們自從前年開始做這件事,前一兩年可能不會看到成果。但我認為明年應該會回來很多鮭魚。"


(いやいやいやいや、待て待て。鮭が獲れる川は知行地として與えられるほどの川。武田は獲った鮭の実じつに半分近くを稅として納めさせておる。その鮭を増やす技術を、何故ほいほい他の者に教えておるのだ?。?/p>


(哎呀呀呀,等等。能夠捕獲鮭魚的河流是被授予作為領地的河流。武田確實向稅收繳納近一半的鮭魚。為什么要輕易地教給其他人增加鮭魚的技術?。?/p>


彼が悩むのも仕方ないが、実は靜子はある政策を行っており、彼女の技術を他人が知っても特に問題なくしている。


雖然他感到困擾,但實際上靜子正在執(zhí)行某項政策,即使別人知道她的技術也沒有什么問題。


それが特許だ。特許とは社會に有益な発明をした人物や組織が、一定期間獨占的な権利を有する事を保障する制度だ。


那就是專利。專利是一項保障社會受益發(fā)明的個人或組織,在一定期間內(nèi)擁有獨占權利的制度。


商工業(yè)を獨占したり、特許を利用したい者たちから特許料を徴収したりできる。特許は諸刃の剣ではあるものの、職人が有益な技術を秘匿したまま、技術が消失する事が防げる。


可以向想獨占商業(yè)或利用專利的人收取專利費。雖然專利是一把雙刃劍,但工匠們能夠?qū)⒂杏玫募夹g保守秘密,防止技術消失。


また、発明者が開発意欲を失ったり、新しい事業(yè)、新しい市場の開拓に対する意欲が失われる事も防げる。


同時,也能夠避免發(fā)明者失去開發(fā)熱情、失去開拓新業(yè)務、新市場的意愿。


無論、制限なき優(yōu)先権ではない。市場獨占には一定の制限がかかり、特許料についても支払う方に不服があれば異議申し立てが可能となっている。


無論是沒有限制的優(yōu)先權,還是市場壟斷,都存在一定的限制,對于專利費用,如果支付方不滿意,可以提出異議。


もっとも大事な事だが、特許と認定された內(nèi)容を他國に売れば、厳しい罰則が課される。


如果將被認證為專利的內(nèi)容賣給其他國家,將會面臨嚴厲的懲罰,這是最重要的事情。


技術のランクにもよるが最低でも一家全員斬首、基礎研究などの根幹技術になれば族滅、いわゆる一族郎黨全員が斬首に処されることもある。


這取決于技術的級別,但至少需要斬首整個家族。如果成為基礎研究等核心技術,則可能會導致族滅,即所謂的整個家族都會被處以斬首之刑。


一族以外の関係者がいれば、関係者にも拷問を含む尋問がされる。


如果族外人員在場,相關人員也會受到拷問,包括審問。


特許に関しては様々な刑法が制定されているが、情報漏洩やスパイ行為は特に厳しい対応が取られるようになっている。


在專利方面,雖然制定了各種各樣的刑法,但信息泄漏和間諜行為尤其受到嚴厲的懲罰。


(ぬー、分からぬ)


(不知道,不明白)


その辺りの事情を知らない兼続は散々考えて、そして最後に考えることを放棄した。大人しく白飯を食おうと飯を口に入れた瞬間、入り口の襖が勢いよく開け放たれた。


不知道那里的情況的兼續(xù)思考了很久,最后放棄了思考。他靜靜地吃著白飯,就在這時,門被猛地推開了。


「靜子ぉ……はりはり鍋が延期とはどういう事じゃあ?!」


“靜子啊……火鍋宴延期是什么情況啊!”


勢いよく襖を開けたのはお市だった。後ろで茶々と初が、両手を広げて襖を勢いよく開けるポーズをしていた。ここの住人は勢いよく襖を開けるのが禮儀なのか、と兼続は半分呆れた。


迅速地推開屏風的是小市。在后面,茶々和初都擺出了雙手張開、迅猛推開屏風的姿勢。這里的居民推開屏風似乎是一種禮儀,兼續(xù)感到有些驚訝。


「いや、だから言ったじゃないですか。肉を熟成させるのだから、少し待ちますよって」


“不,我是說了的。因為需要讓肉成熟,所以需要等一下?!?/p>


「うむ、聞いておらんぞ。だから妾は知らぬ」


“嗯,我沒有聽到。所以我不知道?!?/p>


「そこを偉そうに言わないで下さい。幾ら解體前に熟成しているとはいえ、もう少し待つ必要があるのですよ。大丈夫です、明日には食べられますから」


“請不要自以為是地說那個。雖然它在拆解前進行了一定的陳化,但是還需要再等一段時間。不用擔心,它明天就可以吃了?!?/p>


鯨は人間より少し體溫が高い。そのため、高い溫度で腐敗しないよう腹部を裂き(內(nèi)臓は捨てずに殘す)、16時間ほど海中に入れて溫度を低溫に保ち、肉の熟成をする。


鯨魚的體溫比人類稍高。因此,為了防止在高溫下腐爛,需要裂開腹部(但不丟棄內(nèi)臟),將其放入海中約16小時以保持低溫,以便讓肉類成熟。


捕鯨後、港に運ばれた鯨は神事の後に、この作業(yè)が必ず行われる。ゆえに神事が終わった後、1日待たねば鯨の肉は手に入らない。


捕鯨后,運到港口的鯨魚必須在祭祀之后進行這項工作。因此,祭祀結(jié)束后必須等待一天才能獲得鯨肉。


その事は事前に伝えていたはずだが、お市の耳には屆いていなかったようだ。


應該事先已經(jīng)告知了那件事,但似乎并未傳到市政的耳朵里。


「ぐぬぅ、仕方ない。ならば今日はその鍋で許してやる」


“嗯,沒辦法。那么今天就用那個鍋原諒你吧?!?/p>


「許してやるも何も、これは私の夕餉ですが……というかそちらにも夕餉が用意されているでしょう」


「原諒還是怎樣的,這是我的晚飯...... 話說你們那邊也已經(jīng)準備好晚飯了吧?!?/p>


「冷えた飯など食えたものではない。それに旨いものは皆で囲んで食べるべきだ、と濃姫殿も言われていたしな。これ、母はお前らの面倒なぞ見ぬぞ。靜子に見て貰え」


“吃冷飯什么的都不行。而且好吃的東西應該大家一起圍坐在一起吃,濃姬殿也這么說過。這件事情,母親已經(jīng)不管你們了。請讓靜子來照顧你們?!?/p>


言うやいなやお市は空いている席に腰を下ろす。茶々や初も隣に腰を下ろそうとしたが、お市は無情にも我が子を追い払う。


說完這句話,小市坐在空著的座位上。茶茶和初想要坐在她旁邊,但小市卻無情地趕走了自己的孩子。


だが慣れたもので、茶々と初はそのまま靜子の方へ行くと、適當な場所に陣取った。


但是因為已經(jīng)習慣了,茶茶一開始就直接走向靜子那邊,并且在一個合適的地方占了個位置。


(男も女も関係ない。旨いものは皆で囲んで食べるべき、か。何とも型破りな話だ……だが悪くはない)


男女不限,好吃的應該大家一起圍坐享用,這是個頗為另類的說法……但并不是壞事。


知らず知らずの內(nèi)に兼続は笑みを浮かべていた。


不知不覺間,兼續(xù)露出了微笑。


「風呂とは良いものだ」


“洗澡是一件好事”


人生初の入浴を経験した兼続はご満悅だった。全身ぽかぽか狀態(tài)の兼続は、慶次が寢泊まりしている庵へ向かう。


經(jīng)歷了人生中第一次沐浴的兼續(xù)非常開心。全身暖洋洋的他走向慶次在庵里睡覺的方向。


仮邸宅の庭にある庵は大きく見積もっても6畳程度と、広いとは言い難いが俗世から切り離された靜寂な風情があった。


暫居住處的庭院里的小屋就算估計也不過六畳左右,說它寬敞還是有些勉強,但卻帶有與塵世隔絕的靜謐氛圍。


「まずは一獻」


"先來一杯" (Xiān lái yībēi)


慶次が用意した茶碗二つに酒を注ぐと、片方を兼続に差し出す。兼続が受け取ると、慶次はニヤリと笑うと胡座をかく。兼続もそれにならう。


慶次為兩只茶碗倒上酒,將其中一只遞給兼續(xù)。兼續(xù)接過酒后,慶次咧嘴笑了笑,然后盤腿坐下。兼續(xù)也跟著坐下。


「変わった器だな」


"這是個不同尋常的容器"


「靜っち曰く茶碗酒って奴さ。本來は茶を飲む器で酒を呑む。何とも痛快な話ではないか」


“靜說酒杯叫做茶碗酒。本來是用來喝茶的器皿,結(jié)果變成了喝酒的器皿。這是個令人感到痛快的故事?!?/p>


「確かにな」


"確實"


茶の湯は上流階級の娯楽として定著しているが、その為に使われる器であえて酒を呑む。型破りな話だが、何とも小気味よい話だと兼続は思った。


茶道作為上流社會的娛樂已經(jīng)定著,但是茶道具也被用來飲酒,這種打破常規(guī)的故事非常有趣,兼續(xù)想到。


酒が月明かりを反射するのに気付いた兼続は、茶碗の中を覗き込む。


看到酒在月光下反射,兼續(xù)低頭看著茶碗。


「水のように透き通っておる。月明かりを映すのも當然と言えよう」


“像水一樣清澈透明。可以說自然也會反射月光?!?/p>


「眺めるのはそこまでにして、まずは呑もう」


“先別看風景了,先喝點吧。”


言うやいなや慶次は茶碗を傾けて、一気に飲み干す。少し遅れて兼続も慶次と同じく茶碗の酒を一気飲みする。


說完這話,景次一口倒空了茶碗里的酒。稍稍落后的兼續(xù)也像景次一樣,一口氣喝完了酒。


「……旨い! それしか語れぬ」


"太好吃了!只能這樣形容"


「良いものに言葉はいらないさ」


“好東西不需要言語”


カラになった茶碗へ互いに酒を注ぐ。


倒酒到空碗中。


「そうだな……うむ、この肴も旨い。酒がどんどんすすむな」


"嗯……好的,這小菜也很不錯。酒越來越好喝了。"


カラスミを一切れ口に入れ、続いて酒を口に流し込む。何とも言えぬ旨さが口の中に広がった。


將一片魚籽放入口中,然后倒入酒。一種難以形容的美味在口中彌漫開來。


酒のあてなど常に塩で、それも數(shù)回に一回つけば良い方の兼続にとって、カラスミは望外の逸品であった。


酒肴常常加鹽,但對于像兼續(xù)這樣只需每幾次才沾一次的人來說,魚子醬是一款意料之外的美味。


それからは酒の旨さに太鼓判を押しつつ、二人は談笑する。話す內(nèi)容は色々だった。勿論、機密に関する事は互いに口が軽くなる訳にはいかなかったが。


然后兩人一邊稱贊著酒的美味,一邊閑談。他們談論的內(nèi)容很廣泛。當然,有關機密的事情他們并不敢多嘴。


「いや、しかし本當に羨ましい。このような酒を呑めるなど早々ない。我が主君が褒めるのも無理はない」


"不,但真是太羨慕了。能喝到這樣的酒不容易。我的主人夸獎也是無可厚非的。"


「靜っちは知行地がないからな。土地を與えられない代わりに、って言って色々と融通してくれる。まぁたまに飲み過ぎて叱られる事もあるけど」


“靜子沒有自己的土地,但是代替土地,領到了其他一些補貼,能夠靈活運用。雖然有時會因為過度飲酒而受到指責?!?/p>


叱られている割に、全く懲りていない雰囲気の慶次だった。笑いながら兼続が茶碗に口をつけると、どこからともなく良い匂いが漂ってきた。


雖然被斥責了,但景次的氣氛仍然完全沒有反省。當兼續(xù)微笑著喝茶時,從某個地方飄來了好聞的氣味。


気になって周囲を見回すと、慶次も匂いに気付いたようで、しきりに匂いの元を探っていた。


注意到周圍的氣味,景次也開始尋找氣味的來源。


「入るぞ」


"入門了"


その言葉と同時に襖が開けられる。続いて大皿を片手に才蔵と長可が部屋に入ってきた。匂いの元は才蔵が持っている皿だと二人は気付く。


隨著那句話,推拉門被打開。接著,才藏和長可手拿大盤子進了房間。兩個人察覺到氣味來自才藏手中的盤子。


大皿を中心に置くと才蔵は適當な場所に腰を下ろす。持っていた酒瓶を大皿の橫に置くと、長可も同じように座る。


把大盤子放在中心,才藏便在一個合適的地方坐了下來。他把手里的酒瓶放在大盤子旁邊,長可也跟著坐了下來。


「お前がこっちに來るなんて珍しいな。お、焼き鳥とはまた豪勢だな」


“你能來這兒可真少見啊。哦,烤雞肉串真是豪華啊?!?/p>


「……靜子様が『男が話し合うならコレでしょ?』と仰って、我々に酒と肴を下されたのだ」


「……靜子女士說:『如果是男人之間的談話,這不是理所當然嗎?』然后她給了我們酒和小菜。」


「中々粋いきな事するじゃん。では早速……うむ、旨いな」


"做得還挺別致啊。那么,馬上來……嗯,很好吃。"


今も兼続を警戒する才蔵に、靜子は腹を割って話し合えと、彼をここへ送り込んだのだと慶次は理解した。


慶次理解了,靜子派遣才藏到這裡後讓他小心兼續(xù),並且坦率地交談。


長可は気にしていないのか、手早く酒を自身の茶碗に注ぐと、焼き鳥片手に才蔵の行動を見守っていた。


長可并沒有在意,他迅速地將酒倒進了自己的茶碗,一邊拿著烤鳥肉,一邊觀察著才藏的行動。


「まずは呑め。呑めぬとは言わさぬぞ」


"先喝一口。不喝就別說了。"


言うやいなや空っぽになった兼続の茶碗に、才蔵がなみなみと酒を注ぐ。隨分呑んだ兼続だが彼は笑みを浮かべていた。


才蔵一說完,立即向已經(jīng)空了的兼續(xù)的茶碗中倒?jié)M了酒。雖然兼續(xù)已經(jīng)喝了很多了,但他仍帶著笑容。


「おい、越後人を舐めんなよ。これぐらいどうってことねぇよ!」


“喂,別小看越后人。這點事情算不了什么!”


注がれた酒などなんのその、兼続は酒を一気に飲み干す。ニヤリと笑うと、才蔵は自分の茶碗を突き出す。注つげ、という意味だと理解した兼続は、同じように酒をなみなみと注ぐ。


倒入的酒什么的都不要緊,兼續(xù)一口氣把酒喝干。他咧嘴一笑,才藏便端起自己的茶碗。兼續(xù)理解了“斟滿”的意思后,也滿滿斟滿了自己的酒。


才蔵も兼続と同じように酒を一気に飲み干した。


才藏也像兼續(xù)一樣一口氣喝光了酒。


「侮るなよ、小僧。こっちは大酒飲みと付き合っているのだ。越後人など片手で捻ってくれる」


“別小看我,小子。我交往的是個大酒鬼。像越后人這樣的人我一個手指頭就能搞定?!?/p>


「そっちこそ越後人を舐めるなよ。先に慶次殿と呑んでいた量など、この俺にとっては不利にならない事を証明してやる」


“不要小瞧越后人。我可以證明,像桂次先生一樣喝酒的量對我并不會產(chǎn)生不利影響。”


そこからは互いに酒を一気に呑む、慶次と長可がなんやかんやはやし立てながら、自分たちもしっかり呑んでいた。


從那時起,景次和長可相互一飲而盡,雖然他們也在喝酒,但他們依然在開玩笑。


ペースを考えずノリと勢いで呑んで騒いだため、翌日、四人は揃って二日酔いに近い狀態(tài)になったのは言うまでもない。


由于不考慮速度而是隨性喝鬧,第二天四個人都陷入了接近二日醉的狀態(tài),這是不言而喻的。


技術街や醸造街はたとえ上杉家の者でも入る事は葉わぬが、港街と靜子が関わっている街は普通に出入り出來る。


技術街或釀酒街即使是上杉家的人也不能進入,但港口和靜子所涉及的城市可普通出入。


二つのどちらにも言える事だが、料理店が並ぶ場所は胃が刺激される香りが漂っていた。特に港街は海の幸が豊富に集まる関係で料理店が多く、それゆえ各店がしのぎを削っていた。


這是一件可以適用于兩種情況的事情,那就是,餐館所在的地區(qū)彌漫著讓胃口被刺激的香氣。尤其是港口城市,由于海鮮豐富,餐館非常多,因此每家餐廳都在競爭中努力生存。


「どの店も腹に訴える匂いだ」


每家店都有讓人感到肚子發(fā)餓的氣味。


周囲に漂う匂いを嗅ぎながら兼続は呟く。そこまで腹は空いていないが、それでも何か食べたくなるほどかぐわかしい料理の香りだ。


聞著周圍彌漫的香氣,兼續(xù)喃喃自語。他并不是很餓,但這種芳香撲鼻的料理還是讓他覺得想吃點什么。


「ははっ、ここは靜っち肝いりの場所だからな。どこも旨いが、やはり一番人気は鰻靜だろう。あそこは靜っちから秘伝の『タレ』とやらを貰って、鰻丼や鰻重を始めたそうだがこれが大流行おおはやり。鰻が沢山獲れた日にゃ長蛇の列が出來るぜ」


“嘿嘿,這里是非常重視寧靜的地方。每家店都很好吃,但最受歡迎的當屬鰻魚靜吧。據(jù)說,那里得到了靜大師的秘傳‘醬油’,開始推出鰻魚飯和鰻魚重,結(jié)果大熱起來了。每當有大量捕獲鰻魚的日子,那里就排起了長隊?!?/p>


隣を歩く慶次が、どの店に入ろうか悩みつつ兼続に説明する。


與其難以決定到哪家店里去,慶次一邊走路一邊向兼續(xù)解釋。


「食ってみたいが、そこまで人気だと並ぶのも大変だな」


“想嘗一嘗,但排隊也太辛苦了吧,太受歡迎了?!?/p>


「大流行過ぎて、たまに喧嘩まで起きるほどだ。お陰で靜っちが鰻の養(yǎng)殖を計畫するまでになった」


"流行得太厲害,有時甚至會引發(fā)爭吵。感謝這一點,靜君開始計劃養(yǎng)鰻魚了。"


「……前も聞いたが、何故わざわざ増やそうとする。魚など幾らでも獲れよう」


"我之前聽過,但為何要特意增加呢。像魚這樣的東西,照樣可以捕到很多。"


養(yǎng)殖とは対象の生物を人工的に育てる産業(yè)だ?,F(xiàn)代のように海洋資源の枯渇が心配されるならともかく、外洋にも出られない時代では海洋資源が枯渇するような事は中々起きない。


養(yǎng)殖是一種人工飼養(yǎng)動植物的產(chǎn)業(yè)。盡管如今海洋資源枯竭成為了一種擔憂,但在外洋無法到達的年代,海洋資源枯竭的情況并不多見。


何百年に一度の異常気象が起これば話は別だが、戦國時代の気候は現(xiàn)代より寒くとも安定を保っている。海洋資源が危険に曬される事はない。


若出現(xiàn)百年難遇的異常天氣,則情況另當別論,但戰(zhàn)國時代的氣候即便較現(xiàn)代更寒冷,也相對穩(wěn)定。海洋資源不會受到危害。


「獲れたとして、民の口にどれだけ入るかね」


"即使得到了,也能贏得民心嗎?"


「は?」


"哪?"


一瞬、兼続は慶次の質(zhì)問の意図が分からなかった。慶次は煙草が入っていない煙管を口で上下に動かしながらも真面目な表情をする。


一瞬間,兼續(xù)不明白景次的問題意圖。景次一邊上下移動沒有裝煙草的煙管,一邊保持認真的表情。


「魚が豊富に獲れようとも、民がその魚をどれだけ食える。お上の連中だけが食って、下々の連中が食えないのなら何も変わらない」


“無論魚類豐富多彩,人民能吃多少呢?如果只有上面的人吃魚,底層人民無法享用,那么什么也沒有改變?!?/p>


「……つまり、運次第の海に頼らず自分たちで確実に取れる食い扶持を増やす、という事か」


“也就是說,增加自己穩(wěn)定的謀生手段,而不是僅僅依賴運氣不可預測的海洋資源。”


「織田の殿様が天下を統(tǒng)一すれば、自ずと戦はなくなっていく。今までのように食い扶持を確保する戦は出來なくなる。そうなったらものの取り合いだ。取り合いをすれば、やがて何もかも食らいつくしてしまう」


“如果織田殿下統(tǒng)一天下,戰(zhàn)爭自然會逐漸消失。將無法像以前那樣通過戰(zhàn)爭來確保生計。那樣只能是互相爭搶資源。相互搶奪的話,最終會吃光一切?!?/p>


少し寂しそうな聲色で慶次は言葉を続ける。彼は生粋のいくさ人だ、いくさがなくなれば彼は死に場所を失う。いくさ人にとって、死に場所を失うほど辛いことはない。


“慶次用有點寂寞的語調(diào)接著說。他是個天生的武士,如果沒有戰(zhàn)爭,他就失去了死亡的地方。對于武士而言,沒有比失去死亡之地更痛苦的了。”


それでも彼は靜子の所を離れない。例えいくさ場を失う事になろうとも、彼女が信長の元で作ろうとする新しき世を見てみたいのだ。


即使失去了戰(zhàn)場,他也不會離開靜子的身邊。他想要看看她在信長的領導下創(chuàng)造的新世界。


自分でも難儀な性格だと慶次は思った。いくさ人としての死に場所を求めながら、新しき世がどの様な形になるのか見てみたい、そんな矛盾する想いを抱くのだから。


“景次意識到自己也是個難搞的人。他不僅想尋找戰(zhàn)場上的死亡,而且還想看看新世界會變成什么樣子,這種矛盾的想法充斥著他的心。”


「おや、そこにおわすは慶次様ではございませぬか」


“哦,您在那里的不是慶次大人嗎?”


急に聲をかけられた慶次は後ろを振り返る。そこにはでっぷりと肉付きの良い女性がいた。お供の女が後ろに控えている所から偉い立場の人間だと窺える。


突然被叫住的慶次回頭看去,發(fā)現(xiàn)一位身材豐滿的女性站在背后。從旁邊守候的女伴來看,她應該是地位很高的人。


「咲さき殿か。珍しいな、こっちに出向いてくるなんて」


"咲大人啊,很少有人主動過來這邊呢,這可真少見。"


「ほっほっほ、ようやくこっちに店を構えて良いって許可が下りたからね。下見も兼ねての見學さ」


“呵呵呵,終于得到了能在這里開店的許可。這也是來考察的一部分?!?/p>


本名不明、女郎からは咲と呼ばれる女性は、港街にある花街?二之區(qū)の有力者だ。琴と音が細身で美人なのに対し、咲は太っている方であり、決して美人とは言い難い。


這位名字不明的女性被從女郎那里稱作“咲”,她是港口城鎮(zhèn)二之區(qū)的一位有影響力的花街人物。與纖瘦美麗的琴和音不同,咲的身材較胖,很難說她是美女。


しかし、いつも優(yōu)しく、時に厳しくも愛のある叱咤をする咲は、二之區(qū)の女郎から「かかあ様」と呼ばれるほど慕われている。


然而,因為總是溫柔,有時又會嚴厲地給予帶有愛的斥責,咲備受崇拜,被二之區(qū)的女郎們稱為“老大娘”。


「ああ、おたくんとこは瘡毒そうどく出したものな」


"哦,你家的確患上了瘡毒。"


瘡毒、またの名を梅毒という感染癥にかかった人間が、かつて咲が管理する二之區(qū)から出てしまった。それも靜子の街へ支店を構える許可が出る直前である。


患有瘡癰(又稱梅毒)感染病的人從咲所管理的第二區(qū)逃出來了,并在直子市獲得建立支部的批準前離開了該區(qū)域。


基本的に性行為で感染する病気ゆえ、靜子が管理する街へ支店を構える許可は取り消され、新たな患者が出ない事が條件に加えられた。


由于基本上是通過性行為傳播的疾病,因此靜子所管理的城鎮(zhèn)被取消了支店的設立許可,并加入了不再出現(xiàn)新病患的條件。


「一時は本當に參ったけど、靜子様のお陰で何とか治ったよ」


“一開始真的很掙扎,但靜子女士的幫助下我終于康復了?!?/p>


「おー、という事は二之區(qū)閉鎖は解除されたのか」


“哦,這意味著二之區(qū)的封鎖解除了嗎?”


梅毒が出た以上、感染拡大を防ぐ為に靜子は二之區(qū)を一時的に封鎖していた。商売あがったりだが、こればかりは契約の関係上、受け入れて貰う以外にない。


由于患了梅毒,靜子暫時封鎖了二區(qū)以防止感染擴大。雖然這對生意產(chǎn)生了影響,但由于合同關系,她不得不接受客人。


「ほっほっほ、ようやく商売再開だよ。これから損した分を取り戻さないとね。それじゃ、あたいはこれで失禮するよ」


"嘿嘿嘿,商業(yè)終于可以重新開始了。接下來要賺回之前的損失。那么,我先失陪了。"


慶次たちに別れの挨拶をした後、咲はお付きを引き連れてどこかへ立ち去った。


在向慶次他們告別后,咲帶著她的隨從離開了。


「ふーむ、色々とあるのぅ。っと、いかん。俺たちも酒を買って帰ろう」


“嗯,有很多事情呢。那么,走吧。我們也買點酒回家?!?/p>


「中々に興味深い話だった。今夜の酒の肴にしよう」


"這是一個相當有趣的故事。讓我們把它當作今晚酒的開胃菜。"


笑いながら二人は酒屋へ向かう。靜子の倉に酒はたんまりあるが、たまには外で売られている酒も呑んでみたい二人は、手頃な酒を何種類か購入して帰路につく。


笑著的兩個人朝著酒屋走去。雖然靜子的倉庫里有很多酒,但兩人想嘗試一下外面出售的酒,于是購買了一些相對便宜的酒回家。


道中何事もなく帰宅した二人だが、靜子の邸宅前まで來た時、異変に気付く。


兩人平安無事地回家了,但當他們來到靜子家前時,察覺到了異常。


「あん? なにやら人が多くないか」


「???好像有很多人呢」。


普段はそれほど人が多いわけでもなく、人の出入りも少な目な靜子の邸宅前が人でごった返しになっていた。格好からして身分の高い者の従者だという事が分かった。


通常情況下,靜子的住宅前并不那么擁擠,人們的出入也相對較少。但這一次,看起來身份很高的隨從們讓這里變得熱鬧非凡。


二人は首を傾げながらも彼らを避けて家へ入る。入ってすぐ、嗅いだことのない香りが鼻腔をくすぐった。良く嗅げば発酵食品のような酸っぱい感じだが、一癖ありそうな香りと分かる。


兩人雖然歪著頭避開他們,走進了房子。剛進去就聞到了從來沒聞過的味道,刺激著鼻腔。如果好好嗅一下,就會感到一種酸酸的發(fā)酵食品般的味道,但可以意識到它是一種獨特的氣味。


「……あ、まさかっ!」


"哎呀,不會吧!"


何かに思い至った慶次が慌てて駆け出す。一瞬、驚いた兼続だがすぐに彼の後を追う。鋭敏な嗅覚で香りの元へ走る慶次だが、少しして彼は足止めされる。


某件事讓慶次想到了什麼,他慌忙奔跑出去。兼続一開始感到驚訝,但隨即追上了他。憑藉著敏銳的嗅覺,慶次跑向氣味的來源,但不久便被攔住了。


「ここより先は殿がおられる。何人たりとも通すわけには參らぬ」


「在這里之后,殿下在那里。無論多少人都不能通過?!?/p>


慶次の前に立ちはだかったのは堀だ。彼を見て、慶次は地団駄を踏む。誰がこの家に來て、何をしているか理解したからだ。


在景次面前擋路的是堀??吹剿按味逯_。因為他理解了誰來到這個家,做了什么。


「くそ、何かしようとしているのは分かっていたが、まさか今日だったとはっ!」


"該死,雖然知道他在想些什么,但沒想到會是今天!"


「諦められよ」


"放棄吧"


話の流れについて行けない兼続は目を丸くする。


兼續(xù)跟不上話題的轉(zhuǎn)變,眼睛瞪得圓圓的。


「構わぬ」


不關心。


一體何が起きているか、慶次に尋ねようと兼続が言葉を口にしようとした瞬間、廊下の奧から有無を言わせぬ迫力を秘めた聲が飛んできた。


剎那間,兼續(xù)正要問慶次到底發(fā)生了什么,就聽到從走廊深處傳來一道充滿威勢的聲音,不容置疑。


その言葉を耳にした瞬間、堀は脇に避けて跪いた。慶次もばつの悪そうな顔をして、廊下の脇へ避ける。


聽到這句話的瞬間,堀側(cè)身跪下。景次也露出不悅的表情,躲到了走廊的側(cè)面。


「旨いものは皆で共有すべきだ。が、一番に味わうのはわしだがな」


“美味的東西應該被大家分享,但最先品嘗的應該是我?!?/p>


奧から現(xiàn)れたのは信長だった。彼は未だオロオロとしている兼続を見據(jù)えると、唇の端を吊り上げて言葉を発した。


從深處出現(xiàn)的是信長。他看著還處于困惑中的兼續(xù),嘴角揚起,說道。


「貴様が上杉の者か」


"你是上杉家的人嗎?"


その一言で靜寂が場を支配する。


那句話讓寧靜支配了現(xiàn)場。


冷や汗を流した兼続は、何かを言おうとした。だが、言葉が口から出る事はなかった。


流了冷汗的兼續(xù)想說些什么,但是他的口中無法說出任何話。


信長から感じる重圧に耐えるだけで、今の兼続は精一杯だった。上杉景勝の右腕になっている時ならまだしも、今は近習、それも12歳程度の若造だ。


面對信長的壓力,現(xiàn)在的兼續(xù)竭盡全力挺過去。如果成為上杉景勝的得力右手還好,但現(xiàn)在只是個近臣,而且只是個12歲左右的年輕人。


數(shù)多の戦を駆け抜け、魑魅魍魎が跋扈する京で何年も公家や仏家と爭い、時に協(xié)力して政治を取り仕切っている信長を前に、彼は知らずの內(nèi)に足がすくんでいた。


在頻繁經(jīng)歷數(shù)次戰(zhàn)斗後,在魑魅魍魎橫行的京都城,多年以來與公家和佛教團體爭斗,有時會協(xié)助管理政治的信長站在前方,他毫不知情地畏縮不前。


だがそれを悟られまいと兼続は精一杯の虛勢をはる。


但是為了不被察覺,兼續(xù)盡力裝作很強大的樣子。


「ふっ……堀よ、まもなく靜子が南蠻の食い物『ぴざ』とやらを焼き上げる。貴様は人を連れてそれを運ばせよ。焼きたてが旨いらしいからの。はよぅ運ぶように厳命しろ」


「嗯......堀,靜子很快就要烤南蠻披薩了。你帶人去運送它。聽說新鮮出爐的味道很好。趕緊去運送吧。」


全てを見抜いた信長だが、兼続の虛勢には觸れず堀へ命令を飛ばす。一瞬だけ兼続を見た堀だが、すぐに恭しく信長へ禮をすると、靜かに立ち去った。


信長看透了一切,但沒有觸及兼續(xù)的空洞。他下令挖掘防御工事。堀只是瞥了一眼兼續(xù),然后恭敬地向信長鞠躬,并靜靜地離開了。


「わしが何をしたいか知りたくば、靜子と民を良く見ておけ。そこに貴様の求める答えがある」


如果你想知道我想要什么,就好好看看靜子和民。你所尋求的答案就在那里。


それだけ言うと信長は一度も振り返らず、兼続の橫を通り過ぎて廊下の向こうに消えた。信長が消え去って暫くしてから、兼続はようやく息を吐き出す。


只說完那句話,信長就沒有回頭,從兼續(xù)的旁邊經(jīng)過,消失在走廊的另一邊。信長消失后過了一會兒,兼續(xù)才終于松了口氣。


知らず知らずの內(nèi)に緊張し、呼吸する事すら忘れていた。それほど信長の存在は異質(zhì)だった。極めて自然體なのに油斷すれば喉を食い千切られるような雰囲気を感じた。


不知不覺中我變得很緊張,甚至連呼吸都忘記了。信長的存在如此獨特,雖然非常自然,但一旦放松警惕就感到像是喉嚨被撕裂般的氣氛。


(あれが……敵ならば仏家すら滅ぼす第六天魔)


(那是……若是敵人的話,即使佛門也會被摧毀的第六天魔)


信長のニックネームにもなっている第六天魔。しかし、この名が付けられたのは信長が初ではない。


第六天魔成為信長的綽號,但這個名字并不是信長首先得到的。


有名な人物としては最初は延暦寺の天臺座主についたが、後に還俗げんぞくして足利將軍となった足利義教も、延暦寺と敵対した時に第六天魔の名で呼ばれていた。


作為著名人物,足利義教最初跟隨延暦寺的天臺座主,但后來還俗成為足利將軍。當延暦寺與其敵對時,足利義教也被稱為第六天魔。


他にも二回目の延暦寺焼き討ちを行った細川政元など、延暦寺と敵対すると延暦寺関係者や民衆(zhòng)から第六天魔の名で呼ばれる事が多い。


除了細川政元進行第二次延壽寺焚毀之外,與延壽寺敵對的人常被稱為第六天魔,他們是延殿關系者或民眾。


(言葉では表せぬ、何とも言えない人だ)


(無法用語言表達,難以言說的人)


兼続は暫く取り憑かれたように、信長が去った方を見続けていた。


兼續(xù)如同被附身一樣,一直注視著信長離去的方向。


【ChatGPT機翻】戰(zhàn)國小町苦勞譚 (戦國小町苦労譚) - (87) [千五百七十二年 三月上旬]的評論 (共 條)

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