徒然草 第82段「羅の表紙は、疾く損ずるがわびしき」と人の言ひしに、?吉田兼好

羅の表紙は、疾く損ずるがわびしき:草子などで開いたり閉じたりしたときに切れやすい部分には「羅<うすもの>」と稱する薄い織物を張った。しかし、すぐに破損するので、困ったものだ。
頓阿:<とんな>。兼好の親友。二階堂貞宗。當(dāng)代切っての歌人 の一人。
羅は上下はつれ、螺鈿の軸は貝落ちて後こそ、いみじけれ:羅は表も裏もこすれて生地がほつれてこそ、また、螺鈿(貝のピンクに輝く部分を剝いで、巻物などの軸に象嵌した裝飾)なども貝が落ちてしまったようなものが、すばらしいと、頓阿が言った。
一部とある草子などの:草子を何冊(cè)かまとめて一部とした(合冊(cè)したのか?)書物。ここでは破損の程度が異なるものを合冊(cè)したので色とりどりになってしまって見(jiàn)にくいというのであろう。
弘融僧都が:<こうゆうそうず>は仁和寺の僧侶。
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