原文：檄「げき」

サッカーのワールドカップ。日本代表の試合ではテレビにかじりつくようにして、聲援を送った人が多かったはず。 サッカーのみならず、スポーツ中継は人気番組のひとつですが、最近の中継放送でとても気になる言葉があります。それは「檄（げき）」。 テレビの野球中継で聞く「檄」は、ピンチを迎えたピッチャーにベンチの監(jiān)督から「檄」が飛ばされる、というケースが多いようです。こういう放送を聞くと首をかしげざるをえません。スポーツ紙でも同様の表現(xiàn)を見ることがあります。 「檄を飛ばす」というのは「激勵(lì)する」ことだと思いこんでいるのかもしれません。 他の人が使っている言葉でも、自分が意味を把握していない言葉は、しっかり調(diào)べてから使わないと、とんだ失敗をすることになります。 辭書を調(diào)べると、「檄」は本來(lái)「自分の考えを人々に知らせ、決起をうながす文」となっている。昔の文は木簡(jiǎn)だったから、「檄」は木偏なのです。だから激勵(lì)の「激」とはまったく別物であることがわかります。 そういえば、アフガニスタンへのテロ報(bào)復(fù)攻撃の際、タリバンの指導(dǎo)者は、空爆に追い詰められながらも「聖地カンダハル死守せよ」と無(wú)線で檄を飛ばしていると伝えたニュースがありました。これこそ正しい「檄」の使い方なのです。 ただ、スポーツ紙では「ゲキ」とカタカナで書いたりするケースも見られ、多くの人には、今や「檄」も「激」も「ゲキ」だと認(rèn)識(shí)されるようになったのでしょうか。 おまけに辭書のなかには、「檄を飛ばす」を「元?dú)荬韦胜ふ撙舜碳い蚺cえ元?dú)荬扭堡搿工冉庹hするものも出はじめました?！赶工取讣ぁ工韦堡袱幛瑹o(wú)くなりつつあるようです。しかし、「激勵(lì)を飛ばす」という用法は、さすがに誤用と考えるのですが……。 言葉は時(shí)代とともに変化するとはいえ、我々アナウンサーはその変化に安易に呑み込まれてはいけないと信じます。今起きている言葉の変化の多くは、日本語(yǔ)のもつ繊細(xì)な表現(xiàn)の遣い分けを無(wú)視したものが多いようです。アナウンサーは、言葉の変化を一番後ろから眺めています。

訳文：

正值足球世界杯。大概有許多人聚集在電視機(jī)前為日本隊(duì)送上鼓勵(lì)。 不只是足球，體育賽事轉(zhuǎn)播都是十分受歡迎的頻道之一，最近我在節(jié)目上留意到了“檄”這個(gè)詞。 電視上聽棒球節(jié)目時(shí)，“檄”有很多如下用法：棒球領(lǐng)隊(duì)為面臨關(guān)鍵比分的投手飛去“號(hào)召”（檄が飛ばされる）。每每聽到此我都止不住地?fù)u頭。體育報(bào)紙上也出現(xiàn)了這種表達(dá)。 這可能是把“檄を飛ばす”(號(hào)召）的意思誤解成了“激勵(lì)する”（激勵(lì)）。 哪怕別人在這么用，但自己如果對(duì)這個(gè)詞的意思也沒有把握，不查一下就直接用的話可能就會(huì)犯錯(cuò)。 字典里“檄”原本的意思是“使人知曉自己的想法，發(fā)起號(hào)召的文書”。古代文書是寫在木簡(jiǎn)上，所以“檄”是木字旁。因此這個(gè)詞與激勵(lì)的“激”完全是兩碼事。 曾看過(guò)一則新聞：在對(duì)阿富汗發(fā)動(dòng)恐怖襲擊時(shí)，塔利班的領(lǐng)導(dǎo)人連續(xù)發(fā)動(dòng)空襲，利用無(wú)線通訊“號(hào)召”（檄を飛ばす）人們“死守圣地坎大哈”。這才是“檄”的正確用法。 不過(guò)，我見過(guò)有的體育報(bào)紙上把“檄”用片假名書寫“ゲキ”（geki），這大概是造成許多人至今都認(rèn)為“檄”＝“激”（讀音均為geki）的原因。 此外，現(xiàn)在的字典對(duì)“檄を飛ばす”的解釋中開始出現(xiàn)這種描述：“刺激情緒低落的人，使其振奮”?！跋备凹ぁ敝g的差別越來(lái)越小。但是我認(rèn)為“激勵(lì)を飛ばす”這種用法一定不準(zhǔn)確。 雖說(shuō)語(yǔ)言會(huì)隨著時(shí)代發(fā)展而改變，但我相信作為主持人絕對(duì)不可以輕易隨波逐流?，F(xiàn)今許多語(yǔ)言的變化都無(wú)視了日語(yǔ)中那些細(xì)膩的表達(dá)、細(xì)微的差別。主持人應(yīng)該站在最遠(yuǎn)處?kù)o觀其變。