都落ち 花咲くや　赤(か)ら引く頬(ほお)に さざなみ寄(よ)るは海 貴方は水際(ぎわ)一人微笑むだけ 今、思い出に僕は都落(みやこお)ち 鼻歌、綺麗だね 明日には往(ゆ)くんだぜ 海貓(うみねこ)が鳴いたね 鳥でも泣くんだね 心なし乾(かわ)いたら 別(わか)れの時間だぜ 夏風揉(も)まれて貴方に淺い影 さらり花咲くや　あから引く頬に さざなみ、夜は海 貴方は水際一人手を振るだけ 今、思い出に僕は都落ち 朝焼け、綺麗だね 舟はもう発(た)つんだぜ 海貓が鳴いたね 貴方も泣くんだね 人里(ひとざと)離(はな)れて 鳴る音(と)は向(む)かい波 飛(と)ぶ鳥は遠くへ 明日(あす)から向こうまで 水に　落ち流(なが)れやがて憂(う)き 貴方に　焦(こ)がれる舟は海 惜(お)しみ書く指(ゆび)は思う丈(たけ)ばかり 散(ち)る思い出は波か都落ち 都(みやこ)離(はな)れて舟進む 水は流れて時もまた 僕は貴方の思い出に ただの記憶に 戀ふ(こう)らくはあから引く頬の 寄(よ)せ消(き)ゆ波(なみ)の花 貴方は水際一人微笑むだけ 今、思い出に僕は さらり花咲くや　あから引く頬に さざなみ、夜は海 貴方は水際一人手を振るだけ 今、左様(さよう)なら　僕は都落ち