物価高にコロナ禍……路上での支援続く

寒さの中、食事を求めて炊き出しに並ぶ人たち。今、そうした人はホームレスの人だけではありません。家があっても生活に困っている人が増えています。北九州市で30年以上も支援を続けているNPOの活動に同行しました。?
◆寒さの中で「炊き出し」
12月2日師走の金曜日、夜の街の溫度計は、3度を指していました。
「毛布いかがですか、暖かい毛布ありますよ」
北九州市の勝山公園では炊き出しが行われていました。運営するのはNPO法人「抱樸(ほうぼく)」。困窮や孤立など様々な問題を抱えた人に寄り添う団體です。
奧田知志さん「これから毎週金曜日が炊き出しになりますので、忘れないようにどうぞお越しください」
マイクを使って支援の內(nèi)容を呼びかけるのは「抱樸」の理事長?奧田知志さん。1988年から炊き出しを始め、30年以上にわたり延べ14萬食を提供してきました。
◆「家があっても生活に困っている」人が増加
奧田知志さん「大きな変化は、この炊き出しの場所に、ホームレスじゃない人たち、生活に困窮している人たちが、お弁當(dāng)や薬、あるいは衣服をもらいに來たりされている」
炊き出しに來ている人に話を聞くと……。
男性(58)「きょうは、弁當(dāng)と防寒服(をもらいました)。一応、部屋に暖房がついているので、多少は……電気代がかさむのでなるべく使わないようにしている」
男性(36)「來るきっかけは、コロナ禍で仕事がなくなってから。(Q.どんな仕事していたんですか?)倉庫管理。(Q.仕事に就くのは難しい?)なかなかないですね。みんな正社員を希望しているけど、アルバイトとか派遣とか……條件のミスマッチはあると思う」
この活動には、元ホームレスで「抱樸」によって救われた人もボランティアで參加しています。
生活保護で暮らすボランティア(72)「自分もホームレスやっていたから、苦労はわかるからお返しする。(Q.最近物価が上がっていますけど)そりゃ感じる、やっぱり。食べ物も上がっているから、そんなに贅沢はできないから。だんだん苦しくなってきている」
◆街頭パトロールで要支援者を探す
炊き出しが終わると、街の中をパトロールです。弁當(dāng)や薬を持って、支援を必要としている人を探します。
奧田知志さん「こんばんは。大丈夫ですか、きょうめちゃくちゃ寒いけど」
女性「ちょっと足が痛いかな」
奧田さん「この季節(jié)やから(お弁當(dāng)は)明日食べても大丈夫」
女性「お餅がついている」
奧田さん「気をつけてね、どうも」
この日も1時間以上聲をかけ続けていました。
奧田知志さん「2023年はもっと厳しくなりそうですよね、物価高の問題もあるし、それとコロナの影響はまだ続いています」
◆コロナ禍で借りた資金の返済が始まった
新型コロナの影響で生活が困窮していた人に最大で200萬円を貸し出した、生活福祉資金の「特例貸付」。1月、その返済が始まりました。
奧田知志さん「景気が戻っていない、仕事が戻っていない狀態(tài)で、お金だけ返してくださいとなってきた時にさてどうなるか。ひょっとしたら最悪ホームレス?fàn)顟B(tài)にまで追い込まれるかもしれない。抱樸に相談くださったら、何とかなると思っているんですけどね」