稚児巖(ちごいわ)
むかしむかし、深沢山(ふかざわやま)と呼ばれるあたりを、どこかの國(guó)の殿さまの行列が通りました。
ちょうど秋晴れの気持ちの良い日だったので、殿さまは馬の背中であたりの景色を楽しんでいました。
殿さまがふと上を見上げると、そばの崖っぷちの上の方に大きな巖があります。
それを見て、殿さまが言いました。
「だれか、あの巖を登れる者はおらんか?」
「??????」
「うん? だれか、おらんか?」
「??????」
家來たちはだまったまま下を向いているばかりで、誰一人名乗り出る者はいません。
それもそのはず、もしあんな高いところから滑り落ちでもしたら、命がなくなるからです。
するとその時(shí)、どこからか一人の子どもが現(xiàn)れて、殿さまに言いました。
「お殿さま。わたしが登ってみせますよ」
子どもはみんなの見ている前で著物のすそをまくったかと思うと、まるでサルのように険しい巖をするすると登っていったのです。
それを見た殿さまは、大喜びで言いました。
「見事、見事じゃ」
殿さまはさっそく、子どもにたくさんのほうびをとらせました。
この子どもは深沢山のお堂に住む稚児(ちご)だったので、それからはこの大巖を『稚児巖』と呼ぶようになったそうです。
おしまい
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